メインコンテンツ

incrementalLearner

バイナリ分類サポート ベクター マシン (SVM) モデルのインクリメンタル学習器への変換

説明

IncrementalMdl = incrementalLearner(Mdl) は、Mdl の従来式の学習済み線形 SVM モデル オブジェクトまたは SVM モデル テンプレート オブジェクトを使用して、インクリメンタル学習用のバイナリ分類線形モデル IncrementalMdl を返します。

従来式の学習済みモデルを指定する場合、そのプロパティの値は Mdl から得られた知識 (モデルのパラメーターとハイパーパラメーター) を反映した内容になります。そのため、IncrementalMdl は新しい観測値に対してラベルの予測を行うことができます。また "ウォーム" となるため、予測性能が追跡されます。

IncrementalMdl = incrementalLearner(Mdl,Name,Value) は、1 つ以上の名前と値の引数によって指定された追加オプションを使用します。一部のオプションでは、予測性能の追跡を行う前に IncrementalMdl に学習させる必要があります。たとえば、'MetricsWarmupPeriod',50,'MetricsWindowSize',100 は、50 個の観測値から成る、パフォーマンス メトリクスの追跡前のインクリメンタル学習の予備期間を指定し、ウィンドウ パフォーマンス メトリクスを更新する前に 100 個の観測値を処理することを指定します。

すべて折りたたむ

fitcsvm を使用して SVM モデルに学習させ、それをインクリメンタル学習器に変換します。

データの読み込みと前処理

人の行動のデータ セットを読み込みます。

load humanactivity

データ セットの詳細については、コマンド ラインで Description を入力してください。

応答は、次の 5 つのクラスのいずれかになります。SittingStandingWalkingRunning、または Dancing。被験者が移動しているかどうか (actid > 2) を基準に、応答を二分します。

Y = actid > 2;

SVM モデルの学習

SVM モデルをデータ セット全体に当てはめます。サポート ベクター (Alpha) をモデルから破棄して、ソフトウェアが予測に線形係数 (Beta) 使用するようにします。

TTMdl = fitcsvm(feat,Y);
TTMdl = discardSupportVectors(TTMdl)
TTMdl = 
  ClassificationSVM
             ResponseName: 'Y'
    CategoricalPredictors: []
               ClassNames: [0 1]
           ScoreTransform: 'none'
          NumObservations: 24075
                     Beta: [60×1 double]
                     Bias: -6.4280
         KernelParameters: [1×1 struct]
           BoxConstraints: [24075×1 double]
          ConvergenceInfo: [1×1 struct]
          IsSupportVector: [24075×1 logical]
                   Solver: 'SMO'


  Properties, Methods

TTMdl は、従来式の学習済み SVM モデルを表す ClassificationSVM モデル オブジェクトです。

学習済みモデルの変換

従来式の学習済み SVM モデルを、インクリメンタル学習用のバイナリ分類線形モデルに変換します。

IncrementalMdl = incrementalLearner(TTMdl) 
IncrementalMdl = 
  incrementalClassificationLinear

            IsWarm: 1
           Metrics: [1×2 table]
        ClassNames: [0 1]
    ScoreTransform: 'none'
              Beta: [60×1 double]
              Bias: -6.4280
           Learner: 'svm'


  Properties, Methods

IncrementalMdl は、SVM を使用するインクリメンタル学習用に準備された incrementalClassificationLinear モデル オブジェクトです。

  • 関数 incrementalLearner は、学習した係数を、TTMdl が学習データから抽出した他の情報と共に渡して、インクリメンタル学習器を初期化します。

  • IncrementalMdl はウォーム (IsWarm1) です。これは、インクリメンタル学習関数がパフォーマンス メトリクスの追跡を開始できることを意味します。

  • fitcsvmSMO ソルバーを使用して TTMdl に学習させるのに対し、関数 incrementalLearner は、適応型スケール不変ソルバーを使用してモデルに学習させるよう指定します。

