信号プロパティ
信号プロパティを表示および編集する
説明
モデル内の信号のプロパティを表示および編集するには、[信号プロパティ] ダイアログ ボックスを使用します。[信号プロパティ] ダイアログ ボックスを使用して、ログ記録用に信号をマークしたり、信号名を指定したり、ログに記録するデータ点やログのサンプル時間などのログ オプションを構成したりできます。
モデルが同時実行用に構成されている場合、[信号プロパティ] ダイアログ ボックスには [データ転送] タブもあります。詳細については、同時実行タスク間でのデータ転送設定の構成および同時実行用のモデルの構成を参照してください。

信号プロパティ を開く
モデル内の信号線を右クリックし、[プロパティ] を選択します。
モデル内の信号線を選択すると、プロパティ インスペクターで信号プロパティが使用できるようになります。
パラメーター
信号名のプロパティ
信号の名前を文字ベクトルまたは string として指定します。
[信号名を Simulink の信号オブジェクトに関連付ける] を選択した場合、名前はベース ワークスペース、モデル ワークスペース、またはデータ ディクショナリ内の Simulink.Signal オブジェクトの名前と一致する必要があります。[信号名を Simulink の信号オブジェクトに関連付ける] を選択しなかった場合、信号名は暗黙的に Simulink.Signal オブジェクトに関連付けられることがあります。詳細については、明示的または暗黙的な記号関連付けを参照してください。
既定では、ログに記録される信号データの名前は、モデルで指定された信号名と一致します。ログに記録される信号データに別の名前を使用するには、[ログ名] プロパティを使用してログに記録されるデータの名前を指定します。
プログラムでの使用
信号名をプログラムで指定するには、set_param 関数を使用して、信号に対応するライン ハンドルまたは信号を生成するブロック出力端子に対応する端子ハンドルの Name プロパティを設定します。例については、プログラムによる信号の名前の設定を参照してください。
パラメーター: Name |
| 型: string | 文字ベクトル |
有効になっている場合、[信号プロパティ] ダイアログ ボックスで指定された信号名は、ベース ワークスペース、モデル ワークスペース、またはデータ ディクショナリ内の Simulink.Signal オブジェクトの名前と一致する必要があります。無効になっている場合、信号名は Simulink.Signal オブジェクトに暗黙的に関連付けられることがあります。詳細については、明示的または暗黙的な記号関連付けを参照してください。
既定では、Simulink.Signal オブジェクトに関連付ける必要がある信号は、信号ラベルの左側の信号の関連付けアイコンでマークされます。詳細については、信号のオブジェクトへの関連付けインジケーターを参照してください。
プログラムでの使用
信号に対してこのオプションをプログラムで構成するには、set_param 関数を使用して、信号を生成するブロック出力端子に対応する端子ハンドルの MustResolveToSignalObject プロパティを設定します。例については、信号オブジェクトの使用を参照してください。
パラメーター: MustResolveToSignalObject |
値: 'on' | 'off' |
既定の設定: 'off' |
信号ラベルの伝播がサポートされるブロックから下流の信号が生じる場合、下流の信号線でこのオプションを有効にすることで、伝播信号の名前を信号線のラベルとして表示できます。
たとえば、Subsystem ブロックからの出力信号は、信号ラベルの伝播用に構成されています。伝播された信号ラベル <const> は、上流の Constant ブロックの出力信号 const の名前から取得されています。

詳細については、信号ラベル伝播を参照してください。
ヒント
すべての信号の伝播された信号ラベルを表示するには、Simulink® エディターの [デバッグ] タブで [情報のオーバーレイ] を選択してから、[伝播された信号ラベル] を選択します。
依存関係
[伝播信号の表示] プロパティは、信号ラベルの伝播がサポートされているブロックによって生成された信号に対してのみ使用できます。
プログラムでの使用
信号が伝播した名前を表示するようにプログラムによって設定するには、関数 set_param を使用して、その信号を生成するブロック出力端子に対応する端子ハンドルの ShowPropagatedSignals プロパティの値を指定します。例については、伝播信号ラベルの表示を参照してください。
