numerictype
固定小数点または浮動小数点のデータ型を記述する embedded.numerictype
オブジェクトの構成
構文
説明
T = numerictype
は既定の numerictype
オブジェクトを作成します。
T = numerictype(
は、傾きとバイアスのスケーリング、符号プロパティ値 s
,w
,slopeadjustmentfactor
,fixedexponent
,bias
)s
、語長 w
、slopeadjustmentfactor
、fixedexponent
、bias
の固定小数点 numerictype
オブジェクトを作成します。
T = numerictype(___,
では、名前と値のペアを使用してプロパティを設定できます。値を指定しないプロパティについては、いずれも既定値が割り当てられます。Name,Value
)
T = numerictype(T1,
では、既存の Name,Value
)numerictype
オブジェクト T
のコピー T1
を作成し、いずれかまたはすべてのプロパティ値を変更できます。
T = numerictype('Double')
は double データ型の numerictype
オブジェクトを作成します。
T = numerictype('Single')
は single データ型の numerictype
オブジェクトを作成します。
T = numerictype('Half')
は half データ型の numerictype
オブジェクトを作成します。
T = numerictype('Boolean')
は boolean データ型の numerictype
オブジェクトを作成します。
例
この例では、既定のプロパティ設定で numerictype
オブジェクトを作成する方法を示します。
T = numerictype
T = DataTypeMode: Fixed-point: binary point scaling Signedness: Signed WordLength: 16 FractionLength: 15
この例では、語長の引数 w
と小数部の長さの引数 f
を省略して既定の語長とスケーリングをもつ numerictype
オブジェクトを作成する方法を示します。
T = numerictype(1)
T = DataTypeMode: Fixed-point: unspecified scaling Signedness: Signed WordLength: 16
このオブジェクトは符号付きで、語長は 16 ビット、スケーリングは未指定です。
符号属性の引数 s
を使用して符号なしの numerictype
オブジェクトを作成できます。
T = numerictype(0)
T = DataTypeMode: Fixed-point: unspecified scaling Signedness: Unsigned WordLength: 16
このオブジェクトは、語長は既定の 16 ビット、スケーリングは未指定です。
この例では、小数部の長さの引数 f
を省略して、語長が 32 ビットでスケーリングが未指定の numerictype
オブジェクトを作成する方法を示します。
T = numerictype(1,32)
T = DataTypeMode: Fixed-point: unspecified scaling Signedness: Signed WordLength: 32
このオブジェクトは符号付きです。
この例では、2 進小数点スケーリング、語長 32 ビット、小数部の長さ 30 ビットの符号付き numerictype
オブジェクトを作成する方法を示します。
T = numerictype(1,32,30)
T = DataTypeMode: Fixed-point: binary point scaling Signedness: Signed WordLength: 32 FractionLength: 30
この例では、傾きとバイアスのスケーリングを使用した numerictype
オブジェクトを作成する方法を示します。傾きとバイアスでスケーリングされた数値の実際値は以下で表されます。
語長 16 ビット、傾き 2^-2、バイアス 4 の符号付き固定小数点データ型を記述する numerictype
オブジェクトを作成します。
T = numerictype(1,16,2^-2,4)
T = DataTypeMode: Fixed-point: slope and bias scaling Signedness: Signed WordLength: 16 Slope: 0.25 Bias: 4
傾きは以下で表すこともできます。
語長 16 ビット、傾き調整係数 1、固定小数点の指数 -2、バイアス 4 の符号付き固定小数点データ型を記述する numerictype
オブジェクトを作成します。
T = numerictype(1,16,1,-2,4)
T = DataTypeMode: Fixed-point: slope and bias scaling Signedness: Signed WordLength: 16 Slope: 0.25 Bias: 4
この例では、numerictype
オブジェクトの作成時に名前と値のペアを使用してプロパティを設定する方法を示します。
T = numerictype('Signed',true,... 'DataTypeMode',... 'Fixed-point: slope and bias scaling', ... 'WordLength',32,... 'Slope',2^-2,... 'Bias',4)
