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RegressionLinearCoderConfigurer
説明
RegressionLinearCoderConfigurer
オブジェクトは、高次元のデータを使用する線形回帰モデル (RegressionLinear
) のコーダー コンフィギュアラーです。
コーダー コンフィギュアラーには、コード生成オプションの設定、C/C++ コードの生成、および生成されたコード内のモデル パラメーターの更新を行うための便利な機能があります。
コード生成オプションを設定し、オブジェクトのプロパティを使用して線形モデル パラメーターのコーダー属性を指定します。
generateCode
を使用して、線形回帰モデルの関数predict
およびupdate
に対して C/C++ コードを生成します。C/C++ コードの生成には MATLAB® Coder™ が必要です。コードを再生成せずに、生成された C/C++ コードのモデル パラメーターを更新します。この機能により、新しいデータまたは設定で線形モデルに再学習をさせるときに、C/C++ コードの再生成、再展開および再確認に必要な作業が低減されます。モデル パラメーターを更新する前に、
validatedUpdateInputs
を使用して更新対象のモデル パラメーターを検証および抽出します。
次のフロー チャートは、コーダー コンフィギュアラーを使用するコード生成のワークフローを示します。
線形回帰モデルのコード生成に関する使用上の注意および制限については、RegressionLinear
、predict
および update
の「コード生成」の節を参照してください。
作成
fitrlinear
を使用して線形回帰モデルに学習させた後で、learnerCoderConfigurer
を使用してモデルのコーダー コンフィギュアラーを作成します。コーダー コンフィギュアラーのプロパティを使用して、predict
および update
の引数のコーダー属性を指定します。その後、generateCode
を使用して、指定したコーダー属性に基づく C/C++ コードを生成します。
プロパティ
predict
の引数
この節に記載されているプロパティは、生成されるコードにおける関数 predict
の引数のコーダー属性を指定します。
X
— 予測子データのコーダー属性
LearnerCoderInput
オブジェクト
線形回帰モデルの関数 predict
に対して生成される C/C++ コードに渡す、予測子データのコーダー属性。LearnerCoderInput
オブジェクトを指定します。
関数 learnerCoderConfigurer
を使用してコーダー コンフィギュアラーを作成する場合、入力引数 X
は LearnerCoderInput
のコーダー属性の既定値を決定します。
SizeVector
— 既定値は入力X
の配列サイズです。RegressionLinearCoderConfigurer
のObservationsIn
プロパティのValue
属性が'rows'
である場合、このSizeVector
の値は[n p]
です。ここで、n
は観測値の数に対応し、p
は予測子の数に対応します。RegressionLinearCoderConfigurer
のObservationsIn
プロパティのValue
属性が'columns'
である場合、このSizeVector
の値は[p n]
です。
SizeVector
の要素を切り替える (たとえば、[n p]
を[p n]
に変更する) には、RegressionLinearCoderConfigurer
のObservationsIn
プロパティのValue
属性をそのように変更します。SizeVector
の値を直接変更することはできません。VariableDimensions
— 既定値は[0 0]
です。これは、SizeVector
の指定に従って配列サイズを固定することを示します。SizeVector
の値が[n p]
の場合にこの値を[1 0]
に設定でき、[p n]
の場合には[0 1]
に設定できます。これは、配列の行が可変サイズ、列が固定サイズであることを示します。たとえば、[1 0]
は、SizeVector
の 1 番目の値 (n
) が行数の上限であり、SizeVector
の 2 番目の値 (p
) が列数であることを指定します。DataType
— この値はsingle
またはdouble
です。既定のデータ型は、入力X
のデータ型に依存します。Tunability
— この値は、生成される C/C++ コードのpredict
に必ず予測子データを入力として含めることを意味するtrue
でなければなりません。
コーダー属性は、ドット表記を使用して変更できます。たとえば、3 つの予測子変数 (列) に対する 100 個の観測値 (行) が含まれている予測子データを受け入れる C/C++ コードを生成するには、次のようにコーダー コンフィギュアラー configurer
の X
のコーダー属性を指定します。
configurer.X.SizeVector = [100 3];
configurer.X.DataType = 'double';
configurer.X.VariableDimensions = [0 0];
