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スペクトル角マッパーを使用したスペクトルの類似度の評価

    説明

    score = sam(inputData,refSpectra) はスペクトル角マッパー (SAM) 分類アルゴリズムを使用して、ハイパースペクトル データ inputData 内の各ピクセルのスペクトルと、指定した基準スペクトル refSpectra の間のスペクトルの類似度を評価します。この構文を使用して、ハイパースペクトル データ キューブ内で異なる領域または物質を特定します。

    score = sam(testSpectra,refSpectra) は SAM 分類アルゴリズムを使用して、指定したテスト スペクトル testSpectra と基準スペクトル refSpectra の間のスペクトルの類似度を評価します。この構文を使用して、未知の物質のスペクトル シグネチャを基準スペクトルと比較したり、2 つのスペクトル シグネチャ間のスペクトルのばらつきを計算したりします。

    メモ

    この関数には、Hyperspectral Imaging Library for Image Processing Toolbox™ が必要です。Hyperspectral Imaging Library for Image Processing Toolbox はアドオン エクスプローラーからインストールできます。アドオンのインストールの詳細については、アドオンの入手と管理を参照してください。

    Hyperspectral Imaging Library for Image Processing Toolbox は、MATLAB® Online™ および MATLAB Mobile™ によってサポートされないため、デスクトップの MATLAB が必要です。

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    データ キューブの各ピクセルとエンドメンバー スペクトルのスペクトル角距離を計算して、ハイパースペクトル データ キューブ内の異なる領域を識別します。

    ハイパースペクトル データをワークスペースに読み取ります。

    hcube = imhypercube("jasperRidge2_R198.hdr");

    関数 countEndmembersHFC を使用して、データ キューブ内のスペクトル的に異なるバンドの数を特定します。

    numEndmembers = countEndmembersHFC(hcube)
    numEndmembers = 
    13
    

    N-FINDR アルゴリズムを使用してデータ キューブからエンドメンバーのスペクトル シグネチャを抽出します。

    endmembers = nfindr(hcube,numEndmembers);

    エンドメンバーのスペクトル シグネチャをプロットします。結果として、データ キューブ内のスペクトル的に異なる 14 個の領域が表示されます。

    figure
    plot(endmembers)
    legend(Location="Bestoutside")

    Figure contains an axes object. The axes object contains 13 objects of type line.

    各エンドメンバーとデータ キューブ内の各ピクセルのスペクトルの間でスペクトル角距離を計算します。

    datacube = gather(hcube);
    score = zeros(size(datacube,1),size(datacube,2),numEndmembers);
    for i = 1:numEndmembers
        score(:,:,i) = sam(hcube,endmembers(:,i));
    end

    すべてのエンドメンバーについて、ピクセル スペクトルごとに取得した距離スコアから最小スコア値を計算します。それぞれの最小スコアのインデックスは、ピクセル スペクトルが最大の類似度を示すエンドメンバー スペクトルを識別します。スコア行列内の空間位置 (x, y) におけるインデックス値 n は、データ キューブ内の空間位置 (x, y) におけるピクセルのスペクトル シグネチャが、n 番目のエンドメンバーのスペクトル シグネチャに最適に一致することを示しています。

    [~,matchingIndx] = min(score,[],3);

    関数 colorize を使用してハイパースペクトル データ キューブの RGB イメージを推定します。RGB イメージおよび一致したインデックス値の行列の両方を表示します。

    rgbImg = colorize(hcube,Method="rgb");
    figure(Position=[0 0 1100 500])
    subplot(Position=[0 0.15 0.4 0.8])
    imagesc(rgbImg)
    axis off
    title("RGB Image of Hyperspectral Data")
    subplot(Position=[0.45 0.15 0.4 0.8])
    imagesc(matchingIndx)
    axis off
    title("Indices of Matching Endmembers")
    colorbar

    Figure contains 2 axes objects. Hidden axes object 1 with title RGB Image of Hyperspectral Data contains an object of type image. Hidden axes object 2 with title Indices of Matching Endmembers contains an object of type image.

