numerictype オブジェクトの作成
numerictype オブジェクトの構文
numerictype
は fi
オブジェクトのデータ型とスケーリングの属性と、Simulink® の信号パラメーターとモデル パラメーターを定義します。Fixed-Point Designer™ ソフトウェアで numerictype
オブジェクトを作成するには次の 2 つの方法があります。
コンストラクター関数
numerictype
を使用して新しいオブジェクトを作成します。コンストラクター関数
numerictype
を使用して既存のnumerictype
オブジェクトをコピーします。
既定の numerictype
オブジェクトを作成するには、以下を入力します。
T = numerictype
T = DataTypeMode: Fixed-point: binary point scaling Signedness: Signed WordLength: 16 FractionLength: 15
numerictype
オブジェクトの構文をすべて確認するには、コンストラクター関数 numerictype
のリファレンス ページを参照してください。
以下の例で numerictype
オブジェクトを作成するさまざまな方法を示します。numerictype
オブジェクトを作成するその他の例は、コンストラクター関数 numerictype
のリファレンス ページの例を参照してください。
例: プロパティ名とプロパティ値のペアによる numerictype オブジェクトの作成
プロパティ名とプロパティ値のペアを使用して numerictype
オブジェクトを作成する場合、Fixed-Point Designer ソフトウェアは最初に既定の numerictype
オブジェクトを作成し、次に、コンストラクターで指定する各プロパティ名に対して対応する値を割り当てます。
この動作は、コンストラクターでプロパティ値だけを指定する T = numerictype(s,w)
のような構文を使用した場合の動作とは異なります。このような構文を使用すると、既定の numerictype
オブジェクトは作成されず、numerictype
オブジェクトにはコンストラクターで指定したプロパティ値だけが割り当てられます。
次の例でプロパティ名/プロパティ値の構文がどのように numerictype
オブジェクトを作成するかを示します。この例では、両方のコンストラクターで同じプロパティ値を指定した場合でも、プロパティ値の構文とは少し異なるオブジェクトが作成されます。
この違いを示すために、語長 32
ビットの符号なし numerictype
オブジェクトを作成するものとします。
最初に、プロパティ名/プロパティ値のペアを使用して numerictype
オブジェクトを作成します。
T1 = numerictype('Signed',0,'WordLength',32)
T1 = DataTypeMode: Fixed-point: binary point scaling Signedness: Unsigned WordLength: 32 FractionLength: 15
numerictype
オブジェクト T1
は既定の numerictype
オブジェクトと同じ DataTypeMode
と FractionLength
をもっていますが、WordLength
プロパティと Signed
プロパティは指定した値で上書きされます。
次にもう 1 つの符号なし 32
ビットの numerictype
オブジェクトを作成しますが、今度はコンストラクターでプロパティ値だけを指定します。
T2 = numerictype(0,32)
T2 = DataTypeMode: Fixed-point: unspecified scaling Signedness: Unsigned WordLength: 32
T1
とは違い、T2
は指定したプロパティ値だけをもちます。T2
の DataTypeMode
は Fixed-Point: unspecified scaling
で、小数部の長さは割り当てられていません。
fi
オブジェクトは指定されていない numerictype
プロパティをもつことはできません。このため、すべての指定されていない numerictype
オブジェクト プロパティは fi
オブジェクトの作成時に指定されることになります。
例: numerictype オブジェクトのコピー
numerictype
オブジェクトをコピーするには、次のように代入を使用します。
T = numerictype; U = T; isequal(T,U)
ans = logical 1
例: GUI での numerictype オブジェクト コンストラクターの作成
MATLAB® でファイルを操作するとき、[numerictype コンストラクターの挿入] ダイアログ ボックスを使用して numerictype
オブジェクト コンストラクターを作成できます。このダイアログ ボックスで numerictype
オブジェクトのプロパティを指定した後、事前入力されている numerictype
オブジェクト コンストラクターをファイルの特定の場所に挿入できます。
たとえば、2 進小数点スケーリング、語長が 32 ビット、小数部の長さが 30 ビットの符号付き numerictype
オブジェクトを作成します。
[ホーム] タブの [ファイル] セクションで、[新規] 、 [スクリプト] をクリックして MATLAB エディターを開きます。
[エディター] タブのツールストリップの [編集] セクションで、[挿入] ボタン グループの をクリックします。[数値型を挿入] をクリックして [numerictype コンストラクターの挿入] ダイアログ ボックスを開きます。
エディット ボックスとドロップダウン メニューを使用して、
numerictype
オブジェクトの以下のプロパティを指定します。データ型モード:
Fixed-point: binary point scaling
符号属性:
符号付き
語長:
32
小数部の長さ:
30
ファイルに
numerictype
オブジェクト コンストラクターを挿入するには、ファイルの目的の場所にカーソルを置いて、[numerictype コンストラクターの挿入] ダイアログ ボックスで [OK] をクリックします。[OK] をクリックすると [numerictype コンストラクターの挿入] ダイアログ ボックスが閉じて、次のようにファイルにnumerictype
オブジェクト コンストラクターが自動的に入力されます。numerictype(1, 32, 30)