[0 0]
は、X
の 1 番目および 2 番目の次元 (それぞれ観測値の個数と予測子変数の個数) が固定サイズであることを示します。生成される C/C++ コードが、最大 100 個の観測値がある予測子データを受け入れるようにするには、次のように X
のコーダー属性を指定します。
configurer.X.SizeVector = [100 3];
configurer.X.DataType = 'double';
configurer.X.VariableDimensions = [1 0];
[1 0]
は、X
の 1 番目の次元 (観測値の個数) が可変サイズであり、X
の 2 番目の次元 (予測子変数の個数) が固定サイズであることを示します。指定した観測値の個数 (この例では 100) は、生成される C/C++ コードで許容される観測値の最大数になります。任意の個数の観測値を可能にするには、上限として Inf
を指定します。
ObservationsIn
— 予測子データにおける観測値の次元のコーダー属性
EnumeratedInput
オブジェクト
予測子データにおける観測値の次元 (predict
の名前と値のペアの引数 'ObservationsIn'
) のコーダー属性。EnumeratedInput
オブジェクトを指定します。
関数 learnerCoderConfigurer
を使用してコーダー コンフィギュアラーを作成する場合、'ObservationsIn'
の名前と値のペアの引数は EnumeratedInput
のコーダー属性の既定値を決定します。
Value
— 既定値はコーダー コンフィギュアラーを作成する際に使用する予測子データの観測値の次元であり、'rows'
または'columns'
として指定します。コーダー コンフィギュアラーを作成する際に'ObservationsIn'
を指定しない場合、既定値は'rows'
です。SelectedOption
— この値は常に'Built-in'
です。この属性は読み取り専用です。BuiltInOptions
—'rows'
と'columns'
から構成される cell 配列。この属性は読み取り専用です。IsConstant
— この値はtrue
でなければなりません。Tunability
— コーダー コンフィギュアラーを作成する際に'ObservationsIn','rows'
を指定する場合、既定値はfalse
であり、'ObservationsIn','columns'
を指定する場合はtrue
です。Tunability
をfalse
に設定する場合、ソフトウェアはValue
を'rows'
に設定します。Tunability
がfalse
である場合に他の属性値を指定すると、Tunability
はtrue
に設定されます。
NumOutputs
— predict
の出力の個数
1 (既定値)
線形回帰モデルの関数 predict
に対して生成される C/C++ コードから返される出力引数の個数。1 を指定します。predict
は、生成される C/C++ コードで YHat
(予測応答) を返します。
NumOutputs
プロパティは、codegen
(MATLAB Coder) のコンパイラ オプション '-nargout'
と等価です。このオプションは、コード生成のエントリポイント関数における出力引数の個数を指定します。オブジェクト関数 generateCode
は、線形回帰モデルの関数 predict
および update
用に predict.m
および update.m
という 2 つのエントリポイント関数をそれぞれ生成し、この 2 つのエントリポイント関数の C/C++ コードを生成します。NumOutputs
プロパティについて指定した値は、エントリポイント関数 predict.m
の出力引数の個数に対応します。
データ型: double
update
の引数
この節に記載されているプロパティは、生成されるコードにおける関数 update
の引数のコーダー属性を指定します。関数 update
は、学習済みモデルと新しいモデル パラメーターを入力引数として受け入れ、新しいパラメーターが含まれている更新されたバージョンのモデルを返します。生成コード内のパラメーターを更新できるようにするには、コード生成の前にパラメーターのコーダー属性を指定する必要があります。各パラメーターのコーダー属性を指定するには、LearnerCoderInput
オブジェクトを使用します。既定の属性値は、learnerCoderConfigurer
の入力引数 Mdl
のモデル パラメーターに基づきます。
Beta
— 線形予測子の係数のコーダー属性
LearnerCoderInput
オブジェクト
線形予測子の係数 (線形回帰モデルの Beta
) のコーダー属性。LearnerCoderInput
オブジェクトを指定します。
LearnerCoderInput
オブジェクトの既定の属性値は、learnerCoderConfigurer
の入力引数 Mdl
に基づきます。
SizeVector
— この値は[p 1]
でなければなりません。p
は、Mdl
内の予測子の個数です。VariableDimensions
— この値は、SizeVector
の指定に従って配列サイズを固定することを示す[0 0]
でなければなりません。DataType
