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comm.WINNER2Channel

WINNER II フェージング チャネルによる入力信号のフィルター処理

必要なダウンロード: comm.WINNER2Channel を使用するには、最初に WINNER II Channel Model for Communications Toolbox アドオンをダウンロードします。

説明

comm.WINNER2Channel System object™ は、WINNER II フェージング チャネルによる入力信号をフィルター処理します。オブジェクトは、WINNER II チャネル モデル[1]によって定義され提供される基本モデルを利用します。

WINNER II フェージング チャネルを通して入力信号をフィルター処理するには、次のようにします。

  1. comm.WINNER2Channel オブジェクトを作成し、そのプロパティを設定します。

  2. 関数と同様に、引数を指定してオブジェクトを呼び出します。

System object の機能の詳細については、System object とは を参照してください。

作成

説明

winchannel = comm.WINNER2Channel は、WINNER II フェージング チャネル System object を作成し、単一または複数のリンクをモデル化します。winchannel は、WINNER II 空間チャネル モデル (SCM) を使用して、チャネル係数を生成します。また、各リンクのフェージング チャネルを通じて、実数または複素数の入力信号のフィルター処理も行います。

winchannel = comm.WINNER2Channel(Name,Value) は、名前と値の引数を 1 つ以上使用してプロパティを指定します。たとえば、'NormalizeChannelOutputs','false' は、チャネル出力を正規化しないよう指定します。

winchannel = comm.WINNER2Channel(cfgModel) は、ModelConfig プロパティを cfgModel に設定します。

winchannel = comm.WINNER2Channel(cfgModel,cfgLayout) は、LayoutConfig プロパティを cfgLayout に設定します。

プロパティ

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特に指定がない限り、プロパティは "調整不可能" です。つまり、オブジェクトの呼び出し後に値を変更することはできません。オブジェクトは呼び出すとロックされ、ロックを解除するには関数 release を使用します。

プロパティが "調整可能" の場合、その値をいつでも変更できます。

プロパティ値の変更の詳細については、System object を使用した MATLAB でのシステム設計を参照してください。

WINNER II モデルのパラメーターの構成。構造体として指定します。関数 winner2.wimparset を使用して既定のモデル コンフィギュレーションの構造体を作成することも、手動で作成することもできます。Winner II チャネル モデルのパラメーターの構成には、以下のフィールドが含まれます。

時間サンプルの数。スカラーとして指定します。

メモ

入力信号 (NS) 内のサンプル数が NumTimeSamples と一致しなかった場合、NumTimeSamples は NS と一致するように更新されます。

データ型: double

特定のシナリオに対して事前定義されたパス遅延とパワーを使用するオプション。'no' または 'yes' として指定します。

特定のシナリオに対して事前定義されたパスの発射角 (AoD) と到来角 (AoA) を使用するオプション。'no' または 'yes' として指定します。

リンクごとの最も強力な 2 つのクラスターをそれぞれ 3 つのサブクラスターに分割するオプション。'yes' または 'no' として指定します。

偏波共用アレイを使用するオプション。'yes' または 'no' として指定します。

手動で定義された伝播条件を使用するオプション。'yes' または 'no' として指定します。PropagConditionVector フィールドの手動で定義された伝播条件 (LOS または NLOS) の使用を強制するには、このフィールドを 'yes' に設定します。事前定義した LOS 確率から伝播条件を引き出すには、このフィールドを 'no' に設定します。

搬送周波数 (Hz)。スカラーで指定します。

データ型: double

等間隔時間サンプリングを強制するオプション。'no' または 'yes' として指定します。

半波長あたりの時間サンプルの数。スカラーとして指定します。

データ型: double

サンプリング間隔。入力信号のサンプル時間を秒単位で示すスカラーとして指定します。DelaySamplingInterval は、パス遅延を丸めるサンプリング グリッドを定義します。

  • 0 秒の値は、パス遅延が丸められていないことを示しています。チャネルのフィルター処理を実行すると、オブジェクトは DelaySamplingInterval0 に設定して元のパス遅延を取得します。

  • DelaySamplingInterval の非ゼロの値はすべて無視されます。具体的には、DelaySamplingInterval 値の倍数に丸められておらず非ゼロの値のパスが遅延します。

データ型: double

シャドウ フェージングを使用するオプション。'no' または 'yes' として指定します。

パス損失モデルを使用するオプション。'no' または 'yes' として指定します。

パス損失モデル。有効な関数名を表す文字ベクトルとして指定します。パス損失モデルは、WINNER II チャネルアドオンの内部関数 pathloss を使用してパス損失をモデル化します。

依存関係

このプロパティを有効にするには、PathLossModelUsed フィールドを 'yes' に設定します。

データ型: char

壁の材料。'CR_light''CR_heavy''RR_light'、または 'RR_heavy' として指定します。このフィールドは、A1 シナリオの NLOS パス損失計算用の壁の材料を示します。

