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rlocusplot

動的システムの根軌跡プロット

    説明

    rlocusplot 関数は、動的システム モデルの根軌跡をプロットし、RLocusPlot チャート オブジェクトを返します。プロットをカスタマイズするには、ドット表記を使用してチャート オブジェクトのプロパティを変更します。詳細については、コマンド ラインでの線形解析プロットのカスタマイズを参照してください。

    フィードバック ゲインと複素根の位置を取得するには、rlocus 関数を使用します。

    作成

    説明

    rlp = rlocusplot(sys) は、SISO 動的システム モデル sys の根軌跡をプロットし、対応するチャート オブジェクトを返します。

    プロットが滑らかになるように、rlocusplot 関数は自動的に正のフィードバック ゲインの集合を選択します。

    rlp = rlocusplot(sys1,sys2,...,sysN) は、単一のプロットに複数モデルの根軌跡をプロットします。

    rlp = rlocusplot(sys1,LineSpec1,...,sysN,LineSpecN) は、各システムのプロットのライン スタイル、マーカー タイプ、および色を設定します。

    rlp = rlocusplot(___,k) は、k で指定されたフィードバック ゲインの応答をプロットします。周波数範囲または周波数のベクトルを指定できます。k は、前述の構文の任意の入力引数の組み合わせとともに使用できます。

    rlp = rlocusplot(___,plotoptions) は、plotoptions で指定されたプロット オプションを使用して根軌跡をプロットします。plotoptions に指定する設定は、現在の MATLAB® セッションのプロット基本設定をオーバーライドします。

    rlp = rlocusplot(parent,___) は、FigureTiledChartLayout などの指定された親グラフィックス コンテナーに極と零点をプロットし、Parent プロパティを設定します。指定された開いている Figure にプロットを作成する場合、または App Designer でアプリを作成する場合に、この構文を使用します。

    入力引数

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    動的システム。SISO 動的システム モデル、または動的システム モデルの配列として指定します。使用できる動的システムには次のようなものがあります。

    • tfzpkss モデルなどの連続時間または離散時間の数値 LTI モデル。

    • sparss モデルまたは mechss モデルなどのスパース状態空間モデル。

    • genssuss (Robust Control Toolbox) モデルなどの一般化された、あるいは不確かさをもつ LTI モデル。不確かさをもつモデルを使用するには Robust Control Toolbox™ ソフトウェアが必要です。

      • 調整可能な制御設計ブロックの場合、関数は応答をプロットするモデルをその現在の値で評価します。

      • 不確かさをもつ制御設計ブロックの場合、関数はモデルのノミナル値とランダム サンプルをプロットします。

    • idtf (System Identification Toolbox)idss (System Identification Toolbox)idproc (System Identification Toolbox) モデルなどの同定された LTI モデル。同定されたモデルを使用するには System Identification Toolbox™ ソフトウェアが必要です。

    sys がモデルの配列である場合、プロットは同じ座標軸上に配列のすべてのモデルの応答を表示します。

    ライン スタイル、マーカー、色。記号を含む string または文字ベクトルとして指定します。記号は任意の順序で表記できます。3 つの特性をすべて指定する必要はありません。たとえば、マーカーを指定してライン スタイルを省略した場合、プロットはラインなしでマーカーのみを表示します。

    例: '--or' は、円マーカーをもつ赤い破線です。

    ライン スタイル説明
    "-"実線
    "--"破線
    ":"点線
    "-."一点鎖線
    マーカー説明
    "o"
    "+"プラス記号
    "*"アスタリスク
    "."
    "x"x 印
    "_"水平線
    "|"垂直線
    "s"正方形
    "d"菱形
    "^"上向き三角形
    "v"下向き三角形
    ">"右向き三角形
    "<"左向き三角形
    "p"星形五角形
    "h"星形六角形
    説明
    "r"
    "g"
    "b"
    "c"シアン
    "m"マゼンタ
    "y"黄色
    "k"
    "w"

    極の位置に関連するフィードバック ゲイン値。ベクトルとして指定します。フィードバック ゲインは極の軌跡を定義し、それにより根軌跡プロットの形状に影響します。

    極-零点プロット オプション。pzoptions オブジェクトとして指定します。これらのオプションを使用して PZ プロットの外観をカスタマイズできます。plotoptions に指定する設定は、現在の MATLAB セッションの基本設定をオーバーライドします。

    親グラフィックス コンテナー。次のいずれかのオブジェクトとして指定します。

    • Figure

    • TiledChartLayout

    • UIFigure

    • UIGridLayout

    • UIPanel

    • UITab

    parentAxes または UIAxes オブジェクトとして指定することもできます。これにより、プロットの親が、指定された axes オブジェクトの親に設定されます。