T = DataTypeMode: Fixed-point: slope and bias scaling Signedness: Signed WordLength: 32 Slope: 0.25 Bias: 4
この例では、名前と値のペアを使用して Signedness
プロパティを Auto
に設定することで Signedness
が未指定の numerictype
オブジェクトを作成する方法を示します。
T = numerictype('Signedness','Auto')
T = DataTypeMode: Fixed-point: binary point scaling Signedness: Auto WordLength: 16 FractionLength: 15
この例では、引数および名前と値のペアを使用して特定のデータ型の numerictype
オブジェクトを作成する方法を示します。
T = numerictype(0,24,12,'DataType','ScaledDouble')
T = DataTypeMode: Scaled double: binary point scaling Signedness: Unsigned WordLength: 24 FractionLength: 12
返される numerictype
オブジェクト T
は符号なしで、語長は 24 ビット、小数部の長さは 12 ビット、データ型はスケーリングされた double に設定されます。
この例では、データ型をオブジェクトの作成時点で Double
、Single
、Half
、または Boolean
に設定して numerictype
オブジェクトを作成する方法を示します。
データ型モードを Double
に設定して numerictype
オブジェクトを作成します。
T = numerictype('Double')
T = DataTypeMode: Double
データ型モードを Single
に設定して numerictype
オブジェクトを作成します。
T = numerictype('Single')
T = DataTypeMode: Single
データ型モードを Half
に設定して numerictype
オブジェクトを作成します。
T = numerictype('Half')
T = DataTypeMode: Half
データ型モードを Boolean
に設定して numerictype
オブジェクトを作成します。
T = numerictype('Boolean')
T = DataTypeMode: Boolean
入力引数
オブジェクトが符号付きであるかどうか。数値または logical の 1
(true
) または 0
(false
) として指定します。
例: T = numerictype(true)
データ型: logical
格納整数値の語長 (ビット単位)。正の整数として指定します。
例: T = numerictype(true,16)
データ型: half
| single
| double
| int8
| int16
| int32
| int64
| uint8
| uint16
| uint32
| uint64
格納整数値の小数部の長さ (ビット単位)。整数として指定します。
小数部の長さが語長より大きくてもかまいません。詳細については、2 進小数点の解釈(Fixed-Point Designer) を参照してください。
例: T = numerictype(true,16,15)
データ型: half
| single
| double
| int8
| int16
| int32
| int64
| uint8
| uint16
| uint32
| uint64
傾き。ゼロより大きい有限の浮動小数点数として指定します。
傾きとバイアスで固定小数点数のスケーリングが決まります。
メモ
これらのプロパティの 1 つを変更すると、他のプロパティに影響を与えます。
例: T = numerictype(true,16,2^-2,4)
データ型: half
| single
| double
| int8
| int16
| int32
| int64
| uint8
| uint16
| uint32
| uint64
オブジェクトに関連付けられるバイアス。浮動小数点数として指定します。
傾きとバイアスで固定小数点数のスケーリングが決まります。
例: T = numerictype(true,16,2^-2,4)
データ型: half
| single
| double
| int8
| int16
| int32
| int64
| uint8
| uint16
| uint32
| uint64
傾き調整係数。正のスカラーとして指定します。
傾き調整係数は 1 以上かつ 2 未満でなければなりません。この範囲外の slopeadjustmentfactor
を入力すると、numerictype
オブジェクトは自動的に slopeadjustmentfactor
および fixedexponent
の値にスケーリングの正規化を適用して、修正後の傾き調整係数が 1 以上かつ 2 未満になるようにし、傾きの値を維持します。
傾き調整は、固定小数点数の小数部の傾きと同義です。
メモ
これらのプロパティの 1 つを変更すると、他のプロパティに影響を与えます。
データ型: half
| single
| double
| int8
| int16
| int32
| int64
| uint8
| uint16
| uint32
| uint64
オブジェクトに関連付けられる固定小数点指数。整数として指定します。
メモ
FixedExponent