応答予測

従来式の学習済みモデルから変換して作成したインクリメンタル学習器は、追加の処理なしで予測を生成できます。

両方のモデルを使用して、すべての観測値の分類スコアを予測します。

[~,ttscores] = predict(TTMdl,feat);
[~,ilcores] = predict(IncrementalMdl,feat);
compareScores = norm(ttscores(:,1) - ilcores(:,1))
compareScores = 
0

モデルによって生成されたスコアの差は 0 です。

既定のソルバーは、適応型スケール不変ソルバーです。このソルバーを指定した場合、学習のためにパラメーターを調整する必要はありません。ただし、代わりに標準 SGD または ASGD ソルバーのいずれかを指定する場合は、推定期間を指定することもできます。その間、インクリメンタル近似関数は学習率を調整します。

人の行動のデータ セットを読み込みます。

load humanactivity

データ セットの詳細については、コマンド ラインで Description を入力してください。

応答は、次の 5 つのクラスのいずれかになります。SittingStandingWalkingRunning、および Dancing。被験者が移動しているかどうか (actid > 2) を基準に、応答を二分します。

Y = actid > 2;

データをランダムに 2 分割します。最初の半分は従来式のモデルの学習用、残りの半分はインクリメンタル学習用です。

n = numel(Y);

rng(1) % For reproducibility
cvp = cvpartition(n,'Holdout',0.5);
idxtt = training(cvp);
idxil = test(cvp);

% First half of data 
Xtt = feat(idxtt,:);
Ytt = Y(idxtt);

% Second half of data
Xil = feat(idxil,:);
Yil = Y(idxil);

データの最初の半分に SVM モデルを当てはめます。'Standardize',true を設定して予測子データを標準化します。

TTMdl = fitcsvm(Xtt,Ytt,'Standardize',true);

TTMdlMu および Sigma プロパティには、予測子のデータ標本の平均と標準偏差がそれぞれ含まれます。

予測子変数の分布は今後変化しないことが予想されるとします。従来式の学習済み SVM モデルを、インクリメンタル学習用のバイナリ分類線形モデルに変換します。標準 SGD ソルバーを指定し、推定期間を 2000 個の観測値に指定します (学習率が必要な場合の既定は 1000)。

IncrementalMdl = incrementalLearner(TTMdl,'Solver','sgd','EstimationPeriod',2000);

IncrementalMdlincrementalClassificationLinear モデル オブジェクトです。TTMdl の予測子データは標準化されているため (TTMdl.Mu および TTMdl.Sigma が空ではない)、incrementalLearner は、前に学習したモーメント (IncrementalMdl.Mu および IncrementalMdl.Sigma に格納されている) を使用して、提供された予測子データを標準化するためのインクリメンタル学習関数を準備します。

関数 fit を使用して、インクリメンタル モデルをデータの残りの半分に当てはめます。各反復で次を行います。

  • 10 個の観測値を一度に処理して、データ ストリームをシミュレート。

  • 前のインクリメンタル モデルを、入力観測値に当てはめた新しいモデルで上書きします。

  • 初期学習率と β1 を保存して、係数と比率が学習中にどのように進化したかを確認。

% Preallocation
nil = numel(Yil);
numObsPerChunk = 10;
nchunk = floor(nil/numObsPerChunk);
learnrate = [IncrementalMdl.LearnRate; zeros(nchunk,1)];
beta1 = [IncrementalMdl.Beta(1); zeros(nchunk,1)];

% Incremental fitting
for j = 1:nchunk
    ibegin = min(nil,numObsPerChunk*(j-1) + 1);
    iend   = min(nil,numObsPerChunk*j);
    idx = ibegin:iend;
    IncrementalMdl = fit(IncrementalMdl,Xil(idx,:),Yil(idx));
    beta1(j + 1) = IncrementalMdl.Beta(1);
    learnrate(j + 1) = IncrementalMdl.LearnRate;
end

IncrementalMdl は、ストリーム内のすべてのデータで学習させた incrementalClassificationLinear モデル オブジェクトです。