— この値は'single'
または'double'
です。既定のデータ型は、Mdl
の学習に使用する学習データのデータ型に一致します。Tunability
— この値はtrue
でなければなりません。
Bias
— バイアス項のコーダー属性
LearnerCoderInput
オブジェクト
バイアス項 (線形回帰モデルの Bias
) のコーダー属性。LearnerCoderInput
オブジェクトを指定します。
LearnerCoderInput
オブジェクトの既定の属性値は、learnerCoderConfigurer
の入力引数 Mdl
に基づきます。
SizeVector
— この値は[1 1]
でなければなりません。VariableDimensions
— この値は、SizeVector
の指定に従って配列サイズを固定することを示す[0 0]
でなければなりません。DataType
— この値は'single'
または'double'
です。既定のデータ型は、Mdl
の学習に使用する学習データのデータ型に一致します。Tunability
— この値はtrue
でなければなりません。
他のコンフィギュアラーのオプション
OutputFileName
— 生成される C/C++ コードのファイル名
'RegressionLinearModel'
(既定値) | 文字ベクトル
生成される C/C++ コードのファイル名。文字ベクトルを指定します。
RegressionLinearCoderConfigurer
のオブジェクト関数 generateCode
は、このファイル名を使用して C/C++ コードを生成します。
オペレーティング システムの構成によってはコード生成に失敗する可能性があるので、ファイル名には空白を含めないでください。また、名前は有効な MATLAB 関数名でなければなりません。
コーダー コンフィギュアラー configurer
を作成した後で、ドット表記を使用してファイル名を指定できます。
configurer.OutputFileName = 'myModel';
データ型: char
Verbose
— 詳細レベル
true
(logical 1) (既定値) | false
(logical 0)
詳細レベル。true
(logical 1) または false
(logical 0) を指定します。詳細レベルは、コマンド ラインにおける通知メッセージの表示を制御します。
値 | 説明 |
---|---|
true (logical 1) | パラメーターのコーダー属性に対する変更によって他の従属するパラメーターが変化する場合、通知メッセージが表示されます。 |
false (logical 0) | 通知メッセージは表示されません。 |
生成コード内の機械学習のモデル パラメーターを更新できるようにするには、コード生成の前にパラメーターのコーダー属性を構成する必要があります。パラメーターのコーダー属性は互いに依存するので、依存関係が構成の制約として保存されます。コーダー コンフィギュアラーを使用してパラメーターのコーダー属性を変更するときに、構成の制約を満たすために他の従属するパラメーターも変更する必要がある場合、従属するパラメーターのコーダー属性が変更されます。詳細レベルは、これらの引き続いて起きた変更についてメッセージを表示するかどうかを決定します。
コーダー コンフィギュアラー configurer
を作成した後で、ドット表記を使用して詳細レベルを変更できます。
configurer.Verbose = false;
データ型: logical
コード生成のカスタマイズのオプション
コード生成ワークフローをカスタマイズするには、関数 generateCode
を使用するのではなく、関数 generateFiles
と以下の 3 つのプロパティを codegen
(MATLAB Coder) で使用します。
関数 generateFiles
を使用して 2 つのエントリポイント関数ファイル (predict.m
および update.m
) を生成した後で、独自のコード生成ワークフローに従って、これらのファイルを変更できます。たとえば、predict.m
ファイルを変更してデータの前処理を含めたり、これらのエントリポイント関数を別のコード生成プロジェクトに追加したりできます。その後、関数 codegen
と、変更したエントリポイント関数またはコード生成プロジェクトに適した codegen
(MATLAB Coder) の引数とを使用して C/C++ コードを生成できます。引数 codegen
を設定するための出発点として、このセクションで説明されている 3 つのプロパティを使用します。
CodeGenerationArguments
— codegen
の引数
cell 配列
この プロパティ は読み取り専用です。
codegen
(MATLAB Coder) の引数。cell 配列を指定します。
このプロパティにより、コード生成ワークフローをカスタマイズできます。ワークフローをカスタマイズする必要がない場合は関数 generateCode
を使用します。
generateCode
をコーダー コンフィギュアラー configurer
に対して使用する代わりに、次のようにして C/C++ コードを生成できます。
