numerictype オブジェクト プロパティ
データ型プロパティとスケーリング プロパティ
numerictype オブジェクトのプロパティはすべて書き込み可能です。ただし、fi オブジェクトが作成された後は、fi オブジェクトの numerictype プロパティは読み取り専用になります。fi オブジェクトの作成時点で指定されていない fi オブジェクトの numerictype プロパティは、自動的に既定値に設定されます。numerictype オブジェクトのプロパティには以下のものがあります。
| プロパティ | 説明 | 有効な値 |
|---|---|---|
Bias | オブジェクトに関連付らけれているバイアス。 傾きとバイアスで、固定小数点数をスケーリングします。 |
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DataType | データ型カテゴリ |
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DataTypeMode | オブジェクトに関連付けられたデータ型およびスケーリング |
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FixedExponent | オブジェクトに関連付けられた固定小数点指数 |
メモ
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FractionLength | 格納整数値の小数部の長さ (ビット単位) |
メモ
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Scaling | オブジェクトのスケーリング モード |
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Signed | オブジェクトが符号付きであるかどうかの指定 メモ
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Signedness | オブジェクトが符号付き、符号なしまたは符号の指定なしのいずれであるかの指定 |
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Slope | オブジェクトに関連付らけれている傾き バイアスと傾きで、固定小数点数をスケーリングします。 |
メモ これらのプロパティの 1 つを変更すると、他のプロパティも変更されます。 |
SlopeAdjustmentFactor | オブジェクトに関連付けられている傾き調整 傾き調整は、固定小数点数の小数部の傾きと同義です。 |
メモ これらのプロパティの 1 つを変更すると、他のプロパティも変更されます。 |
WordLength | 格納整数値の語長 (ビット単位) |
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これらのプロパティの詳細は、Set fi Object Propertiesを参照してください。Fixed-Point Designer™ ソフトウェアにおける numerictype オブジェクトのプロパティの指定方法の詳細については、numerictype オブジェクトのプロパティの設定を参照してください。
プロパティの関連方法
傾きに影響するプロパティ
numerictype オブジェクトの Slope フィールドと、SlopeAdjustmentFactor プロパティおよび FixedExponent プロパティには、次の関係があります。
FixedExponent プロパティと FractionLength プロパティには、次の関係があります。
SlopeAdjustmentFactor プロパティ、FixedExponent プロパティ、または FractionLength プロパティを設定すると、Slope フィールドが変更されます。
格納整数値と実際値
2 進小数点スケーリングでは、numerictype の StoredIntegerValue プロパティと RealWorldValue プロパティには次の関係があります。
[傾きバイアス] スケーリングでは、RealWorldValue は次のように表すことができます。
これは、以下と等価です。
これらのプロパティのいずれかを更新すると、それに合わせて他のプロパティも変更されます。
numerictype オブジェクトのプロパティの設定
オブジェクト作成時の numerictype プロパティの設定
コンストラクター関数 numerictype の引数の後にプロパティを含めると、オブジェクトの作成時に numerictype オブジェクトのプロパティを設定できます。
たとえば、語長 32 ビット、小数部の長さ 30 ビットを設定するには次のようにします。
T = numerictype('WordLength',32,'FractionLength',30)
T =
DataTypeMode: Fixed-point: binary point scaling
Signedness: Signed
WordLength: 32
FractionLength: 30
コマンド ラインで numerictype オブジェクトを作成するだけでなく、[numerictype コンストラクターの挿入] ダイアログ ボックスを使用して numerictype プロパティを設定できます。この方法の例は、例: GUI での numerictype オブジェクト コンストラクターの作成を参照してください。
numerictype オブジェクトにおけるプロパティの直接参照の使用
MATLAB 構造体のような参照を使用すると、プロパティを直接参照して numerictype オブジェクト プロパティの値を設定または取得できます。それにはピリオドを使用してプロパティに名前でインデックスを付けます。
たとえば、T の語長を取得するには次のようにします。
T.WordLength
ans = 32
T の小数部の長さを設定するには次のようにします。
T.FractionLength = 31
T =
DataTypeMode: Fixed-point: binary point scaling
Signedness: Signed
WordLength: 32
FractionLength: 31