初期学習率と β1 が学習中にどのように進化したかを確認するには、それらを別々のタイルにプロットします。

t = tiledlayout(2,1);
nexttile
plot(beta1)
ylabel('\beta_1')
xline(IncrementalMdl.EstimationPeriod/numObsPerChunk,'r-.')
nexttile
plot(learnrate)
ylabel('Initial Learning Rate')
xline(IncrementalMdl.EstimationPeriod/numObsPerChunk,'r-.')
xlabel(t,'Iteration')

Figure contains 2 axes objects. Axes object 1 with ylabel \beta_1 contains 2 objects of type line, constantline. Axes object 2 with ylabel Initial Learning Rate contains 2 objects of type line, constantline.

初期学習率は、推定期間後に 0.7 から自動調整された値に急転します。ソフトウェアでの学習時は、IncrementalMdlLearnRateScheduleプロパティで指定された初期値から徐々に減衰する学習率が使用されます。

推定期間中には fit がモデルをストリーミング データに当てはめないため、β1 は、最初の 200 回の反復 (2000 個の観測値) では定数です。その後、β1 はインクリメンタル近似中に変動します。

学習済みの SVM モデルを使用して、インクリメンタル学習器を初期化します。メトリクスのウォームアップ期間を指定して、インクリメンタル学習器を準備します。その間、関数updateMetricsAndFitはモデルの当てはめのみを行います。メトリクス ウィンドウ サイズを観測値 500 個に指定します。

人の行動のデータ セットを読み込みます。

load humanactivity

データ セットの詳細については、コマンド ラインで Description を入力してください。

応答は、次の 5 つのクラスのいずれかになります。SittingStandingWalkingRunning、および Dancing。被験者が移動しているかどうか (actid > 2) を基準に、応答を二分します。

Y = actid > 2;

データ セットは行動ごとにグループ化されているため、データをシャッフルしてバイアスを減らします。次に、データをランダムに 2 分割します。最初の半分は従来式のモデルの学習用、残りの半分はインクリメンタル学習用です。

n = numel(Y);

rng(1) % For reproducibility
cvp = cvpartition(n,'Holdout',0.5);
idxtt = training(cvp);
idxil = test(cvp);
shuffidx = randperm(n);
X = feat(shuffidx,:);
Y = Y(shuffidx);

% First half of data
Xtt = X(idxtt,:);
Ytt = Y(idxtt);

% Second half of data
Xil = X(idxil,:);
Yil = Y(idxil);

データの最初の半分に SVM モデルを当てはめます。

TTMdl = fitcsvm(Xtt,Ytt);

従来式の学習済み SVM モデルを、インクリメンタル学習用のバイナリ分類線形モデルに変換します。次を指定します。

  • メトリクスのウォームアップ期間は観測値 2000 個

  • メトリクス ウィンドウ サイズは観測値 500 個

  • 分類誤差およびヒンジ損失を使用してモデルの性能を測定

IncrementalMdl = incrementalLearner(TTMdl,'MetricsWarmupPeriod',2000,'MetricsWindowSize',500,...
    'Metrics',["classiferror" "hinge"]);

関数 updateMetricsAndFit を使用して、インクリメンタル モデルをデータの残りの半分に当てはめます。各反復で次を行います。

  • 20 個の観測値を一度に処理して、データ ストリームをシミュレートします。

  • 前のインクリメンタル モデルを、入力観測値に当てはめた新しいモデルで上書きします。

  • β1、累積メトリクス、およびウィンドウ メトリクスを保存し、インクリメンタル学習中にそれらがどのように進化するかを確認。

% Preallocation
nil = numel(Yil);
numObsPerChunk = 20;
nchunk = ceil(nil/numObsPerChunk);
ce = array2table(zeros(nchunk,2),'VariableNames',["Cumulative" "Window"]);
hinge = array2table(zeros(nchunk,2),'VariableNames',["Cumulative" "Window"]);
beta1 = [IncrementalMdl.Beta(1); zeros(nchunk,1)];

