神経科学向け MATLAB
神経科学者は、MATLAB® および Simulink® を使用して、実験データの処理と解析、実験の実行、脳回路モデルのシミュレーションを行っています。MATLAB と Simulink を使用すれば、次のことが可能になります。
- 電極信号の記録から神経の時系列データを解析
- 神経画像および顕微鏡検査の研究を基に、構造的および機能的画像データを把握
- 機械学習およびディープラーニングを使用し、神経科学データを用いて学習させたモデルを使って、分類、予測、クラスターの作成を実行
- ブレインコンピューター インターフェイス (BCI) や行動制御システムなどのライブ データ ストリームを処理および生成
さらに、MATLAB をご利用の神経科学者は、神経科学用途向けに設計された、豊富なサードパーティ ツールのライブラリにアクセスすることができます。このライブラリには、無料共有できるコミュニティ ツールボックスや、ハードウェアおよびクラウド接続を提供する商用パートナー製品が含まれています。
「MATLAB は、国境を越えたアイデアや言語であり、他の科学者と共有して共同作業を行えます…」
Mike X. Cohen, "MATLAB for Brain and Cognitive Scientists"
神経科学分野での MATLAB の使用
ニューラル データ サイエンス
MATLAB を使用して、複数の試験、被験者、およびデータのモダリティを含むデータセットを処理します。ここでは、統計学、機械学習、およびディープラーニングのためのアルゴリズムの組み込みライブラリを使用します。
MATLAB ライブエディターで神経科学データストーリーを作成します。これらのデータストーリーを共有し、共同作業者や読者向けにライブスクリプトとして対話型にします。
Parallel Computing Toolbox™ を使用して、個々のコンピューターやワークステーション上のすべてのコアと GPU カードで実行できるように MATLAB 処理をスケーリングします。MATLAB Parallel Server™ にアクセスして、1 つまたは複数の計算ノードにまたがるリモートクラスターに簡単にスケールできます。
神経の時系列
MATLAB を使用して、スパイク、フィールド、頭皮の記録、行動モニタリング記録などの神経科学の時系列データを可視化し、解析します。
信号処理およびウェーブレット解析向けの MATLAB アルゴリズムと対話型のアプリを使用して、時間、周波数、時間-周波数領域のデータを前処理し、特徴量を抽出します。
時系列データに適したディープラーニングの手法 (長期短期記憶 (LSTM) ネットワークなど) を適用します。
神経画像および顕微鏡検査
MATLAB を使用して、神経科学の画像データや映像データをニューロン、脳、被験者単位で可視化し、解析します。
NIfTI や TIFF などの一般的なファイル形式で 2D や 3D の画像データにアクセスし、メモリに収まりきらない大規模なデータセットを処理します。画像セッションと被験者の間で画像を調整します。画像セグメンテーションのためのモルフォロジー演算およびアルゴリズムを使用して、脳領域および細胞構造を解析します。点と関心領域 (ROI) を指定するための対話型ツールを使用して、カスタムの画像処理ワークフローを構築します。
イメージラベラーやビデオラベラーアプリを使用して、画像データに対話的にラベル付けします。ラベル付けされたデータセットにディープラーニングの手法を適用して、画像全体、識別可能な領域や構造、または個々のピクセルを分類または定量化します。
実験制御およびブレイン コンピューター インターフェイス (BCI)
MATLAB を使用して、データ収集システムやカメラ、EEG システム、神経記録システム、脳刺激装置、2 光子顕微鏡といった、さまざまなハードウェアデバイスとの間でデータをストリーミングできます。
Simulink Real-Time™ および HDL Coder™ を使用して、リアルタイム ハードウェアと FPGA ハードウェアをそれぞれ制御し、ミリ秒未満の精度が保証された実験や BCI を管理します。
Stateflow® を使用して、行動タスクや BCI システム、その他の実験の制御ロジックを設計します。MATLAB の Stateflow チャートや、リアルタイム ハードウェアまたは FPGA ハードウェア上のターゲットを実行します。