プロパティは、FractionLength
の負の値です。1 つのプロパティを変更すると、他のプロパティも変更されます。
データ型: half
| single
| double
| int8
| int16
| int32
| int64
| uint8
| uint16
| uint32
| uint64
名前と値の引数
オプションの引数のペアを Name1=Value1,...,NameN=ValueN
として指定します。ここで、Name
は引数名で、Value
は対応する値です。名前と値の引数は他の引数の後に指定しなければなりませんが、ペアの順序は重要ではありません。
R2021a より前では、コンマを使用して名前と値をそれぞれ区切り、Name
を引用符で囲みます。
例: F = numerictype('DataTypeMode','Fixed-point: binary point scaling','DataTypeOverride','Inherit')
メモ
名前と値のペアを使用して numerictype
オブジェクトを作成する場合、Fixed-Point Designer™ は既定の numerictype
オブジェクトを作成してから、コンストラクターで指定された各プロパティ名に対して対応する値を割り当てます。この動作は、T = numerictype(s,w)
などの構文を使用したときの動作とは異なります。例: プロパティ名とプロパティ値のペアによる numerictype オブジェクトの作成を参照してください。
バイアス。浮動小数点数として指定します。
傾きとバイアスで固定小数点数のスケーリングが決まります。
例: T = numerictype('DataTypeMode','Fixed-point: slope and bias scaling','Bias',4)
データ型: half
| single
| double
| int8
| int16
| int32
| int64
| uint8
| uint16
| uint32
| uint64
データ型カテゴリ。次の値のいずれかとして指定します。
'Fixed'
– 固定小数点または整数のデータ型'Boolean'
– MATLAB® の組み込みの boolean データ型'Double'
– MATLAB の組み込みの double データ型'ScaledDouble'
– スケーリングされた double データ型'Single'
– MATLAB の組み込みの single データ型'Half'
– MATLAB の半精度データ型
例: T = numerictype('Double')
データ型: char
オブジェクトに関連付けられるデータ型とスケーリング モード。次の値のいずれかとして指定します。
'Fixed-point: binary point scaling'
– スケーリングが語長と小数部の長さにより定義される固定小数点データ型'Fixed-point: slope and bias scaling'
– スケーリングが傾きとバイアスにより定義される固定小数点データ型'Fixed-point: unspecified scaling'
– スケーリングが未指定の固定小数点データ型'Scaled double: binary point scaling'
– 固定小数点の語長と小数部の長さの情報が保持される double データ型'Scaled double: slope and bias scaling'
– 固定小数点の傾きとバイアスの情報が保持される double データ型'Scaled double: unspecified scaling'
– 固定小数点のスケーリングが未指定の double データ型'Double'
– 組み込みのdouble
'Single'
– 組み込みのsingle
'Half'
– MATLAB の半精度データ型'Boolean'
– 組み込みのboolean
例: T = numerictype('DataTypeMode','Fixed-point: binary point scaling')
データ型: char
データ型オーバーライドの設定。次の値のいずれかとして指定します。
'Inherit'
–DataTypeOverride
をオンにします。'Off'
–DataTypeOverride
をオフにします。
メモ
DataTypeOverride
プロパティは、値が既定の 'Inherit'
に設定されている場合は表示されません。
例: T = numerictype('DataTypeOverride','Off')
データ型: char
オブジェクトに関連付けられる固定小数点指数。整数として指定します。
メモ
FixedExponent
プロパティは、FractionLength
の負の値です。1 つのプロパティを変更すると、他のプロパティも変更されます。
例: T = numerictype('FixedExponent',-12)
データ型: half
| single
| double
| int8
| int16
| int32
| int64
| uint8
| uint16
| uint32
| uint64
格納整数値の小数部の長さ (ビット単位)。整数として指定します。
既定値は、オブジェクトの値と語長に基づく最高精度の小数部の長さです。
メモ
FractionLength
プロパティは、FixedExponent
の負の値です。1 つのプロパティを変更すると、他のプロパティも変更されます。
例: T = numerictype('FractionLength',12)
データ型: half
| single
| double
| int8
| int16