パラメーター: ShowPropagatedSignals |
値: 'on' | 'off' |
既定の設定: 'off' |
ログとユーザー補助機能
信号をログ記録用にマークするには、このオプションを選択します。モデル コンフィギュレーション パラメーターの [信号のログ] オプションが有効になっている場合、ログ記録用にマークされた信号のデータが、シミュレーション中にワークスペースとシミュレーション データ インスペクターに送信されます。詳細については、信号ログを使用した信号データの保存を参照してください。
プログラムでの使用
信号をログに記録するかどうかを制御するには、プログラムで Simulink.sdi.markSignalForStreaming 関数を使用するか、set_param 関数を使用して、信号を生成するブロック出力端子に対応する端子ハンドルの DataLogging プロパティを構成します。
パラメーター: DataLogging |
値: 'on' | 'off' |
既定の設定: 'off' |
有効になっている場合、信号はテスト ポイントとして指定されます。詳細については、テスト ポイントとしての信号の設定を参照してください。
プログラムでの使用
プログラムで信号をテスト ポイントとして指定するには、set_param 関数を使用して、信号を生成する端子に対応する端子ハンドルの TestPoint プロパティの値を指定します。
パラメーター: TestPoint |
値: 'on' | 'off' |
既定の設定: 'off' |
ログ記録された信号データの名前を指定します。既定では、ログ記録された信号データは、モデルで指定された信号の名前を使用します。
モデル内の信号の名前とは異なる信号のログ名を指定するには、[カスタム] を選択し、テキスト ボックスにログ名を指定します。
依存関係
[ログ名] プロパティを有効にするには、[信号データのログ] を選択します。
プログラムでの使用
ログ名をプログラムで指定するには、set_param 関数を使用して、信号を生成するブロック出力端子に対応する端子ハンドルの DataLoggingNameMode および DataLoggingName パラメーターを構成します。
パラメーター: DataLoggingNameMode |
値: 'SignalName' | 'Custom' |
既定の設定: 'SignalName' |
パラメーター: DataLoggingName |
| 型: string | 文字ベクトル |
シミュレーションの最後の時点からのデータのみを保存または解析する場合は、最後の n 個の信号値のみを取得するようにログを設定できます。[直近のデータ点数に制限] を選択し、ログに記録するデータ点の数を指定します。
最後のシミュレーション値のみをログに記録する場合、Dashboard ブロックとシミュレーション データ インスペクターはシミュレーション中のデータを表示しません。シミュレーションでログに記録されるデータ点の数を減らす前に、各信号のデータ要件を考慮してください。
ログに記録するデータを最後の n 個の信号値に制限するとメモリ割り当てに直接影響します。このパラメーターを指定すると、シミュレーション中に生成されるタイム ステップではなく、指定した値に基づいて事前にメモリが割り当てられます。このため、ログを記録するタイム ステップの数が不確定である場合は [直近のデータ点数に制限] パラメーターは推奨されません。
詳細については、ログに記録する信号値の指定およびログ データのサイズの制限を参照してください。
依存関係
[直近のデータ点数に制限] プロパティを有効にするには、[信号データのログ] を選択します。
プログラムでの使用
このオプションをプログラムで構成するには、set_param 関数を使用して、信号を生成するブロック出力端子に対応する端子ハンドルの DataLoggingLimitDataPoints および DataLoggingMaxPoints パラメーターを構成します。
パラメーター: DataLoggingLimitDataPoints |
値: 'on' | 'off' |
既定の設定: 'off' |
パラメーター: DataLoggingMaxPoints |
| 値: 数値スカラー |
| 型: string | 文字ベクトル |
既定の設定: '5000' |
ログに記録されたデータの有効サンプル レートを下げる場合は、[間引き] を選択し、テキスト ボックスで必要な間引き係数を指定します。たとえば、間引き係数を 2 に指定すると、1 つおきの信号値がログに記録されます。
シミュレーションでログに記録されるデータ点の数を減らす前に、各信号のデータ要件を考慮してください。有効サンプル レートが低すぎる場合、間引きによってエイリアシングが生じる可能性があります。