依存関係

このプロパティを有効にするには、PathLossModelUsed フィールドを 'yes' に設定します。

データ型: char

乱数発生器のシード。スカラーまたは空のかっことして指定します。空のかっこ [] は、グローバル乱数ストリームの使用を示します。

データ型: double

データ型: struct

WINNER II レイアウト パラメーターの構成。構造体として指定します。関数 winner2.layoutparset を使用して既定のレイアウト構成の構造体を作成することも、手動で作成することもできます。Winner II チャネル レイアウトのパラメーターの構成には、以下のフィールドが含まれます。

アクティブな局。アクティブな局のアンテナ アレイを表す構造体の行ベクトルとして指定します。Stationsarrays 入力から作成されます。行の順序によって、最初に基地局 (BS) セクター、次に移動局 (MS) が指定されます。BS セクターと MS の位置は、ランダムに割り当てられます。BS セクターには速度はありません。各 MS には、ランダムに割り当てられた方向で約 1.42 m/s の速度があります。

データ型: struct

セクター数。各 BS 内のセクター数を表すベクトルとして指定します。

データ型: double

BS と MS のペアリング。2 行 NL 列の行列として指定します。NL はモデル化するリンクの数を指定します。BS と MS の行の順序については、Stations フィールドを参照してください。

データ型: double

空間のシナリオ。シナリオ番号の 1 行 NL 列のベクトルとして指定します。既定は 1 で、これはシナリオ A1 を指定します。

このシナリオ番号は {1=A1, 2=A2, 3=B1, 4=B2, 5=B3, 6=B4, 10=C1, 11=C2, 12=C3, 13=C4, 14=D1, 15=D2a} としてマッピングします。

詳細については、『WINNER II Channel Models[1]』の第 2.3 節を参照してください。

伝播条件。1 行 NL 列のベクトルとして指定します。リンクごとに、LOS を 1、NLOS を 0 として指定します。

データ型: double

道幅。道の平均幅 (メートル) を指定する同一の値の 1 行 NL 列のベクトルとして指定します。B1 シナリオと B2 シナリオのパス損失モデルには StreetWidth を使用します。シナリオ番号のマッピングについては、ScenarioVector フィールドを参照してください。

依存関係

このプロパティを有効にするには、PathLossModelUsed フィールドを 'yes' に設定します。

データ型: double

BS から最後の LOS 点までの距離。1 行 NL 列のベクトルとして指定します。B1 シナリオと B2 シナリオのパス損失モデルには Dist1 フィールドを使用します。NaN の既定値は、距離がパス損失関数でランダムに決定されることを示します。シナリオ番号のマッピングについては、ScenarioVector フィールドを参照してください。

詳細については、『WINNER II Channel Models[1]』の図 4-3 を参照してください。

依存関係

このプロパティを有効にするには、PathLossModelUsed フィールドを 'yes' に設定します。

データ型: double

屋内の BS または MS が配置されている階数。1 行 NL 列のベクトルとして指定します。NumFloors フィールドは、A2 シナリオと B4 シナリオのパス損失モデルにのみ使用します。シナリオ番号のマッピングについては、ScenarioVector フィールドを参照してください。

依存関係

このプロパティを有効にするには、PathLossModelUsed フィールドを 'yes' に設定します。

データ型: double

BS と MS の間の透過する階数。1 行 NL 列のベクトルとして指定します。A1 シナリオの NLOS パス損失モデルには NumPenetratedFloors フィールドを使用します。シナリオ番号のマッピングについては、ScenarioVector フィールドを参照してください。

詳細については、『WINNER II Channel Models[1]』の表 4-4 を参照してください。

依存関係

このプロパティを有効にするには、PathLossModelUsed フィールドを 'yes' に設定します。

データ型: double

データ型: struct

チャネル出力を正規化するオプション。'true' または 'false' として指定します。各リンクの MS で受信アンテナの数によってチャネル出力を正規化するには、このプロパティを 'true' に設定します。

詳細については、チャネル パワーを参照してください。

データ型: char | string

使用法

説明

outsignal = winchannel(insignal) は、WINNER II フェージング チャネルを通して入力信号をフィルター処理し、結果の信号を返します。

[outsignal,pathgains] = winchannel(insignal) は、潜在的なフェージング処理のチャネル パス ゲインも返します。

入力引数

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入力信号。NL 行 1 列の cell 配列または NS 行 NT 列の行列として指定します。NL は、winchannel オブジェクトの LayoutConfig プロパティで指定されるリンク数です。insignal 引数の i 番目の要素は、NS 行 NT(i) 列のデータ型 double の行列でなければなりません。

  • NS は生成されるサンプルの数です。これは insignal 引数のすべての要素で同じ値でなければなりません。

  • NT は、winchannel オブジェクトの LayoutConfig プロパティで指定される i 番目のリンクの BS の送信アンテナの数です。

出力引数

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出力信号。NL 行 1 列の cell 配列として返されます。チャネルにリンクが 1 つしかない場合、またはすべてのリンクに同じ数の送信アンテナがある場合、insignal 引数は NS 行 NT 列の行列でなければならず、outsignal 引数の i 番目の要素は NS 行 NR(i) 列の行列です。NR(i) は、winchannel オブジェクトの LayoutConfig プロパティで指定される i 番目のリンクの MS の受信アンテナの数です。

