evaluate
最適化式または問題に含まれる目的関数と制約の評価
説明
evaluate
は、ある点における最適化式の数値を求めたり、最適化問題、方程式問題、最適化制約に含まれる目的関数と制約式の一連の点における値を求めたりする場合に使用します。
ヒント
完全なワークフローについては、問題ベースの最適化ワークフローまたは方程式を解くための問題ベースのワークフローを参照してください。
例
点での最適化式の評価
2 変数の最適化式を作成します。
x = optimvar("x",3,2); y = optimvar("y",1,2); expr = sum(x,1) - 2*y;
点で式を評価します。
xmat = [3,-1; 0,1; 2,6]; sol.x = xmat; sol.y = [4,-3]; val = evaluate(expr,sol)
val = 1×2
-3 12
制約式の評価
2 つの最適化変数 x
および y
を作成し、それらの変数で 3 行 2 列の制約式を作成します。
x = optimvar("x"); y = optimvar("y"); cons = optimconstr(3,2); cons(1,1) = x^2 + y^2/4 <= 2; cons(1,2) = x^4 - y^4 <= -x^2 - y^2; cons(2,1) = x^2*3 + y^2 <= 2; cons(2,2) = x + y <= 3; cons(3,1) = x*y + x^2 + y^2 <= 5; cons(3,2) = x^3 + y^3 <= 8;
制約式を点 、 で評価します。式 L <= R
の値は L - R
です。
x0.x = 1; x0.y = -1; val = evaluate(cons,x0)
val = 3×2
-0.7500 2.0000
2.0000 -3.0000
-4.0000 -8.0000
解での目的関数の評価
線形計画問題を解きます。
x = optimvar('x'); y = optimvar('y'); prob = optimproblem; prob.Objective = -x -y/3; prob.Constraints.cons1 = x + y <= 2; prob.Constraints.cons2 = x + y/4 <= 1; prob.Constraints.cons3 = x - y <= 2; prob.Constraints.cons4 = x/4 + y >= -1; prob.Constraints.cons5 = x + y >= 1; prob.Constraints.cons6 = -x + y <= 2; sol = solve(prob)
Solving problem using linprog. Optimal solution found.
sol = struct with fields:
x: 0.6667
y: 1.3333
解での目的関数の値を求めます。
val = evaluate(prob.Objective,sol)
val = -1.1111
最適化問題の値の評価
いくつかの線形制約と非線形制約を含む最適化問題を作成します。
x = optimvar("x"); y = optimvar("y"); obj = (10*(y - x^2))^2 + (1 - x)^2; cons1 = x^2 + y^2 <= 1; cons2 = x + y >= 0; cons3 = y <= sin(x); cons4 = 2*x + 3*y <= 2.5; prob = optimproblem(Objective=obj); prob.Constraints.cons1 = cons1; prob.Constraints.cons2 = cons2; prob.Constraints.cons3 = cons3; prob.Constraints.cons4 = cons4;
100 個のテスト ポイントをランダムに作成します。
rng default % For reproducibility xvals = randn(1,100); yvals = randn(1,100);
点を問題の OptimizationValues
オブジェクトに変換します。
pts = optimvalues(prob,x=xvals,y=yvals);
点 pts
で目的関数と制約関数を評価します。
val = evaluate(prob,pts);
目的関数の値は val.Objective
に格納され、制約関数の値は val.cons1
~ val.cons4
に格納されます。目的関数の値に 1 を加算した値の対数をプロットします。
figure
plot3(xvals,yvals,log(1 + val.Objective),"bo")
制約 cons1
と cons4
の値をプロットします。制約が満たされるのは、値が非正の数値になる場合であることに注意してください。非正の値を円、正の値を x のマークでプロットします。
neg1 = val.cons1 <= 0; pos1 = val.cons1 > 0; neg4 = val.cons4 <= 0; pos4 = val.cons4 > 0; figure plot3(xvals(neg1),yvals(neg1),val.cons1(neg1),"bo") hold on plot3(xvals(pos1),yvals(pos1),val.cons1(pos1),"rx") plot3(xvals(neg4),yvals(neg4),val.cons4(neg4),"ko") plot3(xvals(pos4),yvals(pos4),val.cons4(pos4),"gx") hold off
最後の図に示されているように、evaluate
では点の値と実行可能性の両方を計算できます。これに対し、issatisfied
では実行可能性のみが計算されます。
方程式の式の評価
2 つの最適化変数で一連の方程式を作成します。
x = optimvar("x"); y = optimvar("y"); prob = eqnproblem; prob.Equations.eq1 = x^2 + y^2/4 == 2; prob.Equations.eq2 = x^2/4 + 2*y^2 == 2;
から始めて連立方程式を解きます。
x0.x = 1; x0.y = 1/2; sol = solve(prob,x0)
Solving problem using fsolve. Equation solved. fsolve completed because the vector of function values is near zero as measured by the value of the function tolerance, and the problem appears regular as measured by the gradient.
