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調整された Simulink ブロックをパラメーター化する方法

事前定義されたパラメーター化をもつブロック

Simulink® モデルを調整する場合、制御システム調整器を使用しても、あるいは slTuner (Simulink Control Design) インターフェイスを通じてコマンド ラインを使用しても、ソフトウェアは事前定義されたパラメーター化を特定の Simulink ブロックに自動的に割り当てます。たとえば、PI コントローラー タイプに設定された PID Controller ブロックの場合、ソフトウェアはパラメーター化 Kp + Ki/s を自動的に割り当てます。ここで、KpKi は調整可能なパラメーターです。事前定義されたパラメーター化をもつブロックの場合、調整コントローラーを検証するために Simulink モデルに調整された値を書き込むことができます。

事前定義されたパラメーター化をもつブロックには次が含まれます。

Simulink ライブラリ事前定義されたパラメーター化をもつブロック
Math Operations

Gain (Simulink)

連続
離散
ルックアップ テーブル
Control System Toolbox

LTI System

離散 (Model Discretizer ブロック)
  • Discretized State-Space

  • Discretized Transfer Fcn

  • Discretized Zero-Pole

  • Discretized LTI System

  • Discretized Transfer Fcn (初期状態)

Simulink Extras/Additional Linear

State-Space (with initial outputs)

スカラー拡張

次の調整可能なブロックはスカラー拡張をサポートします。

  • Discrete Filter

  • Gain

  • 1-D Lookup Table, 2-D Lookup Table, n-D Lookup Table

  • PID Controller, PID Controller (2DOF)

スカラー拡張は、入力信号および出力信号がベクトルの場合でもブロック パラメーターをスカラー値にできることを意味します。たとえば、Gain ブロックを使用して y = k*u を実装できます (k はスカラー、u および y はベクトル)。そのためには、ブロックの [乗算] モードを [要素単位 (K.*u)] に設定し、ゲイン値をスカラー k に設定します。

調整可能なブロックがスカラー拡張を使用する場合、その既定のパラメーター化は調整可能なスカラーを使用します。たとえば、y = k*u Gain ブロックでは、ソフトウェアはスカラー k を調整可能な実数スカラー (サイズ [1 1]realp) としてパラメーター化します。代わりに、チャネルごとに異なるゲイン値を調整する場合は、ブロック ダイアログでスカラー ゲイン kN-by-1 ゲイン ベクトルで置き換えます。ここで、N はチャネルの数、ベクトル u および y の長さです。その後、ソフトウェアはゲインをサイズ [N 1]realp としてパラメーター化します。

事前定義されたパラメーター化をもたないブロック

事前定義されたパラメーター化をもたないブロックを調整用に指定することができます。その場合、ソフトウェアはブロックの線形化に基づいて状態空間パラメーター化をそのようなブロックに割り当てます。事前定義されたパラメーター化をもたないブロックの場合、調整されたパラメーターとブロックの間に明確なマッピングがないため、ソフトウェアは調整された値をブロックに書き戻すことができません。このようなブロックを含んでいる調整された制御システムを検証するには、調整されたパラメーター化の値を使用して、モデル内でブロック線形化を指定することができます (ブロック線形化の指定の詳細については、MATLAB の式を使用したブロック線形化の指定 (Simulink Control Design)を参照してください)。

ブロック パラメーター化の表示と変更

調整用に指定したすべてのブロックの現在のパラメーター化を表示および編集できます。