設計最適化とは?
設計最適化は、プロジェクトの要件を満たす最適な設計パラメーターを見つけるプロセスです。エンジニアは通常、実験計画法 (DOE)、統計、最適化といった手法を使用して、トレードオフを評価し、最適な設計を決定します。
一般的な設計上の問題には、考慮すべき設計パラメーターが数多く存在することがよくあります。一部の設計パラメーターは、パフォーマンス メトリクスに非線形効果をもたらす可能性があります。また、離散値のみをとる設計パラメーターもあります。競合する複数の要件や目的を満たす必要があることもよくあります。パラメーターを一度に一つずつ手作業で調整すると、最適な結果が得られない傾向があります。一方、設計空間において取りうる選択肢をすべて評価すると、時間がかかりすぎる可能性があります。
設計最適化では、数値最適化の手法を活用して、制約を満たしながら自動的に最適解を見つけることで、このような課題に対応します。このプロセスでは、設計空間を網羅的に調べるのではなく、インテリジェントに設計空間を探索します。設計を反復的に変更していくプロセスが自動化されるため、所要時間や人的エラーを減らせます。また、エンジニアは統計的手法を使用して、最適化を実行する前に感度の調査や設計空間の把握を行うほか、完了後に最適解のロバスト性を評価します。
MATLAB® と Simulink® には、あらゆる種類のモデルを最適化する一般的なツールから特定の用途に的を絞ったツールまで、さまざまな設計最適化機能が用意されています。
- Optimization Toolbox™ と Global Optimization Toolbox を使用して、単一および複数の設計目標を最適化します。さまざまな最適化ソルバーを利用して、非線形性、複数の最適解、離散設計の選択肢、計算量の多いシミュレーションなどの課題を解決します。
- Simulink Design Optimization™ を使用して、Simulink モデル内で設計パラメーターを調整し、システム パフォーマンスの改善やエネルギー消費量の最小化などの目的を達成します。設計最適化の手法を使用して、オーバーシュートや位相余裕などの時間領域と周波数領域の両方の制約を満たすことができます。モデル内で物理プラントのパラメーターやコントローラーゲイン、あらゆる設計パラメーターを組み合わせて最適化できます。
- Statistics and Machine Learning Toolbox™ を使用して、実験計画法を実行し、テスト計画の指定、モンテカルロ シミュレーション用の乱数の生成、感度解析を使用した結果のロバスト性の判断、応答曲面モデルの作成などを行います。Simulink モデルを使用した感度解析については、Simulink Design Optimization を使用します。
- Model-Based Calibration Toolbox™ を使用して、複雑なパワートレイン システム向けに、テスト計画の定義、統計モデルの開発、最適なキャリブレーションとルックアップテーブルの生成を行います。
製品使用例および使い方
MATLAB の例
Simulink の例
ソフトウェア リファレンス
参考: 多目的最適化, 非線形計画法, 二次計画法, 遺伝的アルゴリズム, 実験計画法, パラメーター推定, 整数計画法, 凸最適化, サロゲートの最適化