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MultinomialRegression

多項回帰モデル

R2023a 以降

    説明

    MultinomialRegression は、当てはめ済みの多項回帰モデル オブジェクトです。多項回帰モデルは、予測子と値の有限の集合をもつ応答との間の関係を記述します。

    当てはめた多項回帰モデルを調べるには、MultinomialRegression オブジェクトのプロパティを使用します。オブジェクト プロパティには、係数推定値、要約統計量、およびモデルの当てはめに使用されるデータに関する情報が含まれています。オブジェクト関数を使用して、応答の予測や多項回帰モデルの評価と可視化を行います。

    作成

    MultinomialRegression モデル オブジェクトは、fitmnr を使用してパラメーターの値を指定して作成します。

    プロパティ

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    係数推定値

    この プロパティ は読み取り専用です。

    多項回帰モデルの当てはめに使用される応答変数カテゴリの名前。k 行 1 列の categorical 配列、文字配列、logical ベクトル、数値ベクトル、または文字ベクトルの cell 配列として指定します。k は応答カテゴリの数です。ClassNames のデータ型は応答カテゴリ ラベルと同じです。string 配列は文字ベクトルの cell 配列として扱われることに注意してください。ClassNames プロパティは、モデル オブジェクトを作成するときに fitmnr の入力引数 Y または Tbl で設定されます。

    データ型: single | double | logical | char | cell | categorical

    この プロパティ は読み取り専用です。

    モデルの係数の共分散行列。(p+1) 行 (p+1) 列の数値の行列として指定します。p は予測子変数の数です。

    詳細については、係数の標準誤差と信頼区間を参照してください。

    データ型: single | double

    この プロパティ は読み取り専用です。

    係数の名前。対応する係数の名前をそれぞれ含む文字ベクトルの cell 配列として指定します。各係数の名前は、予測子または切片の名前に応答カテゴリの名前を付加した名前になります。このプロパティは、モデル オブジェクトを作成するときに fitmnr の入力引数 Tbl または名前と値の引数 PredictorNames で設定されます。

    データ型: cell

    この プロパティ は読み取り専用です。

    係数の値。係数ごとに 1 つの行と次の列で構成される table として指定します。

    • Value — 推定される係数値

    • SE — 推定の標準誤差

    • tStat — 係数がゼロであるという帰無仮説をもつ両側検定の t 統計量

    • pValue — t 統計量の p 値

    係数に対する他の検定を実行するには、coefTest または testDeviance を使用します。係数推定値の信頼区間を求めるには、coefCI を使用します。

    データ型: table

    この プロパティ は読み取り専用です。

    応答カテゴリと係数の間の交互作用を表すインジケーター。数値または logical の 1 (true) または 0 (false) として指定します。このプロパティは、モデル オブジェクトを作成するときに fitmnr の名前と値の引数 IncludeClassInteractions で設定されます。

    データ型: logical

    この プロパティ は読み取り専用です。

    順序モデルと階層モデルに使用するリンク関数。'logit''probit''comploglog'、または 'loglog' として指定します。ノミナル モデルについては、Link は常に 'logit' になります。このプロパティは、モデル オブジェクトを作成するときに fitmnr の名前と値の引数 Link で設定されます。

    データ型: char

    この プロパティ は読み取り専用です。

    モデルのタイプ。'nominal''ordinal'、または 'hierarchical' として指定します。このプロパティは、モデル オブジェクトを作成するときに fitmnr の名前と値の引数 ModelType で設定されます。

    データ型: char

    この プロパティ は読み取り専用です。

    モデルの係数の数。正の整数として指定します。

    データ型: double

    要約統計量

    この プロパティ は読み取り専用です。

    当てはめの逸脱度。数値を指定します。逸脱度は、一方のモデルが他方のモデルの特別なケースである 2 つのモデルを比較するために役立ちます。2 つのモデルの逸脱度の差異は、2 つのモデル間に推定されるパラメーター数の差異と等しい自由度をもつカイ二乗分布になります。詳細については、逸脱度を参照してください。

