チャートの対話機能の制御
プロットされたデータを対話的に確認および編集して、データの視覚的な表示を改善したり、データに関するその他の情報を明らかにすることができます。使用できる操作は座標軸の内容によって異なりますが、通常は、ズーム、パン、回転、データ ヒント、データのブラシ選択、元の表示の復元などがあります。
一部のタイプの操作は、座標軸ツール バーでのみ使用できます。ツール バーは座標軸の右上隅にあり、[座標軸ツール バーを展開する] ボタンをクリックすると展開されます。
他のタイプの操作は座標軸に組み込まれており、ドラッグしてパン、スクロールしてズームなどの動作を介して使用できます。これらの操作は、座標軸ツール バーの操作とは別に制御されます。
チャートを作成するときは、使用可能な操作のセットをいくつかの方法で制御できます。
座標軸ツール バーの展開、折りたたみ、または削除
座標軸ツール バーを展開する、または折りたたむには、AxesToolbar オブジェクトの Expanded プロパティをそれぞれ "on" または "off" に設定します。 (R2026a 以降)ツール バーを削除するには、AxesToolbar オブジェクトを [] に設定します。たとえば、座標軸ツール バーを展開してから削除します。
f = figure;
ax = axes(f);
ax.Toolbar.Expanded = "on";
ax.Toolbar = [];
座標軸ツール バーのカスタマイズ
関数 axtoolbar および axtoolbarbtn を使用して、座標軸ツール バーで使用できるオプションをカスタマイズできます。
たとえば、座標軸のグリッド ラインの表示と非表示を切り替えるカスタム状態ボタンを座標軸ツール バーに追加できます。
まず、mycustomstatebutton.m という名前のプログラム ファイルを作成します。プログラム ファイル内で次を行います。
乱数データをプロットします。
axtoolbar関数を使用して、表示をズームおよび復元するオプションをもつ座標軸ツール バーを作成します。関数
axtoolbarbtnを使用して、ツール バーに空の状態ボタンを追加します。ToolbarStateButtonオブジェクトを返します。Icon、Tooltip、およびValueChangedFcnの各プロパティを設定して、状態ボタンのアイコン、ツールヒント、およびコールバック関数を指定します。この例では アイコンを使用します。まず、これをmygridicon.svgという名前のイメージ ファイルとしてパス上に保存しなければなりません。
プログラム ファイルを実行し、アイコンをクリックしてグリッド ラインの表示と非表示を切り替えます。
function mycustomstatebutton plot(rand(5)) ax = gca; tb = axtoolbar(ax,{"zoom","restoreview"}); btn = axtoolbarbtn(tb,"state"); btn.Icon = "mygridicon.svg"; btn.Tooltip = "Grid Lines"; btn.ValueChangedFcn = @customcallback; function customcallback(src,event) switch src.Value case "off" event.Axes.XGrid = "off"; event.Axes.YGrid = "off"; case "on" event.Axes.XGrid = "on"; event.Axes.YGrid = "on"; end end end