generateFiles(configurer) cgArgs = configurer.CodeGenerationArguments; codegen(cgArgs{:})
codegen
を呼び出す前に cgArgs
を変更します。
configurer
の他のプロパティを変更すると、それに従って CodeGenerationArguments
プロパティが更新されます。
データ型: cell
PredictInputs
— predict
の調整可能な入力引数のリスト
cell 配列
この プロパティ は読み取り専用です。
コード生成用のエントリポイント関数 predict.m
の調整可能な入力引数のリスト。cell 配列として指定します。この cell 配列には、coder.PrimitiveType
(MATLAB Coder) オブジェクトと coder.Constant
(MATLAB Coder) オブジェクトが含まれている他の cell 配列を格納します。
predict
の引数のコーダー属性を変更すると、それに従って対応するオブジェクトが更新されます。Tunability
属性として false
を指定した場合、対応するオブジェクトが PredictInputs
のリストから削除されます。
PredictInputs
の cell 配列は、コーダー コンフィギュアラー configurer
の configurer.CodeGenerationArguments{6}
と等価です。
データ型: cell
UpdateInputs
— update
の調整可能な入力引数のリスト
coder.PrimitiveType
オブジェクトが含まれている構造体の cell 配列
この プロパティ は読み取り専用です。
コード生成用のエントリポイント関数 update.m
の調整可能な入力引数のリスト。coder.PrimitiveType
(MATLAB Coder) オブジェクトが含まれている構造体の cell 配列を指定します。各 coder.PrimitiveType
オブジェクトには、調整可能な機械学習モデル パラメーターのコーダー属性が格納されます。
コーダー コンフィギュアラーのプロパティ (update
の引数のプロパティ) を使用してモデル パラメーターのコーダー属性を変更すると、それに従って対応する coder.PrimitiveType
オブジェクトが更新されます。機械学習モデル パラメーターの Tunability
属性として false
を指定した場合、対応する coder.PrimitiveType
オブジェクトが UpdateInputs
のリストから削除されます。
UpdateInputs
の構造体は、コーダー コンフィギュアラー configurer
の configurer.CodeGenerationArguments{3}
と等価です。
データ型: cell
オブジェクト関数
generateCode | コーダー コンフィギュアラーの使用による C/C++ コードの生成 |
generateFiles | コーダー コンフィギュアラーを使用するコード生成用 MATLAB ファイルの生成 |
validatedUpdateInputs | 更新する機械学習モデルのパラメーターの検証および抽出 |
例
コーダー コンフィギュアラーの使用によるコードの生成
機械学習モデルに学習させてから、コーダー コンフィギュアラーを使用して、このモデルの関数 predict
および update
に対してコードを生成します。
モデルから 10,000 個の観測値をシミュレーションします。
は、要素が標準正規である 10,000 行 1,000 列の数値行列です。
は、平均が 0、標準偏差が 0.3 のランダムな正規誤差です。
rng('default') % For reproducibility n = 10000; p = 1000; X = randn(n,p); Y = X(:,100) + 2*X(:,200) + 0.3*randn(n,1);
シミュレーション データを使用して線形回帰モデルに学習させます。転置予測子行列 Xnew
を fitrlinear
に渡し、'ObservationsIn'
の名前と値のペアの引数を使用して、Xnew
の列が観測値に対応することを指定します。
Xnew = X'; Mdl = fitrlinear(Xnew,Y,'ObservationsIn','columns');
Mdl
は、RegressionLinear
オブジェクトです。
learnerCoderConfigurer
を使用して、RegressionLinear
モデルについてコーダー コンフィギュアラーを作成します。予測子データ Xnew
を指定し、'ObservationsIn'
の名前と値のペアの引数を使用して、Xnew
の観測値の次元を指定します。関数 learnerCoderConfigurer
はこれらの入力引数を使用して、predict
の対応する入力引数のコーダー属性を設定します。
configurer = learnerCoderConfigurer(Mdl,Xnew,'ObservationsIn','columns')