% Incremental fitting
for j = 1:nchunk
    ibegin = min(nil,numObsPerChunk*(j-1) + 1);
    iend   = min(nil,numObsPerChunk*j);
    idx = ibegin:iend;    
    IncrementalMdl = updateMetricsAndFit(IncrementalMdl,Xil(idx,:),Yil(idx));
    ce{j,:} = IncrementalMdl.Metrics{"ClassificationError",:};
    hinge{j,:} = IncrementalMdl.Metrics{"HingeLoss",:};
    beta1(j + 1) = IncrementalMdl.Beta(1);
end

IncrementalMdl は、ストリーム内のすべてのデータで学習させた incrementalClassificationLinear モデル オブジェクトです。インクリメンタル学習中およびモデルがウォームアップされた後、updateMetricsAndFit は入力観測値でモデルの性能をチェックし、モデルをその観測値に当てはめます。

パフォーマンス メトリクスと β1 が学習中にどのように進化するかを確認するには、それらを別々のタイルにプロットします。

t = tiledlayout(3,1);
nexttile
plot(beta1)
ylabel('\beta_1')
xlim([0 nchunk]);
xline(IncrementalMdl.MetricsWarmupPeriod/numObsPerChunk,'r-.');
nexttile
h = plot(ce.Variables);
xlim([0 nchunk]);
ylabel('Classification Error')
xline(IncrementalMdl.MetricsWarmupPeriod/numObsPerChunk,'r-.');
legend(h,ce.Properties.VariableNames,'Location','northwest')
nexttile
h = plot(hinge.Variables);
xlim([0 nchunk]);
ylabel('Hinge Loss')
xline(IncrementalMdl.MetricsWarmupPeriod/numObsPerChunk,'r-.');
legend(h,hinge.Properties.VariableNames,'Location','northwest')
xlabel(t,'Iteration')

Figure contains 3 axes objects. Axes object 1 with ylabel \beta_1 contains 2 objects of type line, constantline. Axes object 2 with ylabel Classification Error contains 3 objects of type line, constantline. These objects represent Cumulative, Window. Axes object 3 with ylabel Hinge Loss contains 3 objects of type line, constantline. These objects represent Cumulative, Window.

プロットは、updateMetricsAndFit が次を行うことを示しています。

  • β1 をインクリメンタル学習のすべての反復で当てはめます。

  • パフォーマンス メトリクスをメトリクスのウォームアップ期間後にのみ計算します。

  • 累積メトリクスを各反復中に計算します。

  • ウィンドウ メトリクスを 500 個の観測値 (25 回の反復) の処理後に計算します。

入力引数

すべて折りたたむ

従来式の学習済み線形 SVM モデルまたは SVM モデル テンプレート。学習関数または処理関数によって返されるモデル オブジェクトとして指定します。

モデル オブジェクトまたはテンプレート オブジェクト学習または処理を行う関数
ClassificationSVM モデル オブジェクトfitcsvm
CompactClassificationSVM モデル オブジェクトfitcsvm または compact
SVM モデル テンプレート オブジェクトtemplateSVM

メモ

  • インクリメンタル学習関数は、数値の入力予測子データのみをサポートします。Mdl に categorical データで学習させた場合、インクリメンタル学習関数を使用するには符号化したバージョンの categorical データを準備する必要があります。dummyvar を使用して、各カテゴリカル変数をダミー変数で構成される数値行列に変換します。その後、学習関数での categorical データの符号化と同じ方法で、すべてのダミー変数行列とその他の数値予測子を連結します。詳細については、ダミー変数を参照してください。

  • Mdl が SVM モデル テンプレート オブジェクトの場合、incrementalLearner は予測子変数を標準化するかどうかをモデル テンプレート オブジェクトの Standardize プロパティに基づいて決定します。詳細については、データの標準化を参照してください。

名前と値の引数

すべて展開する

オプションの引数のペアを Name1=Value1,...,NameN=ValueN として指定します。ここで、Name は引数名で、Value は対応する値です。名前と値の引数は他の引数の後に指定しなければなりませんが、ペアの順序は重要ではありません。