    データ型: single | double

    この プロパティ は読み取り専用です。

    誤差 (残差) の自由度。正の整数として指定します。ノミナル モデルと順序モデルについては、DFE は次により与えられます。

    DFE=n*(k1)N,

    ここで、n は観測値の数、k は応答カテゴリの数、N はモデルの係数の数です。階層モデルについては、DFE は次により与えられます。

    DFE=nN,

    これは、IncludeClassInteractionsfalse の場合です。IncludeClassInteractionstrue の場合は、階層モデルの DFE は次により与えられます。

    DFE=(i=1k1ni)N,

    ここで、ni は i 番目以上の応答カテゴリに対応する観測値の数です。

    データ型: double

    この プロパティ は読み取り専用です。

    分散。数値スカラーとして指定します。モデル オブジェクトの作成時に fitmnr の名前と値の引数 EstimateDispersiontrue に設定すると、関数は Dispersion の値として標準誤差を推定します。それ以外の場合、fitmnr は既定の理論値である 1 を Dispersion に代入します。

    データ型: single | double

    この プロパティ は読み取り専用です。

    分散を推定するかどうかを示すインジケーター。logical の false または true として指定します。このプロパティは、モデル オブジェクトを作成するときに fitmnr の名前と値の引数 EstimateDispersion で設定されます。

    データ型: single | double | logical

    この プロパティ は読み取り専用です。

    入力データに基づいて当てはめられた (予測された) 応答値。n 行 1 列の categorical 配列、文字配列、logical ベクトル、数値ベクトル、または文字ベクトルの cell 配列として指定します。n は入力データ内の観測値の数です。Fitted のデータ型は応答カテゴリ ラベルと同じです。string 配列は文字ベクトルの cell 配列として扱われることに注意してください。他の予測子の値についての予測を計算したり、Fitted の信頼限界を計算したりするには、predict を使用します。

    データ型: single | double | logical | char | cell | categorical

    この プロパティ は読み取り専用です。

    当てはめたモデルの対数尤度。数値として指定します。各応答値が多項分布に従うという仮定に基づきます。モデルの対数尤度は、fitmnr でモデル オブジェクトを作成する際に応答データの対数確率の和を求めることで計算されます。

    データ型: single | double

    この プロパティ は読み取り専用です。

    モデルの比較基準。次のフィールドがある構造体を指定します。

    • AIC — 赤池情報量基準。AIC = –2*lnL + 2*m であり、ここで lnL は対数尤度、m は推定パラメーターの数です。

    • AICc — 標本サイズについて修正された赤池情報量基準。AICc = AIC + (2*m*(m + 1))/(n – m – 1) であり、ここで n は観測値の数です。

    • BIC — ベイズ情報量基準。BIC = –2*lnL + m*ln(n) です。

    • CAIC — 一貫した赤池情報量基準。CAIC = –2*lnL + m*(ln(n) + 1) です。

    情報量基準は、同じデータに当てはめた複数のモデルを比較するために使用できるモデル選択ツールです。これらの基準は、尤度に基づくモデル近似の尺度であり、複雑度 (特にパラメーター数) に対するペナルティが含まれています。情報量基準が異なるとペナルティの形式が異なります。

    複数のモデルを比較した場合に、情報量基準の値が最も小さいモデルが最良近似モデルです。最良近似モデルは、モデルの比較に使用する基準によって変化する可能性があります。

    データ型: struct

    この プロパティ は読み取り専用です。

    当てはめたモデルの残差。観測値ごとに 1 つの行と応答クラスごとに 1 つの列が各変数に格納された table として指定します。

    説明
    Raw

    生の残差。観測値から当てはめ値を減算した値です。

    rij=yijπ^ij*mi,{i=1,,nj=1,,N.