configurer = RegressionLinearCoderConfigurer with properties: Update Inputs: Beta: [1x1 LearnerCoderInput] Bias: [1x1 LearnerCoderInput] Predict Inputs: X: [1x1 LearnerCoderInput] ObservationsIn: [1x1 EnumeratedInput] Code Generation Parameters: NumOutputs: 1 OutputFileName: 'RegressionLinearModel' Properties, Methods
configurer
は、RegressionLinear
オブジェクトのコーダー コンフィギュアラーである RegressionLinearCoderConfigurer
オブジェクトです。
C/C++ コードを生成するには、適切に設定されている C/C++ コンパイラにアクセスできなければなりません。MATLAB Coder は、サポートされているインストール済みのコンパイラを探して使用します。mex
-setup
を使用すると、既定のコンパイラを表示および変更できます。詳細は、既定のコンパイラの変更を参照してください。
既定の設定を使用して、線形回帰モデル (Mdl
) の関数 predict
および update
に対するコードを生成します。
generateCode(configurer)
generateCode creates these files in output folder: 'initialize.m', 'predict.m', 'update.m', 'RegressionLinearModel.mat' Code generation successful.
関数 generateCode
は、以下の処理を実行します。
コードを生成するために必要な MATLAB ファイルを生成する。これには、
Mdl
の関数predict
およびupdate
にそれぞれ対応する 2 つのエントリポイント関数predict.m
およびupdate.m
が含まれます。2 つのエントリポイント関数に対して、
RegressionLinearModel
という名前の MEX 関数を作成する。MEX 関数のコードを
codegen\mex\RegressionLinearModel
フォルダーに作成する。MEX 関数を現在のフォルダーにコピーする。
関数type
を使用して、predict.m
、update.m
および initialize.m
ファイルの内容を表示します。
type predict.m
function varargout = predict(X,varargin) %#codegen % Autogenerated by MATLAB, 30-Jan-2023 18:03:57 [varargout{1:nargout}] = initialize('predict',X,varargin{:}); end
type update.m
function update(varargin) %#codegen % Autogenerated by MATLAB, 30-Jan-2023 18:03:57 initialize('update',varargin{:}); end
type initialize.m
function [varargout] = initialize(command,varargin) %#codegen % Autogenerated by MATLAB, 30-Jan-2023 18:03:57 coder.inline('always') persistent model if isempty(model) model = loadLearnerForCoder('RegressionLinearModel.mat'); end switch(command) case 'update' % Update struct fields: Beta % Bias model = update(model,varargin{:}); case 'predict' % Predict Inputs: X, ObservationsIn X = varargin{1}; if nargin == 2 [varargout{1:nargout}] = predict(model,X); else PVPairs = cell(1,nargin-2); for i = 1:nargin-2 PVPairs{1,i} = varargin{i+1}; end [varargout{1:nargout}] = predict(model,X,PVPairs{:}); end end end
生成されたコードにおける線形回帰モデルのパラメーターの更新
データセットの一部を使用して線形回帰モデルに学習させ、モデルのコーダー コンフィギュアラーを作成します。コーダー コンフィギュアラーのプロパティを使用して、線形回帰モデル パラメーターのコーダー属性を指定します。コーダー コンフィギュアラーのオブジェクト関数を使用して、新しい予測子データについて応答を予測する C コードを生成します。その後、データセット全体を使用してモデルに再学習をさせ、コードを再生成せずに、生成されたコードのパラメーターを更新します。
モデルの学習
モデルから 10,000 個の観測値をシミュレーションします。
は、要素が標準正規である 10,000 行 1,000 列の数値行列です。
は、平均が 0、標準偏差が 0.3 のランダムな正規誤差です。