詳細については、ログに記録する信号値の指定およびログ データのサイズの制限を参照してください。
依存関係
[間引き] プロパティを有効にするには、[信号データのログ] を選択します。
プログラムでの使用
このオプションをプログラムで構成するには、set_param 関数を使用して、信号を生成するブロック出力端子に対応する端子ハンドルの DataLoggingDecimateData および DataLoggingDecimation パラメーターを構成します。
パラメーター: DataLoggingDecimateData |
値: 'on' | 'off' |
既定の設定: 'off' |
パラメーター: DataLoggingDecimation |
| 値: 数値スカラー |
| 型: string | 文字ベクトル |
既定の設定: '2' |
選択した信号のデータをログに記録するために使用するサンプル時間を指定します。既定では、ログのサンプル時間は、信号を生成するブロックから継承されます (-1)。連続ログ サンプル時間の場合、値を 0 として指定します。データのログ記録に離散サンプル時間を使用する場合は、サンプリング間隔をスカラーとして指定します。
[信号プロパティ] ダイアログ ボックスでログに記録される信号のサンプル時間を設定すると、以下のようになります。
ログに記録される信号のサンプル時間を一貫したものにするために Rate Transition ブロックを挿入する必要がなくなるため、設計とテストが分離されます。
間引きの設定が関係ない連続時間信号のログ記録データの量が削減されます。
サンプル時間が異なる信号に対してログに記録された信号データを後処理する必要がなくなります。
信号をログ記録用にマークした場合、ソフトウェアは非表示の To Workspace ブロックを挿入します。ログに記録される信号のサンプル時間を指定すると、ソフトウェアは非表示の Rate Transition ブロックおよび非表示の To Workspace ブロックを挿入します。
ログのサンプル時間を指定すると、モデルに新しいサンプル時間が追加される場合があります。ログのサンプル時間を指定すると、モデルは正確な時間ヒットの値を計算します。固定ステップ ソルバーを使用する場合、指定するログのサンプル時間は、モデルの基本レートの倍数でなければなりません。
信号ログのサンプル時間を指定しても、シミュレーションの結果には影響しません。ただし、サンプル レートを指定したかどうかに応じて、ログに記録される信号の信号ログ出力が変化する可能性があります。たとえば、信号ログのサンプル時間を指定するかどうかに応じて、内挿方法が異なる場合があります。
ソフトウェアインザループ (SIL) モードでシミュレーションした場合、信号ログでは、ログに記録される信号に指定したサンプル時間は無視されます。
以下に対してサンプル時間を指定しないでください。
フレームベース信号
条件付きサブシステムまたは条件付き参照モデル内の信号
[サンプル時間] プロパティは、[インストルメンテーションのプロパティ] ダイアログ ボックスを使用して構成する [ログ サンプル時間] プロパティと同じです。
依存関係
[サンプル時間] プロパティを有効にするには、[信号データのログ] を選択します。
プログラムでの使用
このオプションをプログラムで構成するには、set_param 関数を使用して、信号を生成するブロック出力端子に対応する端子ハンドルの DataLoggingSampleTime パラメーターを構成します。
パラメーター: DataLoggingSampleTime |
| 値: 数値スカラー |
| 型: string | 文字ベクトル |
既定の設定: '-1' |
ドキュメンテーション
信号が選択されたときにプロパティ インスペクターの [情報] タブに表示される信号の説明を指定できます。
[信号プロパティ] ダイアログ ボックスで指定された説明は、生成されたコードには含まれません。生成されたコード内でコメントとなる信号の説明を指定するには、Simulink.Signal オブジェクトを使用します。
プログラムでの使用
このオプションをプログラムで構成するには、set_param 関数を使用して、信号を生成するブロック出力端子に対応する端子ハンドルの Description パラメーターを構成します。
パラメーター: Description |
| 型: string | 文字ベクトル |
バージョン履歴
R2006a より前に導入
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