チャネル パス ゲイン。NL 行 1 列の cell 配列として返されます。

pathgains 引数の i 番目の要素は、データ型 double の複素数値から成る NR(i)×NT(i)×NP(i)×NS の配列です。NP(i) は、winchannel オブジェクトの LayoutConfig プロパティで指定される i 番目のリンクのパスの数です。

NR、NT、および NP はリンク固有です。NS はすべてのリンクに対して同じです。

オブジェクト関数

オブジェクト関数を使用するには、System object を最初の入力引数として指定します。たとえば、obj という名前の System object のシステム リソースを解放するには、次の構文を使用します。

release(obj)

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stepSystem object のアルゴリズムの実行
releaseリソースを解放し、System object のプロパティ値と入力特性の変更を可能にします。
resetSystem object の内部状態のリセット

メモ

オブジェクト関数 reset を使用するとき、オブジェクトの ModelConfig.RandomSeed プロパティが空の場合、reset はフィルターのみをリセットします。それ以外の場合、reset はフィルターをリセットし、乱数ストリームを ModelConfig.RandomSeed フィールドの値に再初期化します。

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1 つの BS に 2 つの MS が接続されたシステムをシミュレートします。一方の MS は BS から 8 メートル離れており、もう一方は BS から 20 メートル離れています。2 つのリンクを通してインパルス信号を送信します。MS での受信信号のスペクトルは周波数選択性を示します。

再現できるように乱数発生器のシードを指定します。

rng(100);

フレーム長とサンプル レートを初期化します。

frmLen = 1024;

winner II チャネル レイアウトのパラメーターを構成します。

BSAA = winner2.AntennaArray('UCA',8,0.02);   % UCA-8 antenna array for BS
MSAA1 = winner2.AntennaArray('ULA',2,0.01);  % ULA-2 antenna array for MS
MSAA2 = winner2.AntennaArray('ULA',4,0.005); % ULA-4 antenna array for MS
MSIdx = [2 3]; 
BSIdx = {1};
NL = 2;
maxRange = 100;
rndSeed = 101;
cfgLayout = winner2.layoutparset(MSIdx,BSIdx,NL, ...
   [BSAA,MSAA1,MSAA2],maxRange,rndSeed);

BS と MS の位置を調整します。

cfgLayout.Stations(1).Pos(1:2) = [10, 10];
cfgLayout.Stations(2).Pos(1:2) = [18, 10];  % 8 meters away from BS
cfgLayout.Stations(3).Pos(1:2) = [22, 26];  % 20 meters away from BS

両方のリンクに NLOS を指定します。

cfgLayout.Pairing = [1 1; 2 3];
cfgLayout.PropagConditionVector = [0 0];

winner II チャネル モデルのパラメーターを構成します。

cfgModel = winner2.wimparset;
cfgModel.NumTimeSamples = frmLen;     % Frame length
cfgModel.IntraClusterDsUsed = 'no';   % No cluster splitting
cfgModel.SampleDensity = 2e5;         % For lower sample rate
cfgModel.PathLossModelUsed = 'yes';   % Turn on path loss
cfgModel.ShadowingModelUsed = 'yes';  % Turn on shadowing

WINNER II フェージング チャネル System object を作成します。

winChannel = comm.WINNER2Channel(cfgModel,cfgLayout);

システム情報を取得します。

chanInfo = info(winChannel)
chanInfo = struct with fields:
               NumLinks: 2
          NumBSElements: [8 8]
          NumMSElements: [2 4]
               NumPaths: [16 16]
             SampleRate: [1.0000e+07 1.0000e+07]
     ChannelFilterDelay: [7 7]
    NumSamplesProcessed: 0

送信機の数とシステムのサンプル レートを取得します。

numTx = chanInfo.NumBSElements(1);
Rs = chanInfo.SampleRate(1);

スペクトル アナライザー System object を作成します。

SA = dsp.SpectrumAnalyzer('SampleRate',Rs, ...
    'YLimits',[-170, -100],'ShowLegend',true, ...
    'ChannelNames',{'MS 1 (8 meters away)','MS 2 (20 meters away)'});

2 つのリンクを通してインパルス信号を渡し、2 つの MS における受信信号のスペクトルを表示します。

for i = 1:10
    x = [ones(1,numTx); 
    zeros(frmLen-1,numTx)];
    y = winChannel(x);
    SA([y{1}(:,1),y{2}(:,1)]);
end

Figure Spectrum Analyzer contains an axes object and other objects of type uiflowcontainer, uimenu, uitoolbar. The axes object contains 2 objects of type line. These objects represent MS 1 (8 meters away), MS 2 (20 meters away).

詳細

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参照

[1] Kyosti, Pekka, Juha Meinila, et al. WINNER II Channel Models. D1.1.2 V1.2. IST-4–027756 WINNER II, September 2007.

バージョン履歴

R2016b で導入