    • yij は i 番目のデータ点が j 番目の応答カテゴリに含まれるかどうかを示す logical スカラー

    • π^ij は i 番目のデータ点が j 番目の応答カテゴリに含まれる予測確率

    • mi は観測値 i の対応する標本サイズ

    • n と N はそれぞれデータ点と応答カテゴリの数

    Pearson生の残差を平方根平均二乗誤差 (RMSE) で除算した値
    Deviance

    次の式で与えられる逸脱度残差

    rdi=2*jkyij*log(yijπ^ij*mi),i=1,,n.

    欠損値が原因で当てはめに使用されなかった行には NaN 値が格納されます。欠損値を検査するには、ObservationInfo を参照してください。

    残差のプロットを作成するには、plotResiduals を使用します。詳細については、残差を参照してください。

    データ型: table

    この プロパティ は読み取り専用です。

    当てはめたモデルの疑似決定係数の値。構造体として指定します。Rsquared の各フィールドに、それぞれ異なる式で計算された疑似決定係数の値が格納されます[1]

    フィールド説明
    'Ordinary'

    通常の疑似決定係数の値

    R2=1ln(LFull)ln(LNull),

    ここで、LFull は当てはめたモデルの対数尤度、LNull は予測子をもたないモデルの対数尤度です。

    'Adjusted'

    調整された疑似決定係数の値

    R2=1ln(LFull)Kln(LNull),

    ここで、K は LFull に含まれるモデルの係数の数です。

    データ型: struct

    入力データ

    この プロパティ は読み取り専用です。

    回帰モデル。LinearFormula オブジェクトとして指定します。このプロパティは、モデル オブジェクトを作成するときに fitmnr の入力引数 Formula で設定されます。

    この プロパティ は読み取り専用です。

    当てはめアルゴリズムでモデルの当てはめに使用される観測値の数。正の整数として指定します。NumObservations は、元の table または行列で提供された観測値から欠損値を含む行を除いた数です。

    データ型: double

    この プロパティ は読み取り専用です。

    当てはめアルゴリズムでモデルの当てはめに使用される予測子変数の数。正の整数として指定します。

    データ型: double

    この プロパティ は読み取り専用です。

    入力データ内の変数の数。正の整数として指定します。NumVariables には、モデルの当てはめに予測子または応答として使用されない変数もすべて含まれます。

    データ型: double

    この プロパティ は読み取り専用です。

    観測値の情報。次の列を含む n 行 3 列の table として指定されます。ここで、n は観測値の数です。

    説明
    Weights観測値の重み。数値として指定します。既定値は 1 です。
    Missing欠損観測値のインジケーター。logical 値として指定します。観測値が欠損値である場合、値は true です。
    Subset観測値が fitmnr で使用されるかどうかを示すインジケーター。logical 値として指定します。観測値が欠損値でなく、つまり観測値が fitmnr で使用される場合、値は true です。

    データ型: table

    この プロパティ は読み取り専用です。

    観測値の名前。当てはめで使用した観測値の名前が含まれている文字ベクトルの cell 配列を指定します。

    • 当てはめが観測値の名前を含む table またはデータセットに基づいている場合、それらの名前が ObservationNames プロパティに格納されます。

    • それ以外の場合、ObservationNames は空の cell 配列になります。

    このプロパティは、モデル オブジェクトを作成して Tbl に行名を代入するときに fitmnr の入力引数 Tbl で設定されます。

    データ型: cell

    この プロパティ は読み取り専用です。

    モデルの当てはめに使用された予測子の名前。文字ベクトルの cell 配列として指定されます。このプロパティは、モデル オブジェクトを作成するときに fitmnr の次のいずれかの引数で設定されます。

