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comm.OFDMDemodulator

OFDM 法を使用した復調

説明

comm.OFDMDemodulator System object™ は、直交周波数分割多重 (OFDM) 法を使用して時間領域信号を復調します。詳細については、OFDM 復調を参照してください。出力は、対になる comm.OFDMModulator オブジェクトへの入力のベースバンド表現です。

OFDM 信号を復調するには、以下の手順に従います。

  1. comm.OFDMDemodulator オブジェクトを作成し、そのプロパティを設定します。

  2. 関数と同様に、引数を指定してオブジェクトを呼び出します。

System object の機能の詳細については、System object とはを参照してください。

作成

説明

ofdmDemod = comm.OFDMDemodulator は、直交周波数分割復調方式を使用して入力信号を変調する OFDM 復調器 System object を作成します。

ofdmDemod = comm.OFDMDemodulator(Name=Value) は、名前と値の引数を 1 つ以上使用してプロパティを指定します。たとえば、comm.OFDMDemodulator(FFTLength=128) は、全部で 128 個のサブキャリアに対応したオブジェクトを構成します。

ofdmDemod = comm.OFDMDemodulator(odfmMod) は、指定された OFDM 変調器オブジェクトに基づいて、OFDM 復調器オブジェクトのプロパティを設定します。

プロパティ

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特に指定がない限り、プロパティは "調整不可能" です。つまり、オブジェクトの呼び出し後に値を変更することはできません。オブジェクトは呼び出すとロックされ、ロックを解除するには関数 release を使用します。

プロパティが "調整可能" の場合、その値をいつでも変更できます。

プロパティ値の変更の詳細については、System object を使用した MATLAB でのシステム設計を参照してください。

高速フーリエ変換 (FFT) 点の数。正の整数スカラーとして指定します。FFT の長さは、8 以上で、かつサブキャリアの数と等しくなければなりません。

左右のガード バンドに割り当てられるサブキャリアの数。2 行 1 列の整数ベクトルとして指定します。左右のガードバンド サブキャリアの数 [NleftG; NrightG] は、[0,⌊NFFT / 2 ⌋ − 1] の範囲内でなければなりません。ここで、NFFT は、OFDM 信号に含まれるサブキャリアの総数で、FFTLength によって指定されます。詳細については、サブキャリアの割り当て、ガード バンド、およびガード インターバルを参照してください。

null DC サブキャリアを除去するオプション。数値または logical を使用して、0 (false) または 1 (true) として指定します。null DC サブキャリアは、周波数帯域の中心に位置し、次のインデックス値をもちます。

  • NFFT が偶数の場合、(NFFT / 2) + 1。

  • NFFT が奇数の場合、(NFFT + 1) / 2。

NFFT は、OFDM 信号に含まれるサブキャリアの総数で、FFTLength によって指定されます。

パイロット サブキャリアを出力するオプション。数値または logical を使用して、0 (false) または 1 (true) として指定します。このプロパティを設定する場合、次のようになります。

  • false — パイロット情報は出力データに埋め込まれたまま残ります。

  • true — オブジェクトは PilotCarrierIndices で指定されたパイロット サブキャリアを出力データから分離し、復調後のパイロット信号を pilot 出力変数に出力します。

パイロット サブキャリアの位置を表すインデックス。次の範囲の整数要素値から成る列ベクトル、行列、または 3 次元配列として指定します。

[NleftG+1,NFFT/2][NFFT/2+2,NFFTNrightG],

ここで、NFFT はサブキャリアの総数で、FFTLength によって指定されます。また、NleftG と NrightG は左右のガード バンドで、NumGuardBandCarriers によって指定されます。

NPilot 個のパイロット キャリア インデックスを、各シンボルについて同じサブキャリアに割り当てることも、NSym 個の異なるサブキャリアに割り当てることもできます。また、このインデックスを NT 個の送信アンテナに割り当てることができます。

  • パイロット インデックスがすべてのシンボルと送信アンテナで同じ場合、プロパティの次元は NPilot-by-1 になります。

  • パイロット インデックスがシンボルによって異なる場合、プロパティの次元は NPilot-by-NSym になります。

  • 受信信号が 1 つのシンボルと複数の送信アンテナに割り当てられている場合、プロパティの次元は NPilot-by-1-by-NT になります。

  • インデックスがシンボルの数と送信アンテナの数で異なる場合、プロパティの次元は NPilot-by-NSym-by-NT となります。

ヒント

複数の送信アンテナによる送信間の干渉を最小限にするため、各シンボルに割り当てるパイロット インデックスをアンテナ間で一意にしなければなりません。

依存関係

このプロパティは、PilotOutputPort1 に設定した場合に適用されます。

各 OFDM シンボルのサイクリック プレフィックス長。正の整数スカラー、または NumSymbols 個の要素から成る行ベクトルとして指定します。サイクリック プレフィックス長を指定する場合、次のようになります。