R2021a より前では、名前と値をそれぞれコンマを使って区切り、Name を引用符で囲みます。

例: 'Solver','scale-invariant','MetricsWindowSize',100 は、目的関数の最適化用に適応型スケール不変ソルバーを指定し、ウィンドウ パフォーマンス メトリクスを更新する前に 100 個の観測値を処理することを指定します。

一般オプション

すべて展開する

目的関数の最小化手法。次の表の値として指定します。

説明メモ:
'scale-invariant'

インクリメンタル学習用の適応型スケール不変ソルバー[1]

  • このアルゴリズムはパラメーターを持たず、予測子のスケールの違いに適応できます。SGD または ASGD を使用する前に、このアルゴリズムを試してください。

  • 関数 fit でモデルを当てはめる前にデータの入力チャンクをシャッフルするには、Shuffletrue に設定します。

'sgd'確率的勾配降下法 (SGD) [3][2]

  • SGD で効果的に学習させるには、データを標準化し、SGD および ASGD ソルバーのオプションにリストされているオプションを使用してハイパーパラメーターの適切な値を指定します。

  • 関数 fit でモデルを当てはめる前にデータの入力チャンクが常にシャッフルされます。

'asgd'平均化確率的勾配降下法 (ASGD) [4]

  • ASGD で効果的に学習させるには、データを標準化し、SGD および ASGD ソルバーのオプションにリストされているオプションを使用してハイパーパラメーターの適切な値を指定します。

  • 関数 fit でモデルを当てはめる前にデータの入力チャンクが常にシャッフルされます。

インクリメンタル学習用の線形モデル (IncrementalMdl) では、従来式の学習済み線形 SVM モデル Mdl の学習に使用されるソルバーや SVM モデル テンプレート オブジェクト Mdl で指定されたソルバーはサポートされません。既定では、関数 incrementalLearnerIncrementalMdl を設定して適応型スケール不変ソルバー ('scale-invariant') を使用します。

例: 'Solver','sgd'

データ型: char | string

ハイパーパラメーターの推定のために、パフォーマンス メトリクスの学習または追跡の前にインクリメンタル モデルが処理する観測値の数。'EstimationPeriod' と非負の整数で構成されるコンマ区切りのペアとして指定します。

メモ

  • Mdl をインクリメンタル学習用に準備する場合 (学習に必要なすべてのハイパーパラメーターを指定する必要があります)、incrementalLearnerEstimationPeriod0 に強制します。

  • Mdl をインクリメンタル学習用に準備しない場合、incrementalLearnerEstimationPeriod1000 に設定します。

詳細は、推定期間を参照してください。

例: 'EstimationPeriod',100

データ型: single | double

SGD および ASGD ソルバーのオプション

すべて展開する

ミニバッチのサイズ。'BatchSize' と正の整数から構成されるコンマ区切りのペアとして指定します。学習中の各学習サイクルで、incrementalLearnerBatchSize 個の観測値を使用して劣勾配を計算します。

最後のミニバッチ (fit または updateMetricsAndFit の各関数呼び出しにおける最後の学習サイクル) に使用する観測値の数は、BatchSize より小さくてもかまいません。たとえば、fit または updateMetricsAndFit に 25 個の観測値を指定した場合、関数は最初の 2 つの学習サイクルに 10 個の観測値を使用し、最後の学習サイクルに 5 個の観測値を使用します。

例: 'BatchSize',1

データ型: single | double

リッジ (L2) 正則化項の強度。'Lambda' と非負のスカラーで構成されるコンマ区切りのペアとして指定します。

例: 'Lambda',0.01

データ型: single | double

初期学習率。'LearnRate''auto' または正のスカラーで構成されるコンマ区切りのペアとして指定します。LearnRate は、目的の劣勾配をスケールすることによって最適化のステップ サイズを制御します。