    • 入力引数 Tbl

    • 入力引数 X および名前と値の引数 PredictorNames の組み合わせ

    データ型: cell

    この プロパティ は読み取り専用です。

    応答変数名。文字ベクトルを指定します。このプロパティは、モデル オブジェクトを作成するときに fitmnr の次のいずれかの引数で設定されます。

    • 名前と値の引数 ResponseName

    • 入力引数 Tbl と入力引数 ResponseVarName の組み合わせ

    • 入力引数 Tbl と入力引数 Formula の組み合わせ

    データ型: char

    この プロパティ は読み取り専用です。

    Variables プロパティに格納されている変数に関する情報。変数ごとに 1 つの行と次の列で構成される table として指定します。

    説明
    Class変数のクラス。'double''categorical' などの文字ベクトルによる cell 配列を指定します。
    Range

    変数の範囲。ベクトルの cell 配列を指定します。

    • 連続変数 — 2 因子ベクトル [min,max]、最小値と最大値

    • カテゴリカル変数 — 異なる変数値のベクトル

    InModel当てはめたモデルにどの変数が含まれているかを示すインジケーター。logical ベクトルを指定します。モデルに変数が含まれている場合、値は true です。
    IsCategoricalカテゴリカル変数のインジケーター。logical ベクトルを指定します。変数がカテゴリカルである場合、値は true です。

    VariableInfo には、モデルの当てはめに予測子または応答として使用されない変数もすべて含まれます。

    データ型: table

    この プロパティ は読み取り専用です。

    変数の名前。文字ベクトルの cell 配列として指定します。このプロパティの要素は、モデル オブジェクトを作成するときに fitmnr の次のいずれかの引数で設定されます。

    • 入力引数 Tbl で、予測子変数、応答、および使用されない変数の名前を指定します。

    • 名前と値の引数 PredictorNames で、予測子変数の名前を指定します。

    • 名前と値の引数 ResponseVarName で、応答変数の名前を指定します。

    VariableNames には、モデルの当てはめに予測子または応答として使用されない変数もすべて含まれます。

    データ型: cell

    この プロパティ は読み取り専用です。

    入力データ。table を指定します。Variables には予測子と応答の両方の値が格納されます。このプロパティの要素は、モデル オブジェクトを作成するときに fitmnr の次のいずれかの引数で設定されます。

    • X を指定した場合、X の列のすべての変数が Variables に格納されます。

    • Tbl を指定した場合、モデルの当てはめに予測子または応答データとして使用されない変数も含め、Tbl のすべての変数が Variables に格納されます。

    • Y を指定した場合、Y の応答データも Variables に格納されます。

    データ型: table

    オブジェクト関数

    coefCI多項回帰モデルの係数推定の信頼区間
    coefTest多項回帰モデルの係数に対する線形仮説検定
    feval各予測子について 1 つずつ入力を使用して多項回帰モデルの応答を予測
    partialDependence部分依存の計算
    plotPartialDependence部分依存プロット (PDP) および個別条件付き期待値 (ICE) プロットの作成
    plotResiduals多項回帰モデルの残差プロット
    plotSlice当てはめられた多項回帰面を通るスライスのプロット
    predict多項回帰モデルの応答を予測
    random当てはめられた多項回帰モデルからランダム応答を生成
    testDeviance多項回帰モデルの逸脱度検定

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    標本データ セット fisheriris を読み込みます。

    load fisheriris

    列ベクトル species には、3 種類のアヤメ (setosa、versicolor、virginica) が格納されています。行列 meas には、花に関する 4 種類の測定値、がく片の長さと幅 (cm) と花弁の長さと幅 (cm) が格納されています。

    多項回帰モデルを当てはめ、測定値を使用してアヤメの種類を予測します。当てはめたモデルの Coefficients プロパティを使用して当てはめの結果を表示します。

    MnrModel = fitmnr(meas,species);
    MnrModel.Coefficients
    ans=10×4 table
                                   Value       SE       tStat       pValue  
                                  _______    ______    _______    __________
    
