dlinmod
離散時間線形状態空間モデルを操作点の周りで抽出
構文
説明
は、モデル [A,B,C,D]
= dlinmod(mdl
,Ts
)mdl
で表される離散時間システムのサンプル時間 Ts
をもつ線形状態空間モデルを、モデル内の各ブロックを 1 つずつ線形化して計算します。モデル内の Inport ブロックと Outport ブロックは、システムの入力と出力を表します。関数 dlinmod
を使用して、離散システム、マルチレート システム、および離散と連続の両方のダイナミクスを含むハイブリッド システムを線形化できます。
ブロックごとの解析アルゴリズムは、ほとんどのブロックに対して事前にプログラムされた解析ブロックのヤコビアンを使用します。これにより、通常、摂動アルゴリズムより正確な線形化が得られます。Simulink® Control Design™ ドキュメンテーションには、事前にプログラムされた解析的なヤコビアンをもつブロックのリストと、線形化のためのブロックごとの解析アルゴリズムの説明が含まれています。
また、ブロックごとの解析アルゴリズムにより、Transport Delay ブロックや Quantizer ブロックなどの問題のあるブロックの特殊な処理を行うこともできます。
メモ
関数 linmod
は、基本的な線形化機能のみを提供します。完全な線形化の機能については、Simulink Control Design ソフトウェアを使用してください。詳細については、線形化ツールの選択 (Simulink Control Design)を参照してください。
は、伝達関数の形式で離散線形モデルを返します。[n,d]
= dlinmod(___)
は、離散線形モデル、状態名、入出力名、および操作点に関する情報を含む構造体を返します。sys
= dlinmod(___)
入力引数
出力引数
制限
関数
linmod
は、基本的な線形化機能のみを提供します。完全な線形化の機能については、Simulink Control Design ソフトウェアを使用してください。詳細については、線形化ツールの選択 (Simulink Control Design)を参照してください。モデル参照階層を線形化する場合は、最上位モデルと参照モデルをノーマル モードでシミュレートするように構成してください。アクセラレータ モードでシミュレートするマルチレート参照モデルの線形化には、複数の制限が存在します。
アクセラレータ モードでシミュレートするように構成された参照モデルを含むモデル参照階層を線形化すると、既定のアルゴリズムを使用して最上位モデルが線形化され、数値摂動アルゴリズムを使用して参照モデルが線形化されます。
線形化は、ローカル ソルバーを使用するように構成された参照モデルを 1 つ以上含むモデルに対してはサポートされません。詳細については、Use Local Solvers in Referenced Modelsを参照してください。
ヒント
関数
dlinmod
を使用すると、離散システムから連続システムへの変換、およびその逆の変換など、システムを異なるサンプル時間に変換できます。離散システムまたは連続システムの周波数応答を調べるには、関数
bode
を使用します。既定では、システム時間はゼロです。時間に依存するシステムの場合、
opts
入力引数の 2 番目の要素を使用してシステム時間を指定できます。線形化では、線形化モデルの状態の順序が非線形モデルの状態の順序と一致するように、状態の順序が維持されます。サイズ フェーズを実行するためのプログラム インターフェイスとしてモデル名を使用することで、モデル内の状態とその状態に関連付けられたブロックに関する情報を取得できます。
blks
という名前の戻り引数は、状態に関連付けられた各ブロックの名前を含むベクトルです。詳細については、Use Model Name as Programmatic Interfaceを参照してください。[sys,x0,blks,st] = modelName([],[],[],'sizes');
次の関数を使用して、線形化された単入力多出力システムの状態空間線形化表現を別の形式に変換できます。
関数
ss
(Control System Toolbox) を使用して、線形化モデルから状態空間モデル オブジェクトを作成できます。状態空間モデル オブジェクトを使用して、制御設計の線形時不変 (LTI) システムを表すことができます。複数の LTI 状態空間モデルを組み合わせて、より複雑なシステムを表すこともできます。状態空間モデル オブジェクトを作成した後、関数
tf
(Control System Toolbox) を使用して伝達関数形式に変換したり、関数zpk
(Control System Toolbox) を使用して零点-極-ゲイン形式に変換したりできます。Transport Delay ブロックまたは Derivative ブロックを含むモデルを線形化する場合は、既定のブロックごとのアルゴリズムをお勧めします。ブロックごとのアルゴリズムは、Transport Delay ブロックと Derivative ブロックをパデ近似に置き換えます。
v5
摂動アルゴリズムを使用して、Transport Delay ブロックまたは Derivative ブロックを含むモデルを線形化するのは面倒な場合があります。詳細については、モデルの線形化を参照してください。v5
摂動アルゴリズムを使用して Transport Delay ブロックまたは Derivative ブロックを含むモデルを線形化する前には、Transport Delay ブロックと Derivative ブロックを、Simulink Extras ライブラリ内の Linearization ライブラリで利用可能な特殊なブロックに置き換えてください。
バージョン履歴
R2007a で導入