    プロパティ

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    メモ

    ここには一部のプロパティのみを示します。完全な一覧は、RLocusPlot Properties を参照してください。

    モデル応答。RootLocusResponse オブジェクト、またはそのようなオブジェクトの配列として指定します。このプロパティを使用して、プロット内の各応答の動的システム モデルまたは外観を変更します。各 IOPZResponse オブジェクトには次のプロパティがあります。

    応答のソース データ。次のフィールドをもつ構造体として指定します。

    動的システム。SISO 動的システム モデル、または動的システム モデルの配列として指定します。

    最初にプロットを作成すると、Modelsys に指定した値と一致します。

    極の位置に関連するフィードバック ゲイン値。ベクトルとして指定します。フィードバック ゲインは極の軌跡を定義し、それにより根軌跡プロットの形状に影響します。

    FeedbackGainSpec を空として指定すると、ソフトウェアは根軌跡が滑らかになるように、自動的に正のフィードバック ゲインの集合を選択します。

    最初にプロットを作成すると、FeedbackGainSpeck に指定した値と一致します。

    応答名。string または文字ベクトルとして指定します。string として保存されます。

    応答の可視性。次の logical オン/オフ値のいずれかとして指定します。

    • "on"1、または true — 応答をプロットに表示します。

    • "off"0、または false — 応答をプロットに表示しません。

    値は、matlab.lang.OnOffSwitchState 型の on/off の logical 値として保存されます。

    凡例に応答をリストするオプション。次の logical オン/オフ値のいずれかとして指定します。

    • "on"1、または true — 凡例に応答をリストします。

    • "off"0、または false — 凡例に応答をリストしません。

    値は、matlab.lang.OnOffSwitchState 型の on/off の logical 値として保存されます。

    プロットの色。RGB 3 成分または 16 進数のカラー コードとして指定します。RGB 3 成分として保存されます。

    あるいは、一般的な色を名前で指定することもできます。次の表に、そうした色とそれに対応する RGB 3 成分および 16 進数のカラー コードをリストします。

    色の名前RGB 3 成分16 進数のカラー コード

    "red" または "r"

    [1 0 0]#FF0000

    "green" または "g"

    [0 1 0]#00FF00

    "blue" または "b"

    [0 0 1]#0000FF

    "cyan" または "c"

    [0 1 1]#00FFFF

    "magenta" または "m"

    [1 0 1]#FF00FF

    "yellow" または "y"

    [1 1 0]#FFFF00

    "black" または "k"

    [0 0 0]#000000

    "white" または "w"

    [1 1 1]#FFFFFF

    マーカー サイズ。正のスカラーとして指定します。

    ラインの幅。正のスカラーとして指定します。

    時間単位。次のいずれかの値として指定します。

    • "nanoseconds"

    • "microseconds"

    • "milliseconds"

    • "seconds"

    • "minutes"

    • "hours"

    • "days"

    • "weeks"

    • "months"

    • "years"

    依存関係

    既定では、応答にはプロットされた線形システムの時間単位が使用されます。ツールボックスの基本設定を指定することで、既定の単位をオーバーライドできます。詳細については、線形解析プロットのツールボックス基本設定の指定を参照してください。

    周波数の単位。次のいずれかの値として指定します。

    • "Hz"

    • "rad/s"

    • "rpm"

    • "kHz"

    • "MHz"

    • "GHz"

    • "rad/nanosecond"

    • "rad/microsecond"

    • "rad/millisecond"

    • "rad/minute"

    • "rad/hour"

    • "rad/day"

    • "rad/week"

    • "rad/month"

    • "rad/year"

    • "cycles/nanosecond"

    • "cycles/microsecond"

    • "cycles/millisecond"

    • "cycles/hour"

    • "cycles/day"

    • "cycles/week"

    • "cycles/month"

    • "cycles/year"

    依存関係

    既定では、応答にはプロットされた線形システムの周波数単位が使用されます。ツールボックスの基本設定を指定することで、既定の単位をオーバーライドできます。詳細については、線形解析プロットのツールボックス基本設定の指定を参照してください。

    チャートの可視性。次の logical オン/オフ値のいずれかとして指定します。

    • "on"1、または true — チャートを表示します。

    • "off"0、または false — チャートを削除せずに非表示にします。チャートが表示されていない場合でも、チャートのプロパティにアクセスできます。

    値は、matlab.lang.OnOffSwitchState 型の on/off の logical 値として保存されます。

    オブジェクト関数

    addResponseAdd dynamic system response to existing response plot

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    SISO 動的システム モデルの根軌跡をプロットします。

    sys = tf([2 5 1],[1 2 3]);
    rlp = rlocusplot(sys);

    MATLAB figure

    詳細

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    ヒント

    • rlocusplot を使用して作成されたプロットは、string 配列または文字ベクトルの cell 配列として指定された、複数行のタイトルやラベルをサポートしません。複数行のタイトルやラベルを指定するには、newline 文字を含む単一の string を使用します。

      rlocusplot(sys)
      title("first line" + newline + "second line");

    バージョン履歴

    R2006a より前に導入

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