学習率は、目的の劣勾配をスケールすることによって最適化のステップ サイズを制御します。LearnRate は学習率の初期値を指定し、LearnRateSchedule によって後続の学習サイクルの学習率が決まります。

'auto' を指定した場合、次のようになります。

  • 初期学習率は 0.7 となります。

  • EstimationPeriod > 0 の場合、fit および updateMetricsAndFit は、EstimationPeriod の最後にこの比率を 1/sqrt(1+max(sum(X.^2,obsDim))) に変更します。obsDim の値は、観測値が推定期間に収集された予測子データ X の列である場合は 1、それ以外の場合は 2 です。

例: 'LearnRate',0.001

データ型: single | double | char | string

学習率スケジュール。'LearnRateSchedule' と次の表の値で構成されるコンマ区切りのペアとして指定します。ここで、LearnRate は初期学習率 ɣ0 を指定します。

説明
'constant'すべての学習サイクルの学習率を ɣ0 とする。
'decaying'

学習サイクル t での学習率を次とする。

γt=γ0(1+λγ0t)c.

  • λLambda の値です。

  • Solver'sgd' の場合、c = 1 です。

  • Solver'asgd' の場合、c は 0.75 です [4]

例: 'LearnRateSchedule','constant'

データ型: char | string

適応型スケール不変ソルバーのオプション

すべて展開する

各反復でのバッチ内観測値のシャッフル フラグ。'Shuffle' と次の表の値で構成されるコンマ区切りのペアとして指定します。

説明
trueソフトウェアが、関数 fit でモデルを当てはめる前に、データの入力チャンクをシャッフルします。このアクションにより、抽出スキームによって誘発されるバイアスが低減されます。
falseソフトウェアが、受信した順序でデータを処理します。

例: 'Shuffle',false

データ型: logical

パフォーマンス メトリクス オプション

すべて展開する

関数 updateMetrics または updateMetricsAndFit を使ってインクリメンタル学習中に追跡するモデルのパフォーマンス メトリクス。組み込みの損失関数の名前、名前の string ベクトル、関数ハンドル (@metricName)、関数ハンドルの構造体配列、または名前、関数ハンドル、構造体配列の cell ベクトルとして指定します。

次の表は、組み込みの損失関数名の一覧です。string ベクトルを使用して、複数指定できます。

名前説明
"binodeviance"二項分布からの逸脱度
"classiferror"分類誤差
"exponential"指数損失
"hinge"ヒンジ損失
"logit"ロジスティック損失
"quadratic"二次損失

組み込み損失関数の詳細については、loss を参照してください。

例: 'Metrics',["classiferror" "hinge"]

パフォーマンス メトリクスを返すカスタム関数を指定するには、関数ハンドル表記を使用します。関数は次の形式でなければなりません。

metric = customMetric(C,S)

  • 出力引数 metricn 行 1 列の数値ベクトルです。ここで、各要素は、学習サイクル中にインクリメンタル学習関数によって処理されたデータの対応する観測値の損失です。

  • 関数名 (customMetric) を指定します。

  • Cn 行 2 列の logical 行列であり、対応する観測値が属するクラスを各行が示します。列の順序はインクリメンタル学習用のモデルにおけるクラスの順序に対応します。C を作成するには、指定されたデータの各観測値について観測値 p がクラス q に属する場合に C(p,q) = 1 を設定します。行 p の他の要素を 0 に設定します。

  • S は、予測分類スコアの n 行 2 列の数値行列です。Spredict の出力 score に似ています。ここで、行はデータの観測値に対応し、列の順序はインクリメンタル学習用のモデルにおけるクラスの順序に対応しています。S(p,q) は、クラス q に分類されている観測値 p の分類スコアです。

複数のカスタム メトリクスを指定し、それぞれにカスタム名を割り当てるには、構造体配列を使用します。組み込みメトリクスとカスタム メトリクスの組み合わせを指定するには、cell ベクトルを使用します。

例: 'Metrics',struct('Metric1',@customMetric1,'Metric2',@customMetric2)