rng('default') % For reproducibility n = 10000; p = 1000; X = randn(n,p); Y = X(:,100) + 2*X(:,200) + 0.3*randn(n,1);
最初の 500 個の観測値を使用して線形回帰モデルに学習させます。予測子データを転置し、'ObservationsIn'
の名前と値のペアの引数を使用して、XTrain
の列が観測値に対応することを指定します。
XTrain = X(1:500,:)'; YTrain = Y(1:500); Mdl = fitrlinear(XTrain,YTrain,'ObservationsIn','columns');
Mdl
は、RegressionLinear
オブジェクトです。
コーダー コンフィギュアラーの作成
learnerCoderConfigurer
を使用して、RegressionLinear
モデルについてコーダー コンフィギュアラーを作成します。予測子データ XTrain
を指定し、'ObservationsIn'
の名前と値のペアの引数を使用して、XTrain
の観測値の次元を指定します。関数 learnerCoderConfigurer
はこれらの入力引数を使用して、predict
の対応する入力引数のコーダー属性を設定します。
configurer = learnerCoderConfigurer(Mdl,XTrain,'ObservationsIn','columns');
configurer
は、RegressionLinear
オブジェクトのコーダー コンフィギュアラーである RegressionLinearCoderConfigurer
オブジェクトです。
パラメーターのコーダー属性の指定
生成されたコードのパラメーターをモデルの再学習後に更新できるようにするため、線形回帰モデルのパラメーターのコーダー属性を指定します。この例では、生成されたコードに渡す予測子データのコーダー属性を指定します。
生成されたコードが任意の個数の観測値を受け入れるように、configurer
の X
プロパティのコーダー属性を指定します。属性 SizeVector
および VariableDimensions
を変更します。属性 SizeVector
は、予測子データのサイズの上限を指定し、属性 VariableDimensions
は、予測子データの各次元が可変サイズと固定サイズのどちらであるかを指定します。
configurer.X.SizeVector = [1000 Inf]; configurer.X.VariableDimensions
ans = 1x2 logical array
0 1
1 番目の次元のサイズは、予測子変数の個数です。この値は、1 つの機械学習モデルに対して固定でなければなりません。予測子データには 1000 個の予測子が含まれているため、属性 SizeVector
の値は 1000、属性 VariableDimensions
の値は 0
でなければなりません。
2 番目の次元のサイズは、観測値の個数です。属性 SizeVector
の値を Inf
に設定すると、ソフトウェアは属性 VariableDimensions
の値を 1
に変更します。言い換えると、サイズの上限は Inf
であり、サイズは可変です。これは、予測子データが任意の数の観測値をもつことができることを意味しています。この指定は、コードを生成するときに観測値の個数が不明である場合に便利です。
SizeVector
と VariableDimensions
の次元の順序は ObservationsIn
のコーダー属性に応じて変わります。
configurer.ObservationsIn
ans = EnumeratedInput with properties: Value: 'columns' SelectedOption: 'Built-in' BuiltInOptions: {'rows' 'columns'} IsConstant: 1 Tunability: 1
ObservationsIn
プロパティの属性 Value
が 'columns'
の場合、X
の属性 SizeVector
と属性 VariableDimensions
の 1 番目の次元は予測子の数に対応し、2 番目の次元は観察値の数に対応します。ObservationsIn
の属性 Value
が 'rows'
の場合、次元の順序は切り替わります。
コードの生成
C/C++ コードを生成するには、適切に設定されている C/C++ コンパイラにアクセスできなければなりません。MATLAB Coder は、サポートされているインストール済みのコンパイラを探して使用します。mex
-setup
を使用すると、既定のコンパイラを表示および変更できます。詳細は、既定のコンパイラの変更を参照してください。
線形回帰モデル (Mdl
) の関数 predict
および update
のコードを生成します。
generateCode(configurer)
generateCode creates these files in output folder: 'initialize.m', 'predict.m', 'update.m', 'RegressionLinearModel.mat' Code generation successful.