        (Intercept_setosa)         2018.4    12.404     162.72             0
        x1_setosa                  673.85    3.5783     188.32             0
        x2_setosa                  -568.2     3.176     -178.9             0
        x3_setosa                 -516.44    3.5403    -145.87             0
        x4_setosa                 -2760.9    7.1203    -387.75             0
        (Intercept_versicolor)     42.638    5.2719     8.0878    6.0776e-16
        x1_versicolor              2.4652    1.1228     2.1956      0.028124
        x2_versicolor              6.6809    1.4789     4.5176    6.2559e-06
        x3_versicolor             -9.4294    1.2934    -7.2906     3.086e-13
        x4_versicolor             -18.286    2.0967    -8.7214    2.7476e-18
    
    

    MnrModel は、ノミナル多項回帰モデルをデータに当てはめた結果を含む多項回帰モデル オブジェクトです。Coefficients プロパティに meas の各予測子の係数統計量が格納されています。列 pValue"p" 値が小さく、すべての係数が 95% の信頼水準で統計的に有意であることを示しています。fitmnr では、species のカテゴリをそれらが最初に現れる順序で並べ替えます。既定では、その最後のカテゴリが基準カテゴリとなります。

    並べ替え後の応答変数カテゴリの名前を表示するには、MnrModelClassNames プロパティを使用します。

    MnrModel.ClassNames
    ans = 3x1 cell
        {'setosa'    }
        {'versicolor'}
        {'virginica' }
    
    

    出力から最後のカテゴリは 'virginica' であり、既定ではそれが基準カテゴリになります。

    当てはめられた係数推定値の 95% 信頼区間を取得するには、オブジェクト関数 coefCI を呼び出します。

    coefCI(MnrModel)
    ans = 10×2
    103 ×
    
        1.9940    2.0428
        0.6668    0.6809
       -0.5745   -0.5620
       -0.5234   -0.5095
       -2.7749   -2.7469
        0.0323    0.0530
        0.0003    0.0047
        0.0038    0.0096
       -0.0120   -0.0069
       -0.0224   -0.0142
    
    

    table CoefficientsValue 列の 10 個の係数について、それらの 95% 信頼区間が出力に表示されます。いずれの信頼区間もゼロと交差しておらず、すべての係数が 95% の信頼水準で対数オッズに影響することがわかります。

    標本データ セット fisheriris を読み込みます。

    load fisheriris

    列ベクトル species には、3 種類のアヤメの種 (setosa、versicolor、virginica) が格納されています。行列 meas には、花に関する 4 種類の測定値、がく片の長さと幅 (cm) と花弁の長さと幅 (cm) が格納されています。

    関数cvpartitionを使用して、種類と測定値のデータを学習データとテスト データに分割します。関数trainingを使用して、学習データの行のインデックスを取得します。

    n = length(species);
    partition = cvpartition(n,'Holdout',0.05);
    idx_train = training(partition);

    学習データの行のインデックスを使用して学習データを作成し、測定値の行列と種類のラベルのベクトルを作成します。

    meastrain = meas(idx_train,:);
    speciestrain = species(idx_train,:);

    学習データを使用して多項回帰モデルを当てはめます。

    mdl = fitmnr(meastrain,speciestrain)
    mdl = 
    Multinomial regression with nominal responses
    
                                   Value       SE       tStat        pValue  
                                  _______    ______    ________    __________
    
        (Intercept_setosa)         86.293    12.541      6.8807    5.9554e-12
        x1_setosa                 -1.0621    3.5795    -0.29673       0.76667
        x2_setosa                  23.851    3.1238      7.6352    2.2556e-14
        x3_setosa                 -27.266    3.5009     -7.7883    6.7894e-15
        x4_setosa                 -59.671    7.0214     -8.4985     1.921e-17
        (Intercept_versicolor)     42.637    5.2214      8.1659    3.1906e-16
        x1_versicolor              2.4652    1.1263      2.1887      0.028619
        x2_versicolor              6.6808     1.474      4.5325     5.829e-06
        x3_versicolor             -9.4292    1.2946     -7.2837     3.248e-13
        x4_versicolor             -18.286    2.0833     -8.7775     1.671e-18
    
