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tf2sos

デジタル フィルター伝達関数データの 2 次セクション型への変換

構文

[sos,g] = tf2sos(b,a)
[sos,g] = tf2sos(b,a,'order')
[sos,g] = tf2sos(b,a,'order','scale')
sos = tf2sos(...)

説明

tf2sos では、与えられたデジタル フィルターの伝達関数表現が等価な 2 次セクション型表現に変換されます。

[sos,g] = tf2sos(b,a) では、伝達関数係数ベクトル ab で表現されるデジタル フィルターに等価なゲイン g をもつ 2 次セクション型行列 sos が返されます。

H(z)=B(z)A(z)=b1+b2z1++bn+1zna1+a2z1++am+1zm

sos は L 行 6 列の行列です。

sos=[b01b11b211a11a21b02b12b221a12a22b0Lb1Lb2L1a1La2L].

この行列の行には、2 次セクション型 H(z) の分子と分母の係数 bik および aik が含まれます。

H(z)=gk=1LHk(z)=gk=1Lb0k+b1kz1+b2kz21+a1kz1+a2kz2.

[sos,g] = tf2sos(b,a,'order') では、sos の行の順序が指定されます。ここで、'order' には以下を設定できます。

  • 'down': sos の最初の行が単位円に最も近い極を含むようにセクションが並べられます。

  • 'up': sos の最初の行が単位円から最も離れた極を含むようにセクションが並ベられます (既定の設定)。

[sos,g] = tf2sos(b,a,'order','scale') では、すべての 2 次セクション型のゲインと分子の係数に対し希望するスケーリングが行われます。ここで、'scale' には、以下のいずれかを設定できます。

  • 'none': スケーリングを適用しない (既定の設定)

  • 'inf': 無限大ノルム スケーリングを適用

  • 'two': 2 ノルム スケーリングを適用

up の順序で無限大ノルム スケーリングを使用すると、固定小数点での表現において、オーバーフローの可能性が最小になります。down の順序で 2 ノルム スケーリングを使用すると、ピークの丸めノイズが最小化されます。

メモ:

無限大ノルムと 2 ノルムのスケーリングは、直接型 II の実装に対してのみ適切です。

sos = tf2sos(...) では、最初のセクション H1(z) にシステム ゲイン全体 g が組み込まれます。すなわち、以下のようにします。

H(z)=k=1LHk(z)

メモ:

直接型 II 構造をスケーリングする際に、最初の構造のゲインを組み込むことは推奨しません。異常なスケーリングになる可能性があります。ゲインの組み込みを避けるために、2 つの出力をもつ ss2sos を使用します。

すべて折りたたむ

関数 butter を使用して 4 次のバタワース ローパス フィルターを設計します。カットオフ周波数をナイキスト周波数の半分に指定します。フィルターを 2 次セクション型に実装します。2 つの表現の分子と分母どうしを比較して、それらの表現が同一であるかどうかを確認します。

[nm,dn] = butter(4,0.5);
[ss,gn] = tf2sos(nm,dn);
numers = [conv(ss(1,1:3),ss(2,1:3))*gn;nm]
numers = 2×5

    0.0940    0.3759    0.5639    0.3759    0.0940
    0.0940    0.3759    0.5639    0.3759    0.0940

denoms = [conv(ss(1,4:6),ss(2,4:6))   ;dn]
denoms = 2×5

    1.0000    0.0000    0.4860    0.0000    0.0177
    1.0000    0.0000    0.4860    0.0000    0.0177

アルゴリズム

tf2sos では、次の 4 ステップのアルゴリズムを使用して、入力された伝達関数システムに対する 2 次セクション型構造を決定します。

  1. ba で与えられたシステムの極と零点を求めます。

  2. 関数 zp2sos を使用し、これはまず、関数 cplxpair により零点と極を複素共役対にまとめます。次に関数 zp2sos は、以下のルールに従って極と零点の組を対応させ、2 次セクション型を構成します。

    1. 単位円に最も近い極を、それらの極に最も近い零点と組み合わせます。

    2. 次に単位円に近い極を、それらの極に最も近い零点と組み合わせます。

    3. 同様にして、極と零点をすべて組み合わせます。

    tf2sos では、実極についても、絶対値が最も近いものをグループ化してセクションにまとめます。実数零点についても同じルールが適用されます。

  3. 極の組み合わせを単位円に近付く順に並べ替えます。tf2sos では通常、単位円に最も近い極をもつセクションがカスケードの最後に配置されます。tf2sos'down' フラグを設定することで、逆の順序に並べることができます。

  4. tf2sos によって、'scale' 引数に設定されたノルムでセクションがスケーリングされます。任意の H(ω) に対するスケーリングは、以下のように定義されます。

    Hp=[12π02π|H(ω)|pdω]1/p

    ここで、p は、∞ または 2 のいずれかです。スケーリングの詳細は、参考文献を参照してください。このスケーリングは、フィルター処理で固定小数点の実装によるオーバーフローを最小限に抑えようとするものです。

参考文献

[1] Jackson, L. B. Digital Filters and Signal Processing. 3rd ed. Boston: Kluwer Academic Publishers, 1996, chap. 11.

[2] Mitra, S. K. Digital Signal Processing: A Computer-Based Approach. New York: McGraw-Hill, 1998, chap. 9.

[3] Vaidyanathan, P. P. “Robust Digital Filter Structures.” Handbook for Digital Signal Processing (S. K. Mitra and J. F. Kaiser, eds.). New York: John Wiley & Sons, 1993, chap. 7.

R2006a より前に導入