関数 generateCode
は、以下の処理を実行します。
コードを生成するために必要な MATLAB ファイルを生成する。これには、
Mdl
の関数predict
およびupdate
にそれぞれ対応する 2 つのエントリポイント関数predict.m
およびupdate.m
が含まれます。2 つのエントリポイント関数に対して、
RegressionLinearModel
という名前の MEX 関数を作成する。MEX 関数のコードを
codegen\mex\RegressionLinearModel
フォルダーに作成する。MEX 関数を現在のフォルダーにコピーする。
生成されたコードの確認
予測子データを渡して、Mdl
の関数 predict
と MEX 関数の関数 predict
が同じ予測応答を返すかどうかを確認します。複数のエントリポイントがある MEX 関数内のエントリポイント関数を呼び出すため、1 番目の入力引数として関数名を指定します。
YHat = predict(Mdl,XTrain,'ObservationsIn','columns'); YHat_mex = RegressionLinearModel('predict',XTrain,'ObservationsIn','columns');
YHat
と YHat_mex
を比較します。
max(abs(YHat-YHat_mex))
ans = 0
一般的に、YHat
と比較すると、YHat_mex
には丸めによる差が含まれている可能性があります。この場合では、比較によって YHat
と YHat_mex
が等しいことが確かめられます。
モデルの再学習と生成コード内のパラメーターの更新
データセット全体を使用してモデルに再学習をさせます。
retrainedMdl = fitrlinear(X',Y,'ObservationsIn','columns');
validatedUpdateInputs
を使用して、更新するパラメーターを抽出します。この関数は、retrainedMdl
内の修正されたモデル パラメーターを判別し、修正されたパラメーター値がパラメーターのコーダー属性を満たすかどうかを検証します。
params = validatedUpdateInputs(configurer,retrainedMdl);
生成されたコード内のパラメーターを更新します。
RegressionLinearModel('update',params)
生成されたコードの確認
retrainedMdl
の関数 predict
の出力と、更新した MEX 関数の関数 predict
の出力を比較します。
YHat = predict(retrainedMdl,X','ObservationsIn','columns'); YHat_mex = RegressionLinearModel('predict',X','ObservationsIn','columns'); max(abs(YHat-YHat_mex))
ans = 0
比較によって YHat
と YHat_mex
が等しいことを確認します。
詳細
LearnerCoderInput
オブジェクト
コーダー コンフィギュアラーは、LearnerCoderInput
オブジェクトを使用して predict
および update
の入力引数のコーダー属性を指定します。
LearnerCoderInput
オブジェクトには、生成されるコードにおける入力引数配列のプロパティを指定するための属性として、次のようなものがあります。
属性名 | 説明 |
---|---|
SizeVector | 対応する 対応する |
VariableDimensions | 配列の各次元が可変サイズと固定サイズのどちらであるかを指定するインジケーター。
|
DataType | 配列のデータ型 |
Tunability | 生成されるコードで引数を入力として |
コーダー コンフィギュアラーを作成した後で、ドット表記を使用してコーダー属性を変更できます。たとえば、コーダー コンフィギュアラー configurer
のバイアス項 Bias
のデータ型を指定します。
configurer.Bias.DataType = 'single';
Verbose
) として true
(既定) を指定した場合、機械学習モデルのパラメーターのコーダー属性を変更することによって他の従属するパラメーターのコーダー属性が変化すると、通知メッセージが表示されます。EnumeratedInput
オブジェクト
コーダー コンフィギュアラーは、EnumeratedInput
オブジェクトを使用して、有限個の使用可能な値がある predict
の入力引数のコーダー属性を指定します。
EnumeratedInput
オブジェクトには、生成されるコードにおける入力引数配列のプロパティを指定するための属性として、次のようなものがあります。
属性名 | 説明 |
---|---|
Value | 生成されるコードにおける
|
SelectedOption | 選択したオプションのステータス。
この属性は読み取り専用です。 |
BuiltInOptions | 対応する この属性は読み取り専用です。 |
IsConstant | 生成されるコードで配列の値がコンパイル時の定数 ( この値を |
Tunability | 生成されるコードで引数を入力として
|
コーダー コンフィギュアラーを作成した後で、ドット表記を使用してコーダー属性を変更できます。たとえば、コーダー コンフィギュアラー configurer
の ObservationsIn
のコーダー属性を指定します。
configurer.ObservationsIn.Value = 'columns';
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