| int32
| int64
| uint8
| uint16
| uint32
| uint64
オブジェクトの固定小数点のスケーリング モード。次の値のいずれかとして指定します。
'BinaryPoint'
–numerictype
オブジェクトのスケーリングは、小数部の長さにより定義されます。'SlopeBias'
–numerictype
オブジェクトのスケーリングは、傾きおよびバイアスにより定義されます。'Unspecified'
– 最高精度の 2 進小数点スケーリングの自動割り当てのためにnumerictype
オブジェクトの作成時にのみ許容される一時的な設定です。
例: T = numerictype('Scaling','BinaryPoint')
データ型: char
オブジェクトが符号付きであるかどうか。数値または logical の 1
(true
) または 0
(false
) として指定します。
メモ
Signed
プロパティは引き続きサポートされていますが、numerictype
オブジェクトの表示には常に Signedness
プロパティが表示されます。Signed
プロパティを使用して numerictype
オブジェクトの符号属性の変更または設定を選択すると、MATLAB は Signedness
プロパティの対応する値を更新します。
例: T = numerictype('Signed',true)
データ型: logical
オブジェクトが符号付きであるかどうか。次の値のいずれかとして指定します。
'Signed'
– 符号付き'Unsigned'
– 符号なし'Auto'
– 符号の指定なし
メモ
符号が未指定 (Signedness: Auto
) の numerictype
オブジェクトを作成できますが、固定小数点 numerictype
オブジェクトの Signedness
はすべて Signed
または Unsigned
でなければなりません。Signedness: Auto
をもつ numerictype
オブジェクトが numerictype
オブジェクトの作成に使用された場合、numerictype
オブジェクトの Signedness
プロパティは自動的に既定値の Signed
になります。
例: T = numerictype('Signedness','Signed')
データ型: char
傾き。有限の正の浮動小数点数として指定します。
傾きとバイアスで固定小数点数のスケーリングが決まります。
メモ
これらのプロパティの 1 つを変更すると、他のプロパティに影響を与えます。
例: T = numerictype('DataTypeMode','Fixed-point: slope and bias scaling','Slope',2^-2)
データ型: half
| single
| double
| int8
| int16
| int32
| int64
| uint8
| uint16
| uint32
| uint64
傾き調整係数。正のスカラーとして指定します。
傾き調整係数は 1 以上かつ 2 未満でなければなりません。この範囲外の slopeadjustmentfactor
を入力すると、numerictype
オブジェクトは自動的に slopeadjustmentfactor
および fixedexponent
の値にスケーリングの正規化を適用して、修正後の傾き調整係数が 1 以上かつ 2 未満になるようにし、傾きの値を維持します。
傾き調整は、固定小数点数の小数部の傾きと同義です。
メモ
これらのプロパティの 1 つを変更すると、他のプロパティに影響を与えます。
例: T = numerictype('DataTypeMode','Fixed-point: slope and bias scaling','SlopeAdjustmentFactor',1.5)
データ型: half
| single
| double
| int8
| int16
| int32
| int64
| uint8
| uint16
| uint32
| uint64
格納整数値の語長 (ビット単位)。正の整数として指定します。
例: T = numerictype('WordLength',16)
データ型: half
| single
| double
| int8
| int16
| int32
| int64
| uint8
| uint16
| uint32
| uint64
拡張機能
使用上の注意および制限:
Simulink® から MATLAB Function ブロックに読み込まれる固定小数点信号は、信号のデータ型とスケーリング情報が入力される
numerictype
オブジェクトに割り当てられます。入力が固定小数点信号以外の場合はデータ型を返します。
生成されるコードで
numerictype
オブジェクトを作成するのに使用します。データ型に関連するすべての
numerictype
オブジェクト プロパティは定数でなければなりません。
HDL コード生成
HDL Coder™ を使用して FPGA 設計および ASIC 設計のための VHDL、Verilog および SystemVerilog のコードを生成します。
バージョン履歴
R2006a より前に導入以前のリリースでは、fi
、fimath
、numerictype
オブジェクトのあいまいなプロパティに対して警告が表示されていました。R2021a では、あいまいなプロパティ名のサポートは削除されています。代わりに正確なプロパティ名を使用してください。
MATLAB Command
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