量産向けコードの生成では、モデルを電子コントロールユニット (ECU) 用の量産向けコードに変換します。この処理は数週間~数か月という単位ではなく、数秒~数分で完了します。これにより、OEM やサプライヤーは、複雑な ECU プロジェクトを 18 か月で完了させたり、AUTOSAR や ISO 26262 に準拠したソフトウェアの予定どおりの提供を実現しています。
既に ECU では、Embedded Coder® を使用して自動生成された何百万行ものコードが使用されています。MathWorks は、メーカーの次のような用途に対応する先進技術の開発に引き続き取り組んでいきます。
- ソフトウェア アーキテクチャと設計 (AUTOSAR を含む)
- 量産向けコードの生成
- 量産向けコードの検証 (ソフトウェアインザループおよびプロセッサインザループ テストを含む)
- ISO 26262 認定
ソフトウェア アーキテクチャと設計
Simulink® と Stateflow® は、推進、車体、自動運転、およびその他の自動車システム設計を開発するために OEM およびサプライヤーによって使用されています。静的なダイアグラムの代わりに実行可能な仕様書を使用することで、設計に要する時間を短縮し、早い段階で検証と妥当性確認を行うことが可能になります。サポート対象の主要なアーキテクチャと設計の機能には、AUTOSAR のモデリングや Fixed-Point Designer™ による浮動小数点-固定小数点データ変換などがあります。
コードの生成と統合
Embedded Coder は、設計モデルから組み込みコードを生成します。すべてのデバイスに対して既定で ANSI/ISO C または C++ が生成されます。さらに、コードは柔軟な API を使用して特定の MCU および DSP 向けに簡単に最適化できます。シミュレーションやコード生成を行う際に手書きコードを取り込むこともできます。
量産向けコードの検証
参照モデルの動作を用いてコード結果の実行や比較を自動的に行う量産向けコードの検証には、ソフトウェアインザループ (SIL) および プロセッサインザループ (PIL) テストが不可欠です。特定の ECU をテストするための環境の構築は、PIL API を用いてサポートされます。モデルとコードの双方向リンクにより、コードの各行からモデルのすべてのブロックと状態をトレースすることができます。これは、デバッグや検証に役立ちます。Simulink Test™ を使用して、テストおよびテストスイートの作成、実行、検討、整理を行うことができます。Simulink Coverage™ を使用すると、生成されたコードの構造カバレッジを計算してテストの完全性を測定できます。
ISO 26262 認定
ISO 26262 は、自動車機能の主要な安全規格です。Embedded Coder は、TÜVSÜD によって ISO 26262 認定を受けています(ASIL D を含む)。TÜV SÜD の認定証と認定報告書は、IEC Certification Kit に含まれています。TÜV SÜD の認定は特定用途向けの検証、妥当性確認ワークフローに基づいています。この検証、妥当性確認ワークフローも、IEC Certification Kit に含まれています。