Ideal Rectangular Pulse Filter
理想的な矩形パルスを用いた入力信号の整形

ライブラリ:
Communications Toolbox /
Comm Filters
説明
Ideal Rectangular Pulse Filter ブロックは、矩形パルスを使用して入力信号のアップサンプリングと整形を行います。このブロックは、入力サンプルの複製後に出力信号の正規化と線形振幅ゲインの適用を行うこともできます。
例
ランプ信号に理想的な矩形フィルター処理を適用します。
cm_ideal_rect_pulse_filter
モデルは、さまざまな正規化手法が適用されたランプ信号をプロットします。このモデルには、ランプ入力信号をフィルター処理するため、[Pulse length (number of samples)] が 4
に設定され、[Pulse delay (number of samples)] が 3
に設定された 3 つのIdeal Rectangular Pulse Filterブロックと、出力信号の 1 つのフレームを表示するように既定値が設定されたArray Plotブロックが含まれています。
フィルターの [線形振幅ゲイン] を 1
に設定してモデルを実行します。フィルター ブロックのパルス遅延が 3
に設定されているため、最初の 3 つのサンプルはゼロになります。
フィルターの [線形振幅ゲイン] を 10
に設定してモデルを実行します。
端子
入力
入力信号。スカラー、列ベクトル、または Ki 行 N 列の行列として指定します。Ki は信号チャネルあたりの入力サンプル数、N は信号チャネルの数です。
データ型: double
| single
| fixed point
出力
出力信号。スカラー、列ベクトルまたは行列として返されます。このブロックは、時間の経過により各チャネルをフィルター処理し、Ko 行 N 列の出力行列を生成します。出力信号のデータ型は、入力信号のデータ型と同じです。
Ko = Ki×L。
N は信号チャネルの数。
Ki は信号チャネルあたりの入力サンプル数。
L は [Pulse length (number of samples)] パラメーターで指定した値。
データ型: double
| single
| fixed point
パラメーター
ブロック パラメーターを対話的に編集するには、プロパティ インスペクターを使用します。Simulink® ツールストリップの [シミュレーション] タブの [準備] ギャラリーで [プロパティ インスペクター] を選択します。
メイン
サンプル単位のパルス長。正の整数として指定します。このブロックは、各入力サンプルを L 回複製します。ここで、L はサンプル単位で指定したパルス長です。
サンプル単位のパルス遅延。非負の整数として指定します。このパラメーターが非ゼロの場合、シミュレーションの開始時にブロックは、その数のゼロを出力してから入力値の複製を開始します。
入力処理の制御。以下のいずれかのオプションを指定します。
チャネルとしての列 (フレーム ベース)
— ブロックは入力の各列を別々のチャネルとして扱います。チャネルとしての要素 (サンプル ベース)
— ブロックは入力の各要素を別々のチャネルとして扱います。
入力信号のアップサンプリングとフィルター処理を行うためのブロック処理レート。以下のいずれかのオプションとして指定します。
シングルレート処理を適用
— このオプションを選択すると、ブロックは入力サンプル レートを維持し、出力フレーム サイズを N 倍に増やすことで信号を処理します。[Allow multirate processing]
— このオプションを選択すると、ブロックは出力サンプル レートが入力サンプル レートより N 倍速くなるよう信号を処理します。
依存関係
[シングルレート処理を適用]
を使用するには、[入力処理] を [チャネルとしての列 (フレーム ベース)]
に設定しなければなりません。
線形振幅ゲインを適用する前に、複製された値のセットをスケーリングするには、このパラメーターを選択します。
正規化方式。[Sum of samples]
または [Energy per pulse]
として指定します。このパラメーターは、複製された値のセットをスケーリングする際にブロックが考慮に入れる量を割り当てます。詳細については、正規化方法を参照してください。
依存関係
このパラメーターは、[Normalize output signal] を選択すると表示されます。
線形ゲイン。正のスカラーとして指定します。このブロックは、指定した線形ゲインの値で出力信号をスケーリングします。詳細については、正規化方法を参照してください。
データ型
固定小数点演算の丸めモードを選択します。固定小数点演算の結果を、データ型で表現できる値に正確にマッピングできない場合、このブロックは丸めモードを使用します。フィルターの係数は、このパラメーターには従いません。これらは常に [Nearest]
に丸められます。詳細については、丸めモードまたは丸めモード: 最も簡潔 (Fixed-Point Designer)を参照してください。
固定小数点演算のオーバーフロー モードを選択します。フィルターの係数は、このパラメーターには従いません。これらは常に飽和します。
フィルター係数 (分子と分母) の語長と小数部の長さを指定します。
[継承: 入力と同じ語長]
を選択すると、フィルターの係数の語長はブロックへの入力の語長と一致します。このモードでは、係数の小数部の長さは 2 進小数点のみのスケーリングに自動的に設定されます。このスケーリングは、与えられた係数の値と語長で最高の精度になります。
このブロックの係数データ型の使用に関する詳細情報および図については、Discrete FIR Filter (Simulink) ブロックのフィルター構造図を参照してください。
フィルター係数は [丸めモード] パラメーターおよび [整数オーバーフローで飽和] パラメーターには従わず、常に飽和して [最も近い正の整数方向]
に丸められます。
データ型の指定に関する詳細については、データ型アシスタントを参照してください。
乗算出力の語長と小数部の長さを指定します。
[継承: 内部ルールによる継承]