sol = struct with fields:
x: 1.3440
y: 0.8799
点 x0
と sol
で方程式を評価します。
vars = optimvalues(prob,x=[x0.x sol.x],y=[x0.y sol.y]); vals = evaluate(prob,vars)
vals = 1x2 OptimizationValues vector with properties: Variables properties: x: [1 1.3440] y: [0.5000 0.8799] Equation properties: eq1: [0.9375 8.4322e-10] eq2: [1.2500 6.7431e-09]
最初の点 x0
は、eq1
と eq2
の両方の方程式の値が非ゼロです。2 つ目の点 sol
は、解に期待されるとおり、それらの方程式の値がほぼゼロになります。
issatisfied
を使用して方程式の満足度を調べます。
[satisfied details] = issatisfied(prob,vars)
satisfied = 1x2 logical array
0 1
details = 1x2 OptimizationValues vector with properties: Variables properties: x: [1 1.3440] y: [0.5000 0.8799] Equation properties: eq1: [0 1] eq2: [0 1]
最初の点 x0
は解ではなく、その点の satisfied
は 0
です。2 つ目の点 sol
は解であり、その点の satisfied
は 1
です。方程式のプロパティは、最初の点ではどちらの方程式も満たされず、2 つ目の点では両方が満たされることを示しています。
入力引数
expr
— 最適化式
OptimizationExpression
オブジェクト
最適化式。OptimizationExpression
オブジェクトとして指定します。
例: expr = 5*x+3
(x
は OptimizationVariable
)
pt
— 式の変数の値
構造体
式の変数の値。構造体として指定します。構造体 pt
の要件は以下のとおりです。
expr
のすべての変数がpt
のフィールド名と一致しなければならない。一致するフィールド名の値が数値でなければならない。
pt
のフィールドのサイズがexpr
の対応する変数のサイズと一致しなければならない。
たとえば、pt
を、solve
によって返される最適化問題の解にすることができます。
例: pt.x = 3, pt.y = -5
データ型: struct
cons
— 制約
OptimizationConstraint
オブジェクト | OptimizationEquality
オブジェクト | OptimizationInequality
オブジェクト
制約。OptimizationConstraint
オブジェクト、OptimizationEquality
オブジェクト、または OptimizationInequality
オブジェクトとして指定します。これらの制約オブジェクトに evaluate
が適用されるのは、点を OptimizationValues
オブジェクトとしてではなく構造体として指定した場合のみです。
例: cons = expr1 <= expr2
(expr1
と expr2
は最適化式)
prob
— 評価対象のオブジェクト
OptimizationProblem
オブジェクト | EquationProblem
オブジェクト
評価対象のオブジェクト。OptimizationProblem
オブジェクトまたは EquationProblem
オブジェクトとして指定します。関数 evaluate
は、prob
のプロパティに含まれる目的関数と制約を pts
の点で評価します。
例: prob = optimproblem(Objective=obj,Constraints=constr)
pts
— prob
について評価する点
構造体 | OptimizationValues
オブジェクト
prob
について評価する点。構造体または OptimizationValues
オブジェクトとして指定します。
pts
のフィールド名はprob
の目的関数と制約式の対応する変数名と一致しなければならない。pts
の値はprob
の対応する変数と同じサイズの数値配列でなければならない。
メモ
現在、pts
を OptimizationValues
オブジェクトにできるのは、prob
が EquationProblem
オブジェクトまたは OptimizationProblem
オブジェクトの場合のみです。
pts
に構造体を使用する場合、pts
に含めることができる点は 1 つだけになります。つまり、複数の点を同時に評価する場合は、pts
は OptimizationValues
オブジェクトでなければなりません。
例: pts = optimvalues(prob,x=xval,y=yval)
出力引数
val
— 評価結果
double | OptimizationValues
オブジェクト
評価結果。double または OptimizationValues
オブジェクトとして返されます。
最初の入力引数が式または制約の場合、
val
は式または制約と同じサイズの double 配列として返され、pt
におけるその数値が格納されます。最初の入力引数が
OptimizationProblem
オブジェクトまたはEquationProblem
オブジェクトの場合、val
はOptimizationValues
オブジェクトになります。val
には、prob
の目的関数と制約または式のpts
の点で評価された値が格納されます。pts
にN
個の点が含まれている場合、val
のサイズは 1 行N
列です。たとえば、prob
に 2 行 3 列のサイズの制約con
が含まれていて、pts
がN
= 5 個の点をもつOptimizationValues
オブジェクトの場合、val
のサイズは 1 行 5 列、val.Constraints.con
のサイズは 2×3×5 になります。
警告
問題ベースのアプローチでは、目的関数、非線形等式、および非線形不等式における複素数値はサポートされていません。関数の計算に複素数値が含まれていると、それが中間値としてであっても、最終結果が不正確になる場合があります。
詳細
制約式の値
点 pt
の制約式の条件は、以下のとおりです。
制約が
L <= R
の場合、制約の値はevaluate(L,pt)
–evaluate(R,pt)
。制約が
L >= R
の場合、制約の値はevaluate(R,pt)
–evaluate(L,pt)
。制約が
L == R
の場合、制約の値はabs(evaluate(L,pt) – evaluate(R,pt))
。
一般に、ある点で制約の値が許容誤差以下である場合に、その点において制約が満たされている (実行可能である) と見なします。
バージョン履歴
R2017b で導入R2024b: より多くのオブジェクトの式を評価
evaluate
関数が次のオブジェクトに適用されるようになりました。
例については、方程式の式の評価を参照してください。
R2024a: 最適化問題に含まれる目的関数と制約式の複数の点での評価
OptimizationProblem
オブジェクト内の目的関数と制約式に関数 evaluate
が適用されるようになりました。評価点を OptimizationValues
オブジェクトとして関数に渡すと、そのオブジェクト内のすべての点で式が評価されます。例については、最適化問題の値の評価を参照してください。
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