    ハイパースペクトル データをワークスペースに読み取ります。

    hcube = imhypercube("indian_pines.dat");

    ハイパースペクトル データのエンドメンバーを 10 個求めます。

    numEndmembers = 10;
    endmembers = nfindr(hcube,numEndmembers);

    最初のエンドメンバーを基準スペクトル、残りのエンドメンバーをテスト スペクトルと見なします。基準スペクトルとテスト スペクトル間の SAM スコアを計算します。

    score = zeros(1,numEndmembers-1);
    refSpectrum = endmembers(:,1);
    for i = 2:numEndmembers
        testSpectrum = endmembers(:,i);
        score(i-1) = sam(testSpectrum,refSpectrum);
    end

    基準スペクトルに対して類似度が最大 (距離が最小) となるテスト スペクトルを求めます。次に、基準スペクトルに対して類似度が最小 (距離が最大) となるテスト スペクトルを求めます。

    [minval,minidx] = min(score);
    maxMatch = endmembers(:,minidx);
    [maxval,maxidx] = max(score);
    minMatch = endmembers(:,maxidx);

    基準スペクトル、類似度が最大のテスト スペクトル、および最小のテスト スペクトルをプロットします。最小スコア値を持つテスト スペクトルは、基準エンドメンバーに対して最大の類似度を示します。一方、最大スコア値をもつテスト スペクトルはスペクトルのばらつきが最も大きく、2 つの異なる物質のスペクトル挙動の特徴を示しています。

    figure
    plot(refSpectrum)
    hold on
    plot(maxMatch,"k")
    plot(minMatch,"r")
    xlabel("Band Number")
    ylabel("Data Values")
    legend("Reference spectrum","Minimum match test spectrum","Maximum match test spectrum", ...
           Location="southoutside")
    title("Similarity Between Spectra")
    annotation("textarrow",[0.25 0.25],[0.4 0.5],String="Max score: "+maxval)
    annotation("textarrow",[0.6 0.55],[0.6 0.45],String="Min score: "+minval)

    Figure contains an axes object. The axes object with title Similarity Between Spectra, xlabel Band Number, ylabel Data Values contains 3 objects of type line. These objects represent Reference spectrum, Minimum match test spectrum, Maximum match test spectrum.

    入力引数

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    入力ハイパースペクトル データ。データ キューブを含む hypercube オブジェクトまたは 3 次元数値配列として指定します。

    テスト スペクトル。C 要素ベクトルとして指定します。テスト スペクトルは未知の領域または物質のスペクトル シグネチャです。

    データ型: single | double | int8 | int16 | int32 | int64 | uint8 | uint16 | uint32 | uint64

    基準スペクトル。C 要素ベクトルとして指定します。基準スペクトルは既知の領域または物質のスペクトル シグネチャです。この関数はテスト スペクトルとこれらの値を照合します。

    データ型: single | double | int8 | int16 | int32 | int64 | uint8 | uint16 | uint32 | uint64

    出力引数

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    SAM スコア。スカラーまたは行列として返されます。出力は以下のようになります。

    • スカラー — 入力引数 testSpectra を指定した場合。関数はテスト スペクトル シグネチャと基準スペクトル シグネチャを照合し、スカラー値を返します。テスト スペクトルと基準スペクトルはともに同じ長さのベクトルでなければなりません。

    • 行列 — 入力引数 inputData を指定した場合。関数はデータ キューブ内の各ピクセルのスペクトル シグネチャと基準スペクトル シグネチャを照合し、行列を返します。データ キューブのサイズが M x N x C で、基準スペクトルが長さ C のベクトルである場合、出力行列のサイズは MN 列です。

    SAM スコアの各要素は範囲 [0, 3.142] のスペクトル角です (単位はラジアン)。SAM スコアが小さくなるほど、テスト シグネチャと基準シグネチャが強く一致することを示します。

    データ型: single | double

    制限

    この関数は、パフォーマンスが既に最適化されているため、parfor ループをサポートしません。 (R2023a 以降)

    詳細

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    参照

    [1] Kruse, F.A., A.B. Lefkoff, J.W. Boardman, K.B. Heidebrecht, A.T. Shapiro, P.J. Barloon, and A.F.H. Goetz. “The Spectral Image Processing System (SIPS)—Interactive Visualization and Analysis of Imaging Spectrometer Data.” Remote Sensing of Environment 44, no. 2–3 (May 1993): 145–63. https://doi.org/10.1016/0034-4257(93)90013-N.

    バージョン履歴

    R2020a で導入