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iopzplot

動的システムの入出力ペアの極-零点配置図をプロットする

    説明

    iopzplot 関数は、動的システム モデルの入出力ペアの極-零点配置図をプロットし、IOPZPlot チャート オブジェクトを返します。プロットをカスタマイズするには、ドット表記を使用してチャート オブジェクトのプロパティを変更します。詳細については、コマンド ラインでの線形解析プロットのカスタマイズ (Control System Toolbox)を参照してください。

    極と零点の位置を取得するには、iopzmap 関数を使用します。

    作成

    説明

    iopzp = iopzplot(sys) は、動的システム モデル sys の各入力/出力ペアの極と零点をプロットし、対応するチャート オブジェクトを返します。プロットでは、極と零点が xo でそれぞれ表されます。

    iopzp = iopzplot(sys1,sys2,...,sysN) は、複数のモデルの極と零点を 1 つのプロットに表示します。

    iopzp = iopzplot(sys1,ColorSpec1,...,sysN,ColorSpecN) は、各システムのプロットのライン スタイル、マーカー タイプ、および色を設定します。

    iopzp = iopzplot(___,plotoptions) は、plotoptions で指定されたプロット オプションを使用して極と零点をプロットします。plotoptions に指定する設定は、現在の MATLAB® セッションのプロット基本設定をオーバーライドします。plotoptions は、前述の構文の任意の入力引数の組み合わせで使用できます。

    iopzp = iopzplot(parent,___) は、FigureTiledChartLayout などの指定された親グラフィックス コンテナーに極と零点をプロットし、Parent プロパティを設定します。指定された開いている Figure にプロットを作成する場合、または App Designer でアプリを作成する場合に、この構文を使用します。

    入力引数

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    動的システム。SISO または MIMO 動的システム モデルか、動的システム モデルの配列として指定します。使用できる動的システムのタイプには次のようなものがあります。

    • tf (Control System Toolbox)zpk (Control System Toolbox)ss (Control System Toolbox) モデルなどの連続時間または離散時間の数値 LTI モデル。

    • sparss (Control System Toolbox) モデルまたは mechss (Control System Toolbox) モデルなどのスパース状態空間モデル。

    • genss (Control System Toolbox)uss (Robust Control Toolbox) モデルなどの一般化された、あるいは不確かさをもつ LTI モデル。不確かさをもつモデルを使用するには Robust Control Toolbox™ ソフトウェアが必要です。

      • 調整可能な制御設計ブロックの場合、関数は応答をプロットするモデルをその現在の値で評価します。

      • 不確かさをもつ制御設計ブロックの場合、関数はモデルのノミナル値とランダム サンプルをプロットします。

    • idtfidssidproc モデルなどの同定された LTI モデル。

    sys がモデルの配列である場合、プロットは同じ座標軸上に配列のすべてのモデルの応答を表示します。

    色。次の値のいずれかとして指定します。

    説明
    "r"
    "g"
    "b"
    "c"シアン
    "m"マゼンタ
    "y"黄色
    "k"
    "w"

    極-零点プロット オプション。pzoptions オブジェクトとして指定します。これらのオプションを使用して PZ プロットの外観をカスタマイズできます。plotoptions に指定する設定は、現在の MATLAB セッションの基本設定をオーバーライドします。

    親グラフィックス コンテナー。次のいずれかのオブジェクトとして指定します。

    • Figure

    • TiledChartLayout

    • UIFigure

    • UIGridLayout

    • UIPanel

    • UITab

    parentAxes または UIAxes オブジェクトとして指定することもできます。これにより、プロットの親が、指定された axes オブジェクトの親に設定されます。

    プロパティ

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    メモ

    ここには一部のプロパティのみを示します。完全な一覧は、IOPZPlot Properties (Control System Toolbox) を参照してください。

    モデル応答。IOPZResponse オブジェクトまたはそのようなオブジェクトの配列として指定します。このプロパティを使用して、プロット内の各応答の動的システム モデルまたは外観を変更します。各 IOPZResponse オブジェクトには次のプロパティがあります。

    応答のソース データ。次のフィールドをもつ構造体として指定します。

    動的システム。SISO または MIMO 動的システム モデルか、動的システム モデルの配列として指定します。

    最初にプロットを作成すると、Modelsys に指定した値と一致します。

    応答名。string または文字ベクトルとして指定します。string として保存されます。

    応答の可視性。次の logical オン/オフ値のいずれかとして指定します。

    • "on"1、または true — 応答をプロットに表示します。

    • "off"0、または false — 応答をプロットに表示しません。

    値は、matlab.lang.OnOffSwitchState 型の on/off の logical 値として保存されます。

    凡例に応答をリストするオプション。次の logical オン/オフ値のいずれかとして指定します。

    • "on"1、または true — 凡例に応答をリストします。

    • "off"0、または false — 凡例に応答をリストしません。

    値は、matlab.lang.OnOffSwitchState 型の on/off の logical 値として保存されます。

    プロットの色。RGB 3 成分または 16 進数のカラー コードとして指定します。RGB 3 成分として保存されます。

    あるいは、一般的な色を名前で指定することもできます。次の表に、そうした色とそれに対応する RGB 3 成分および 16 進数のカラー コードをリストします。

    色の名前RGB 3 成分16 進数のカラー コード

    "red" または "r"

    [1 0 0]#FF0000

    "green" または "g"

    [0 1 0]#00FF00

    "blue" または "b"

    [0 0 1]#0000FF

    "cyan" または "c"

    [0 1 1]#00FFFF

    "magenta" または "m"

    [1 0 1]#FF00FF

    "yellow" または "y"

    [1 1 0]#FFFF00

    "black" または "k"

    [0 0 0]#000000

    "white" または "w"