を選択すると、ブロックは内部ルールに基づきデータ型を継承します。このルールの詳細については、内部ルールによる継承を参照してください。[継承: 入力と同じ]
を選択すると、これらの特性はブロックへの入力の特性と一致します。
このブロックの乗算出力のデータ型の使用に関する詳細情報および図については、Discrete FIR Filter (Simulink) のフィルター構造図および乗算のデータ型を参照してください。
データ型の指定に関する詳細については、データ型アシスタントを参照してください。
アキュムレータの語長と小数部の長さを指定します。
[内部ルールによる継承]
を選択すると、ブロックは内部ルールに基づきデータ型を継承します。このルールの詳細については、内部ルールによる継承を参照してください。[継承: 入力と同じ]
を選択すると、これらの特性はブロックへの入力の特性と一致します。[継承: 乗算出力と同じ]
を選択すると、これらの特性は乗算出力の特性と一致します。
このブロックのアキュムレータ出力のデータ型の使用に関する詳細情報および図については、Discrete FIR Filter (Simulink) のフィルター構造図および乗算のデータ型を参照してください。
データ型の指定に関する詳細については、データ型アシスタントを参照してください。
出力の語長と小数部の長さを指定します。
[継承: 入力と同じ]
を選択すると、これらの特性はブロックへの入力の特性と一致します。[継承: アキュムレータと同じ]
を選択すると、これらの特性はアキュムレータの特性と一致します。[継承: 乗算出力と同じ]
を選択すると、これらの特性は乗算出力の特性と一致します。
データ型の指定に関する詳細については、データ型アシスタントを参照してください。
ブロック ダイアログ ボックスで指定するデータ型が固定小数点ツールによってオーバーライドされないようにするには、このパラメーターを選択します。詳細については、固定小数点ツール (Fixed-Point Designer)を参照してください。
詳細
[データ型アシスタント] は、データ属性の設定を支援します。[データ型アシスタント] を使用するには、 をクリックします。詳細については、データ型アシスタントを利用したデータ型の指定 (Simulink)を参照してください。
アルゴリズム
[レート オプション] パラメーターを [シングルレート処理を適用]
に設定した場合、ブロックの入力と出力のサンプル レートは同じになります。入力サンプル レートを維持しながら出力を生成するために、ブロックは入力の各列のデータをリサンプリングし、出力のフレーム サイズ (MOut) が入力のフレーム サイズ (MO = MI×L) より L 倍大きくなるようにします。ここで、L は [Pulse length (number of samples)] パラメーターの値です。
[レート オプション] パラメーターを [マルチレート処理を許可]
に設定した場合、ブロックの入力と出力は同じサイズになります。ただし、出力のサンプル レートは入力のサンプル レートよりも L 倍高速になり、出力のサンプル時間は入力のサンプル時間の 1 / L になります。ここで、L は [Pulse length (number of samples)] パラメーターの値です。ブロックがマルチレート処理モードの場合は、[入力処理] パラメーターの値も指定しなければなりません。
[入力処理] パラメーターを
[チャネルとしての要素 (サンプル ベース)]
に設定した場合、ブロックは M 行 N 列の行列入力を (M×N) 個の独立したチャネルとして扱い、各チャネルを順次処理します。出力サンプルの周期 TS_Out は入力サンプルの周期の L 分の 1 になりますが (TS_Out = TS_In / L)、入力と出力のサイズは同一のままです。[入力処理] パラメーターを
[チャネルとしての列 (フレーム ベース)]
に設定した場合、ブロックは MIn 行 N 列の行列入力を N 個の独立したチャネルとして扱います。ブロックは、フレーム サイズを一定に保ち (MIn=MOut)、出力フレームの周期 TF_Out を入力フレームの周期の L 分の 1 にしながら (TF_Out = TF_In / L)、入力の各列を順次処理します。
ブロックの正規化動作は、[Normalize output signal] パラメーターと [線形振幅ゲイン] パラメーターを使用して設定します。
[Normalize output signal] をオフにすると、ブロックは複製された値のセットを [線形振幅ゲイン] パラメーターで乗算します。このパラメーターはスカラーでなければなりません。
[Normalize output signal] を選択すると [正規化方式] パラメーターが表示されます。ブロックは、次のいずれかの条件が満たされるように、複製された値のセットをスケーリングします。
[正規化方式] パラメーターを
[Sum of samples]
に設定した場合、各パルス中のサンプルの合計はブロックが複製した元の入力値と等しくなります。これは、ブロックにおいて振幅 (1 / L) の矩形パルスが使用されるのと同じことになります。ここで、L はパルス長です。[正規化方式] パラメーターを
[Energy per pulse]
に設定した場合、各パルス中のサンプルの 2 乗和は入力値の 2 乗と等しくなります。これは、ブロックにおいて振幅 (1 / √L) の矩形パルスが使用されるのと同じことになります。ここで、L はパルス長です。
ブロックは、[正規化方式] パラメーターで指定されたスケーリングを適用した後、スケーリングを行った信号に対し、[線形振幅ゲイン] パラメーターで指定された定数スカラー値を乗算します。
拡張機能
C/C++ コード生成
Simulink® Coder™ を使用して C および C++ コードを生成します。
バージョン履歴
R2006a より前に導入
MATLAB Command
You clicked a link that corresponds to this MATLAB command:
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