pidTuner
PID 調整のための PID 調整器を開く
構文
pidTuner(sys,type)
pidTuner(sys,Cbase)
pidTuner(sys)
pidTuner
説明
pidTuner(
は PID 調整器アプリを起動し、プラント sys
,type
)sys
のためのタイプ type
のコントローラーを設計します。
pidTuner(
は、ベースライン コントローラー sys
,Cbase
)Cbase
で PID 調整器を起動し、設計されたコントローラーとベースライン コントローラーの性能を比較できるようにします。Cbase
が pid
、pidstd
、pid2
または pidstd2
コントローラー オブジェクトである場合、PID 調整器は Cbase
と同じ形式、タイプ、離散積分器の式をもつコントローラーを設計します。
pidTuner(
は並列型 PI コントローラーを設計します。sys
)
pidTuner
により、1 の既定のプラントと 1 の比例 (P) コントローラーで PID 調整器が起動します。
入力引数
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コントローラー設計のためのプラント モデル
プラントが不安定な極をもっていて、
その場合、プラント内の不安定な極の数を指定しなければなりません。これを行うには、PID 調整器を開いた後、[プラント] メニューで |
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設計するコントローラーのコントローラー タイプ。文字ベクトルとして指定します。"コントローラー タイプ" という用語は、コントローラーの動作内に存在する項を示します。たとえば、PI コントローラーにあるのは比例項と積分項のみですが、PIDF コントローラーには比例項、積分器項、不完全微分項があります。 1-DOF コントローラー
2-DOF コントローラー
2-DOF PID コントローラー一般についての詳細は、2 自由度 PID コントローラーを参照してください。 設定点の重みが固定された 2-DOF コントローラー
設定点の重みが固定された 2-DOF PID コントローラーについての詳細は、調整における PID コントローラー タイプを参照してください。 コントローラー形式
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ベースライン コントローラーを表す動的システムで、設計されたコントローラーの性能と
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例
平行形式コントローラーの対話型 PID 調整
PID 調整器を起動し、離散時間プラントのための並列形式 PIDF コントローラーを設計する:
Gc = zpk([],[-1 -1 -1],1); Gd = c2d(Gc,0.1); % Create discrete-time plant pidTuner(Gd,'pidf') % Launch PID Tuner
積分器の離散化手法を使用する標準形式コントローラーの対話型 PID 調整
BackwardEuler
離散積分器の式を使用して標準形式 PIDF コントローラーを設計する:
Gc = zpk([],[-1 -1 -1],1); Gd = c2d(Gc,0.1); % Create discrete-time plant % Create baseline controller. Cbase = pidstd(1,2,3,4,'Ts',0.1,... 'IFormula','BackwardEuler','DFormula','BackwardEuler') pidTuner(Gd,Cbase) % Launch PID Tuner
PID 調整器は、Cbase
と同じ形式、タイプ、離散積分器の式をもつ、Gd
のためのコントローラーを設計します。PID 調整器の [ベースラインを表示] チェック ボックスをクリックすると、比較のため、Cbase
の応答プロットを、設計されたコントローラーの応答プロットで表示することができます。
ヒント
type
またはCbase
で 1 自由度 (1-DOF) の PID コントローラーを指定した場合、pidTuner
によって次の図に示すような単一フィードバック ループ用にコントローラーが設計されます。type
またはCbase
で 2 自由度 (2-DOF) の PID コントローラーを指定した場合、pidTuner
によって次の図のフィードバック ループのような 2-DOF コントローラーが設計されます。PID 調整器は、60 度の既定のターゲット位相余裕をもち、自動的に PID ゲインを調整して性能 (応答時間) とロバスト性 (安定余裕) のバランスを取ります。[応答時間] または [帯域幅] および [位相余裕] スライダーを使用して、コントローラーの性能を要件に合うように調整することができます。通常は、性能を高めるとロバスト性が低下し、またその逆についても同様です。
[応答] メニューから応答プロットを選択し、コントローラーの性能を分析します。
Cbase
を入力する場合は、[ベースラインを表示] にチェック マークをつけ、ベースライン コントローラーの応答を表示させます。PID 調整器の使用の詳細については、PID 調整器による PID コントローラーの設計を参照してください。
ライブ エディターによる対話型の PID 調整については、[PID コントローラーの調整] ライブ エディター タスクを参照してください。このタスクを使用すると、PID コントローラーを対話的に設計し、ライブ スクリプト用の MATLAB® コードを自動的に生成できます。
アルゴリズム
MathWorks® PID 調整アルゴリズムについての詳細は、PID 調整アルゴリズムを参照してください。
代替方法
MATLAB デスクトップの [アプリ] タブから PID 調整器を開くこともできます。その場合、PID 調整器の [Plant] メニューを使用して、プラント モデルを指定します。
コマンド ラインで PID 調整を行うには、pidtune
を使用します。pidtune
コマンドで、複数のプラントのコントローラーを一度に設計できます。
ライブ エディターによる対話型の PID 調整については、[PID コントローラーの調整] ライブ エディター タスクを参照してください。このタスクを使用すると、PID コントローラーを対話的に設計し、ライブ スクリプト用の MATLAB コードを自動的に生成できます。
参考文献
Åström, K. J. and Hägglund, T. Advanced PID Control, Research Triangle Park, NC: Instrumentation, Systems, and Automation Society, 2006.
バージョン履歴
R2014b で導入