    
    143 observations, 276 error degrees of freedom
    Dispersion: 1
    Chi^2-statistic vs. constant model: 302.0378, p-value = 1.5168e-60
    

    mdl は、ノミナル多項回帰モデルをデータに当てはめた結果を含む多項回帰モデル オブジェクトです。meas の各予測子の係数統計量が table 出力に表示されます。既定では、virginicafitmnr で基準カテゴリとして使用されます。

    関数testを使用して、テスト データの行のインデックスを取得します。テスト データの行のインデックスを使用してテスト データを作成し、測定値の行列と種類のラベルのベクトルを作成します。

    idx_test = test(partition);
    meastest = meas(idx_test,:);
    speciestest = species(idx_test,:);

    meastest の測定値について、アヤメの種類を予測します。

    speciespredict = predict(mdl,meastest)
    speciespredict = 7x1 cell
        {'setosa'    }
        {'setosa'    }
        {'setosa'    }
        {'setosa'    }
        {'setosa'    }
        {'versicolor'}
        {'versicolor'}
    
    

    speciespredict の予測を speciestest のカテゴリ名と比較します。

    speciestest
    speciestest = 7x1 cell
        {'setosa'    }
        {'setosa'    }
        {'setosa'    }
        {'setosa'    }
        {'setosa'    }
        {'versicolor'}
        {'versicolor'}
    
    

    出力から、meastest の測定値について、アヤメの種類がモデルで正確に予測されていることがわかります。

    標本データ セット carbig を読み込みます。

    load carbig;

    ベクトル Acceleration および Displacement には、自動車の加速度と排気量のデータがそれぞれ格納されています。ベクトル Cylinders には、それぞれの自動車のエンジンに搭載された気筒の数のデータが格納されています。

    AccelerationDisplacement を予測子変数、Cylinders を応答変数として使用して、順序多項回帰モデルを当てはめます。

    MnrModel = fitmnr([Acceleration,Displacement],Cylinders,Model="ordinal",...
        PredictorNames=["Acceleration" "Displacement"])
    MnrModel = 
    Multinomial regression with ordinal responses
    
                           Value         SE        tStat       pValue  
                         _________    ________    _______    __________
    
        (Intercept_3)       11.949      3.1817     3.7555    0.00017299
        (Intercept_4)        27.08      4.9481     5.4727    4.4321e-08
        (Intercept_5)       27.528      4.9738     5.5346    3.1195e-08
        (Intercept_6)       45.346      7.8292     5.7919    6.9593e-09
        Acceleration     -0.063533      0.1041    -0.6103       0.54167
        Displacement      -0.16731    0.027885         -6    1.9726e-09
    
    
    406 observations, 1618 error degrees of freedom
    Dispersion: 1
    Chi^2-statistic vs. constant model: 786.5846, p-value = 1.5679e-171
    

    MnrModel は、順序多項回帰モデルをデータに当てはめた結果を含む多項回帰モデル オブジェクトです。各予測子変数の係数統計量が table 出力に表示されます。列 pValue"p" 値が小さく、Acceleration 項の係数が統計的に有意であると結論付けるだけの十分な証拠はないことを示しています。一方、Displacement については、99% の信頼水準で統計的に有意な影響を与えると結論付けるだけの十分な証拠があります。

    ClassNames プロパティを使用して、自動車のエンジン気筒数の取り得る数を表示します。

    MnrModel.ClassNames
    ans = 5×1
    
         3
         4
         5
         6
         8
    
    

    既定では、出力の最後のカテゴリが基準カテゴリとなります。出力から、基準カテゴリは 8 気筒エンジンを搭載した自動車に対応することがわかります。

    plotSlice を使用して、予測子変数 Displacement の値を変化させて、それぞれの気筒数の自動車である確率の積み上げヒストグラムをプロットします。既定では、Acceleration の値については、その学習データの平均に plotSlice で固定されます。

    plotSlice(MnrModel,"stackedhist",PredictorToVary="Displacement")
    hold on
    lgd = legend;
    title(lgd, "Number of cylinders");

    Figure contains an axes object. The axes object with xlabel Displacement, ylabel Probability contains 5 objects of type bar. These objects represent 3, 4, 5, 6, 8.

