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ismaxphase

離散時間フィルター System object が最大位相であることの確認

説明

flag = ismaxphase(sysobj) は、フィルター System object™ が最大位相をもつ場合に true を返します。

flag = ismaxphase(sysobj,tol) は、許容誤差 tol を使用して、2 つの数が等しいと見なせる程度に近づく時点を判別します。tol を指定しない場合は、既定値の eps^(2/3) が使用されます。

flag = ismaxphase(___,Arithmetic=arithType) は、前の構文のいずれかを使用して、入力 arithType で指定された演算に基づいてフィルター System object を解析します。

その他の入力オプションについては、Signal Processing Toolbox™ の ismaxphase を参照してください。

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オールパス フィルターを設計し、フィルターが最大位相をもつかどうかを判別します。

dsp.AllpassFilter System object™ を使用して、最小乗算器構造を使用するオールパス フィルターを設計します。

a = dsp.AllpassFilter
a = 
  dsp.AllpassFilter with properties:

                    Structure: 'Minimum multiplier'
          AllpassCoefficients: [-0.7071 0.5000]
    TrailingFirstOrderSection: false

関数 ismaxphase を使用して、フィルターが最大位相をもつかどうかを判別します。

ismaxphase(a)
ans = logical
   1

z 平面における、フィルター伝達関数の極と零点の位置を確認します。定義上、最大位相フィルターの零点は単位円の外になければなりません。

zplane(a)

Figure Figure 1: Pole-Zero Plot contains an axes object. The axes object with title Pole-Zero Plot, xlabel Real Part, ylabel Imaginary Part contains 3 objects of type line. One or more of the lines displays its values using only markers

入力引数

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2 つの数が等しいと見なせる程度に近づく時点を判別する許容誤差の値。正のスカラーとして指定します。tol を指定しない場合は、既定値の eps^(2/3) が使用されます。

フィルター解析で使用される演算。'double''single'、または 'Fixed' として指定します。演算入力が指定されず、フィルター System object がロック解除状態の場合、解析ツールは倍精度フィルターを使用します。演算入力が指定されず、System object がロックされている場合、関数はロックされた入力のデータ型に基づいて解析を実行します。

'Fixed' 値は、固定小数点プロパティのみをもつフィルター System object に適用されます。

'Arithmetic' 入力引数が 'Fixed' として指定され、フィルター オブジェクトの係数のデータ型が 'Same word length as input' に設定されている場合、演算解析は System object がロック解除されているかロックされているかに応じて異なります。

  • ロック解除 –– 解析オブジェクト関数は係数のデータ型を判断できません。関数は、係数のデータ型が符号付き、16 ビット語長、自動スケーリングであると仮定します。関数は、この仮定に基づいて固定小数点解析を実行します。

  • ロック –– 入力のデータ型が 'double' または 'single' の場合、解析オブジェクト関数は係数のデータ型を判断できません。関数は、係数のデータ型が符号付き、16 ビット語長、自動スケーリングであると仮定します。関数は、この仮定に基づいて固定小数点解析を実行します。

System object がロックされているかロック解除されているかを確認するには、関数 isLocked を使用します。

演算入力が 'Fixed' として指定され、フィルター オブジェクトの係数のデータ型がカスタム数値型に設定されている場合、オブジェクト関数はカスタム数値データ型に基づいて固定小数点解析を実行します。

出力引数

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フィルターが最大位相をもつかどうかを判別するフラグ。logical として返されます。

  • 1 –– フィルターは最大位相をもっています。

  • 0 –– フィルターは非最大位相をもっています。

データ型: logical

詳細

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最大位相フィルター

因果的で安定である離散時間システムは、すべての零点が単位円の外にある場合に "厳密に最大位相である" と言われます。因果的で安定である LTI システムは、その逆が、因果的で不安定である場合に "最大位相" システムとなります。

このようなシステムは、同じ振幅応答をもつ一連のシステムの最大群遅延 (grpdelay) をもつため、"最大位相システム" と呼ばれます。

バージョン履歴

R2013a で導入

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