    [1 1 1]#FFFFFF

    マーカー サイズ。正のスカラーとして指定します。

    ラインの幅。正のスカラーとして指定します。

    プロットに表示する応答の特性。次のプロパティをもつ CharacteristicsManager オブジェクトとして指定します。

    同定されたモデルの信頼領域。次のプロパティをもつ CharacteristicOption オブジェクトとして指定します。

    信頼領域の可視性。次の logical オン/オフ値のいずれかとして指定します。

    • "on"1、または true — 信頼領域を表示します。

    • "off"0、または false — 信頼領域を表示しません。

    値は、matlab.lang.OnOffSwitchState 型の on/off の logical 値として保存されます。

    信頼領域で表示する標準偏差の数。正のスカラーとして指定します。

    依存関係

    ConfidenceRegion は同定されたモデルでのみサポートされます。

    時間単位。次のいずれかの値として指定します。

    • "nanoseconds"

    • "microseconds"

    • "milliseconds"

    • "seconds"

    • "minutes"

    • "hours"

    • "days"

    • "weeks"

    • "months"

    • "years"

    依存関係

    既定では、応答にはプロットされた線形システムの時間単位が使用されます。ツールボックスの基本設定を指定することで、既定の単位をオーバーライドできます。詳細については、線形解析プロットのツールボックス基本設定の指定を参照してください。

    周波数の単位。次のいずれかの値として指定します。

    • "Hz"

    • "rad/s"

    • "rpm"

    • "kHz"

    • "MHz"

    • "GHz"

    • "rad/nanosecond"

    • "rad/microsecond"

    • "rad/millisecond"

    • "rad/minute"

    • "rad/hour"

    • "rad/day"

    • "rad/week"

    • "rad/month"

    • "rad/year"

    • "cycles/nanosecond"

    • "cycles/microsecond"

    • "cycles/millisecond"

    • "cycles/hour"

    • "cycles/day"

    • "cycles/week"

    • "cycles/month"

    • "cycles/year"

    依存関係

    既定では、応答にはプロットされた線形システムの周波数単位が使用されます。ツールボックスの基本設定を指定することで、既定の単位をオーバーライドできます。詳細については、線形解析プロットのツールボックス基本設定の指定を参照してください。

    チャートの可視性。次の logical オン/オフ値のいずれかとして指定します。

    • "on"1、または true — チャートを表示します。

    • "off"0、または false — チャートを削除せずに非表示にします。チャートが表示されていない場合でも、チャートのプロパティにアクセスできます。

    値は、matlab.lang.OnOffSwitchState 型の on/off の logical 値として保存されます。

    入力と出力のペアのグループ化。次のいずれかの値として指定します。

    • "none" — 入力も出力もグループ化しません。

    • "inputs" — 入力のみをグループ化します。

    • "outputs" — 出力のみをグループ化します。

    • "all" — すべての入力と出力のペアをグループ化します。

    入力を表示するオプション。次の logical オン/オフ値のいずれか、またはそのような値の配列として指定します。

    • "on"1、または true — 対応する入力を表示します。

    • "off"0、または false — 対応する入力を非表示にします。

    InputVisible は、プロットされたシステムに複数の入力がある場合は配列です。既定では、すべての入力がプロットに表示されます。

    値は、matlab.lang.OnOffSwitchState 型のオン/オフ logical 値またはそのような値の配列として保存されます。

    出力を表示するオプション。次の logical オン/オフ値のいずれか、またはそのような値の配列として指定します。

    • "on"1、または true — 対応する出力を表示します。

    • "off"0、または false — 対応する出力を非表示にします。

    OutputVisible は、プロットされたシステムに複数の出力がある場合は配列です。既定では、すべての出力がプロットに表示されます。

    値は、matlab.lang.OnOffSwitchState 型のオン/オフ logical 値またはそのような値の配列として保存されます。

    オブジェクト関数

    addResponseAdd dynamic system response to existing response plot
    showConfidence同定されたモデルの応答プロットで信頼領域を表示する

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    2 つの入力、2 つの出力の動的システムの極/零点配置図を作成します。

    sys = rss(3,2,2);
    ip = iopzplot(sys);

    MATLAB figure

    既定では、プロットは各 I/O ペアの極と零点をそれぞれの軸に表示します。チャート オブジェクトを変更して、すべての I/O を 1 つの軸に表示します。

    ip.IOGrouping = "all";

    MATLAB figure

    入出力データから推定された 6 次状態空間モデルの極と零点を表示します。プロット ハンドルを使用して、同定されたモデルの極と零点の位置の信頼区間を表示します。

    load iddata1
    sys = ssest(z1,6,ssestOptions('focus','simulation'));
    h = iopzplot(sys);
    showConfidence(h)

    MATLAB figure

    1-σ 信頼領域内に、複素零点と位置がオーバーラップしている複素共役極のペアが 1 組以上存在します。これはそれらの冗長性を示しています。したがって、より低次の (4 次) モデルの方が、与えられたデータに対してより堅牢である可能性があります。

    sys2 = ssest(z1,4,ssestOptions('focus','simulation'));
    h = iopzplot(sys,sys2);
    showConfidence(h)
    legend('6th-order','4th-order')
    axis([-20, 10 -30 30])

    MATLAB figure

    4 次モデル sys2 では、極-零点の位置の変動性が低減されています。

    詳細

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    ヒント

    • iopzplot を使用して作成されたプロットは、複数行のタイトルや、string 配列または文字ベクトルの cell 配列として指定されたラベルをサポートしません。複数行のタイトルやラベルを指定するには、newline 文字を含む単一の string を使用します。

      iopzplot(sys)
      title("first line" + newline + "second line");

    バージョン履歴

    R2012a で導入

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