例: 'Metrics',{@customMetric1 @customMetric2 'logit' struct('Metric3',@customMetric3)}

updateMetrics および updateMetricsAndFit は、table で指定したメトリクスをプロパティ IncrementalMdl.Metrics に保存します。Metrics のデータ型によって、table の行名が決まります。

'Metrics' 値のデータ型Metrics プロパティの行名の説明
string または文字ベクトル対応する組み込みメトリクスの名前"classiferror" の行名は "ClassificationError"
構造体配列フィールド名struct('Metric1',@customMetric1) の行名は "Metric1"
プログラム ファイルに格納されている関数への関数ハンドル関数名@customMetric の行名は "customMetric"
無名関数CustomMetric_j。ここで、jMetrics のメトリクス j@(C,S)customMetric(C,S)... の行名は CustomMetric_1

パフォーマンス メトリクス オプションの詳細については、パフォーマンス メトリクスを参照してください。

データ型: char | string | struct | cell | function_handle

インクリメンタル モデルが Metrics プロパティのパフォーマンス メトリクスを追跡する前に当てはめなければならない観測値の数。非負の整数として指定します。インクリメンタル モデルは、インクリメンタル近似関数が (EstimationPeriod + MetricsWarmupPeriod) 個の観測値をインクリメンタル モデルに当てはめた後にウォームになります。

パフォーマンス メトリクス オプションの詳細については、パフォーマンス メトリクスを参照してください。

例: 'MetricsWarmupPeriod',50

データ型: single | double

ウィンドウ パフォーマンス メトリクスの計算に使用する観測値の数。正の整数として指定します。

パフォーマンス メトリクス オプションの詳細については、パフォーマンス メトリクスを参照してください。

例: 'MetricsWindowSize',100

データ型: single | double

出力引数

すべて折りたたむ

インクリメンタル学習用のバイナリ分類線形モデル。incrementalClassificationLinear モデル オブジェクトとして返されます。IncrementalMdl は新しいデータに基づいて予測を生成するようにも構成されます (predict を参照)。

  • Mdl で従来式の学習済みモデル オブジェクトを指定した場合、incrementalLearnerMdl のプロパティの値を IncrementalMdl の対応するプロパティに渡して IncrementalMdl を初期化します。

    プロパティ説明
    Betaスケーリングされた線形モデル係数。Mdl.Beta/Mdl.KernelParameters.Scale。数値ベクトル
    Biasモデル切片。数値スカラー
    ClassNamesバイナリ分類のクラス ラベル。2 要素のリスト
    Mu予測子変数の平均。数値ベクトル
    NumPredictors予測子の数。正の整数
    Prior前のクラス ラベルの分布。数値ベクトル
    Sigma予測子変数の標準偏差。数値ベクトル
    ScoreTransformスコア変換関数。関数名または関数ハンドル

    Mdl の従来式学習済みモデルの Cost プロパティは、incrementalClassificationLinear でサポートされないため、incrementalLearner で使用されないことに注意してください。

詳細

すべて折りたたむ

アルゴリズム

すべて折りたたむ

参照

[1] Kempka, Michał, Wojciech Kotłowski, and Manfred K. Warmuth. "Adaptive Scale-Invariant Online Algorithms for Learning Linear Models." Preprint, submitted February 10, 2019. https://arxiv.org/abs/1902.07528.

[2] Langford, J., L. Li, and T. Zhang. “Sparse Online Learning Via Truncated Gradient.” J. Mach. Learn. Res., Vol. 10, 2009, pp. 777–801.

[3] Shalev-Shwartz, S., Y. Singer, and N. Srebro. “Pegasos: Primal Estimated Sub-Gradient Solver for SVM.” Proceedings of the 24th International Conference on Machine Learning, ICML ’07, 2007, pp. 807–814.

[4] Xu, Wei. “Towards Optimal One Pass Large Scale Learning with Averaged Stochastic Gradient Descent.” CoRR, abs/1107.2490, 2011.

バージョン履歴

R2020b で導入