シナリオ シミュレーション

現実的なドライビング シナリオおよびセンサー モデルを使用したシミュレーションは、自動運転アルゴリズムのテストに欠かせない部分です。Automated Driving Toolbox™ を使用すると、合成センサー データを使用してドライビング シナリオを作成できます。このツールボックスには、自動運転アルゴリズムをテストするために次のシミュレーション環境が用意されています。これらの環境には独自の用途があり、ある環境が別の環境の代わりになることはありません。

• "直方体シミュレーション環境" では、シナリオ内の車両および他のアクターが単純な箱の形状またはポリゴン メッシュ (LiDAR アプリケーションの場合) として表されます。この環境を使用して、迅速にシナリオを作成し、低忠実度のレーダーおよびカメラ センサーを使用して検出を生成し、MATLAB^® と Simulink^® の両方でコントローラー、追跡アルゴリズム、センサー フュージョン アルゴリズムをテストします。シナリオの作成を開始するには、ドライビング シナリオ デザイナー アプリを使用します。

  ASAM OpenDRIVE^® ファイル形式の道路ネットワークをインポートし、インポートした道路ネットワークを編集して、シナリオを作成することもできます。次に、ドライビング シナリオを ASAM OpenDRIVE 形式および ASAM OpenSCENARIO^® 形式にエクスポートできます。

• "Unreal Engine^® シミュレーション環境" では、シナリオは Epic Games^® の Unreal Engine を使用してレンダリングされます。この環境を使用して、より現実的なグラフィックスを使用したシナリオの可視化、高忠実度のレーダー、カメラ、LiDAR センサー データの生成、知覚インザループ システムのテストを行います。この環境は Simulink で使用可能であり、Windows^® でのみ実行できます。詳細については、自動運転用の Unreal Engine シミュレーションを参照してください。

• "RoadRunner シナリオ シミュレーション環境" では、RoadRunner と RoadRunner Scenario を使用してシーンとシナリオを作成します。Automated Driving Toolbox には、MATLAB と Simulink でモデル化したアクターを使用して、RoadRunner でシーンとシナリオをプログラムによって管理したり、シナリオをシミュレートしたりするためのツールが用意されています。詳細については、Overview of Simulating RoadRunner Scenarios with MATLAB and Simulinkを参照してください。

Automated Driving Toolbox には以下のサポート パッケージも用意されており、記録したセンサー データからシナリオを作成したり、大規模テストを実行するために元のシナリオから複数のバリアントを生成したりできます。

• Scenario Builder for Automated Driving Toolbox サポート パッケージには、GPS、IMU、カメラ、LiDAR など各種のセンサーを使用して記録された実環境データから、自動的にバーチャル シナリオを作成して可視化するためのツールが用意されています。詳細については、Overview of Scenario Generation from Recorded Sensor Dataを参照してください。

• Automated Driving Toolbox Test Suite for Euro NCAP^® Protocols サポート パッケージには、シナリオ パラメーターを変更したり、元のシナリオから複数のシナリオ バリアントを作成したりするツールが用意されています。これらのシナリオ バリアントは、ヨーロッパ新車アセスメント プログラム (Euro NCAP^®) のテスト プロトコルに従って自動運転アプリケーションをテストするために使用します。詳細については、Get Started with Euro NCAP Test Suiteを参照してください。