    プロットから、自動車の排気量が増えるほど、より多くの気筒を搭載した自動車である確率が高くなることがわかります。これは、モデルの Displacement 項の "p" 値が小さいことと整合します。

    標本データ セット carbig を読み込みます。

    load carbig;

    ベクトル Acceleration および Displacement には、自動車の加速度と排気量のデータがそれぞれ格納されています。ベクトル Cylinders には、それぞれの自動車のエンジンに搭載された気筒の数のデータが格納されています。

    AccelerationDisplacement を予測子変数、Cylinders を応答変数として使用して、順序多項回帰モデルを当てはめます。

    MnrModel = fitmnr([Acceleration,Displacement],Cylinders,Model="ordinal",...
        PredictorNames=["Acceleration" "Displacement"])
    MnrModel = 
    Multinomial regression with ordinal responses
    
                           Value         SE        tStat       pValue  
                         _________    ________    _______    __________
    
        (Intercept_3)       11.949      3.1817     3.7555    0.00017299
        (Intercept_4)        27.08      4.9481     5.4727    4.4321e-08
        (Intercept_5)       27.528      4.9738     5.5346    3.1195e-08
        (Intercept_6)       45.346      7.8292     5.7919    6.9593e-09
        Acceleration     -0.063533      0.1041    -0.6103       0.54167
        Displacement      -0.16731    0.027885         -6    1.9726e-09
    
    
    406 observations, 1618 error degrees of freedom
    Dispersion: 1
    Chi^2-statistic vs. constant model: 786.5846, p-value = 1.5679e-171
    

    MnrModel は、順序多項回帰モデルをデータに当てはめた結果を含む多項回帰モデル オブジェクトです。それぞれの予測子変数の係数統計量が table 出力に表示されます。列 pValue"p" 値が小さく、Acceleration 項の係数が統計的に有意であると結論付けるだけの十分な証拠はないことを示しています。一方、Displacement については、99% の信頼水準で統計的に有意な影響を与えると結論付けるだけの十分な証拠があります。

    ClassNames プロパティを使用して、自動車のエンジン気筒数の取り得る数を表示します。

    MnrModel.ClassNames
    ans = 5×1
    
         3
         4
         5
         6
         8
    
    

    基準カテゴリは 8 気筒エンジンを搭載した自動車に対応します。

    オブジェクト関数plotPartialDependenceを使用して、基準カテゴリの確率の Displacement 予測子に対する部分依存をプロットします。

    plotPartialDependence(MnrModel,2,8)

    Figure contains an axes object. The axes object with title Partial Dependence Plot, xlabel Displacement, ylabel Score of class 8 contains an object of type line.

    プロットから、Displacement の値が約 250 に達したところで、基準カテゴリの自動車である確率が急激に高くなることがわかります。

    詳細

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    参照

    [1] Allison, P. D. "Measures of Fit for Logistic Regression." Statistical Horizons LLC and the University of Pennsylvania, 2014.

    [2] McCullagh, P., and J. A. Nelder. Generalized Linear Models. New York: Chapman & Hall, 1990.

    [3] Long, J. S. Regression Models for Categorical and Limited Dependent Variables. Sage Publications, 1997.

    [4] Dobson, A. J., and A. G. Barnett. An Introduction to Generalized Linear Models. Chapman and Hall/CRC. Taylor & Francis Group, 2008.

    バージョン履歴

    R2023a で導入