組み込み操作の有効化または無効化
組み込み操作のセットをチャート内で有効にするかどうかを制御するには、関数 disableDefaultInteractivity および関数 enableDefaultInteractivity を使用します。MATLAB® では、組み込み操作を自動的に無効にする場合があります。たとえば、特殊な機能をもつチャートの場合や、WindowScrollWheelFcn コールバックなど特定のコールバックを実装する場合に無効にされることがあります。
組み込み操作のカスタマイズ
ほとんどのタイプの座標軸に、特定の動作に対応する組み込み操作の既定のセットが含まれています。使用可能な操作は、座標軸の内容によって異なります。ほとんどの直交座標軸には、スクロールしてズーム、カーソルを合わせるかクリックしてデータ ヒントを表示、ドラッグしてパン (2 次元表示) または回転 (3 次元表示) の各操作が含まれています。既定のセットを新しい操作セットに置き換えることはできますが、既定のセットの操作にアクセスしたり、変更したりすることはできません。
既定の操作を置き換えるには、座標軸の Interactions プロパティを操作オブジェクトの配列に設定します。操作オブジェクトの互換性のある組み合わせを、以下の表から選択します。すべての操作を座標軸から削除するには、プロパティを空の配列 ([]) に設定します。
| 操作オブジェクト | 説明 | 互換性のある操作 |
|---|---|---|
panInteraction | ドラッグによるチャート内のパン。 | regionZoomInteraction および rotateInteraction を除くすべて |
rulerPanInteraction | ドラッグによる座標軸のパン。 | すべて |
zoomInteraction | スクロールまたはピンチ操作によるズーム。 | すべて |
regionZoomInteraction | ドラッグによる四角形領域の拡大 (2 次元直交チャートのみ) | panInteraction および rotateInteraction を除くすべて |
rotateInteraction | ドラッグによるチャートの回転。 | panInteraction および regionZoomInteraction を除くすべて |
dataTipInteraction | カーソル配置、クリック、またはタップによるデータ ヒントの表示。 | すべて |
たとえば、1000 個の散布点を含むプロットを作成します。座標軸ツール バーを展開して、使用可能な操作を表示します。
x = 1:500; y = randn(1,500); y2 = 5*randn(1,500) + 10; plot(x,y,".",x,y2,"."); ax = gca; ax.Toolbar.Expanded = "on";

既定では、このプロットには、チャート領域内でのドラッグによるパンを含む操作セットが含まれています。しかし、プロットには稠密な点の集まりがあるため、操作セットにプロットの特定領域を拡大できる操作が含まれているほうが便利かもしれません。regionZoomInteraction オブジェクトはこの機能を提供します。現在の座標軸の既定の操作セットを、regionZoomInteraction オブジェクトを含む配列に置き換えます。
ax.Interactions = [zoomInteraction, regionZoomInteraction, rulerPanInteraction];
これで、プロット領域内でのドラッグによって、拡大対象となる四角形の関心領域が定義されます。

操作の動作のカスタマイズ
座標軸操作の特定の側面の動作をカスタマイズできます。座標軸の操作をカスタマイズするには、座標軸の InteractionOptions プロパティに関連付けられた CartesianAxesInteractionOptions オブジェクトのプロパティ値を変更します。
たとえば、Figure の座標軸操作をカスタマイズします。座標軸のサポートされる操作を変更します。PanSupported プロパティを "off" として指定して、座標軸でパン操作がサポートされないようにします。
f = figure; ax = axes(f); plot(ax,magic(4)) ax.InteractionOptions.PanSupported = "off"; ax.Toolbar.Expanded = "on";
座標軸ツール バーには、[パン] ボタン が含まれないようになりました。プロットをクリックしてドラッグしても、座標軸の表示はパンされません。

次に、ズーム操作を x 次元のみに制約します。
ax.InteractionOptions.LimitsDimensions = "x";
これで、LimitsDimensions プロパティに関連するすべてのズーム操作は x 次元に制約されるようになりました。たとえば、座標軸のズーム モードを有効にします。
zoom(ax,"on")
CartesianAxesInteractionOptions の LimitsDimensions プロパティにより、ズームが x 次元に制約されます。
座標軸にズームインした後に、座標軸の表示を復元します。表示を復元する前に、表示を復元するために既定の x 軸の制限をクエリします。
restoreX = ax.InteractionOptions.RestoredXLimits
restoreX =
1 4
x 軸の復元の制限をカスタマイズします。
ax.InteractionOptions.RestoredXLimits = [2 3];
次に、座標軸ツール バーにある [表示の復元] ボタン をクリックします。x 軸の制限は [2 3] です。
![Plot with x-axis limits [2 3]](interactionoptions_restorex.png)
参考
関数
プロパティ
- AxesToolbar のプロパティ | ToolbarPushButton のプロパティ | ToolbarStateButton のプロパティ | Axes のプロパティ | CartesianAxesInteractionOptions Properties