  • スカラー — サイクリック プレフィックス長はすべてのアンテナのすべてのシンボルで同じになります。

  • 行ベクトル — サイクリック プレフィックス長をシンボルごとに変えることができますが、アンテナごとに変えることはできません。

オーバーサンプリング係数。正のスカラーとして指定します。オーバーサンプリング係数は次の制約を満たさなければなりません。

  • (OversamplingFactor×FFTLength) は整数値でなければならない。

  • (OversamplingFactor×CyclicPrefixLength) は整数値でなければならない。

ヒント

オーバーサンプリング係数を無理数に設定する場合は、分数値を指定します。たとえば、FFT 長が 12 で、オーバーサンプリング係数が 4/3 の場合、その積は整数の 16 となります。しかし、オーバーサンプリング係数の設定時に 4/31.333 に丸めると、その積が非整数の 15.9960 になり、このコードはエラーとなります。

データ型: double

時間周波数グリッド内の OFDM シンボルの数。正の整数スカラーとして指定します。

OFDM 変調信号の受信に使用される受信アンテナの数。64 以下の正の整数スカラーとして指定します。

使用法

説明

Y = ofdmDemod(X) は、OFDM メソッドを使用して時間領域入力信号を復調し、OFDM 復調されたベースバンド信号を返します。

[Y,pilot] = ofdmDemod(X) は、PilotCarrierIndices プロパティ値によって指定されるサブキャリアの pilot 信号を分離します。この構文を有効にするには、PilotOutputPort プロパティを true に設定します。

入力引数

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OFDM 変調されたベースバンド信号。行列 (NCPTotal + NFFT × NSym)-by-NR として指定します。

  • NCPTotal は、すべてのシンボルのサイクリック プレフィックス長を表します。

  • NFFT は、FFTLength によって決定されるサブキャリアの数を表します。

  • NSym は、NumSymbols によって決定されるシンボルの数を表します。

  • NR は、NumReceiveAntennnas によって決定される受信アンテナの数を表します。

次元はオブジェクト関数 info を使用して決定できます。

データ型: double | single
複素数のサポート: あり

出力引数

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出力ベースバンド信号。入力信号と同じデータ型の行列または NData×NSym×NR の配列として返されます。NR1 である場合、出力は行列に縮小します。

  • NData はデータ サブキャリアの数。詳細については、オブジェクト関数 info を参照してください。

  • NSym はシンボルの数。NumSymbols によって指定される。

  • NR は受信アンテナの数。NumReceiveAntennnas によって指定される。

詳細については、サブキャリアの割り当て、ガード バンド、およびガード インターバルを参照してください。

データ型: double | single
複素数のサポート: あり

パイロット信号。入力信号と同じデータ型の NPilot×NSym×NR の配列として返されます。

  • NPilot は各シンボルのパイロット サブキャリアの数。size(PilotCarrierIndices,1) によって指定される。

  • NSym はシンボルの数。NumSymbols によって指定される。

  • NR は受信アンテナの数。NumReceiveAntennnas によって指定される。

依存関係

この出力を返すには、PilotOutputPort プロパティを true に設定します。

データ型: double | single
複素数のサポート: あり

オブジェクト関数

オブジェクト関数を使用するには、System object を最初の入力引数として指定します。たとえば、obj という名前の System object のシステム リソースを解放するには、次の構文を使用します。

release(obj)

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infoOFDM 復調器の次元情報を提供する
showResourceMappingOFDM の変調器または復調器の System object で作成される OFDM シンボルのサブキャリア マッピングを表示する
stepSystem object のアルゴリズムの実行
releaseリソースを解放し、System object のプロパティ値と入力特性の変更を可能にします。
resetSystem object の内部状態のリセット

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既定のプロパティを使用して OFDM 復調器 System object™ を作成します。プロパティの一部を変更します。オブジェクト関数infoを使用して、オブジェクトの構成を調べます。

ofdmDemod = comm.OFDMDemodulator
ofdmDemod = 
  comm.OFDMDemodulator with properties:

               FFTLength: 64
    NumGuardBandCarriers: [2x1 double]
         RemoveDCCarrier: false
         PilotOutputPort: false
      CyclicPrefixLength: 16
      OversamplingFactor: 1
              NumSymbols: 1
      NumReceiveAntennas: 1

info(ofdmDemod)
ans = struct with fields:
         InputSize: [80 1]
    DataOutputSize: [53 1]

サブキャリアの数、シンボルの数、および受信アンテナの数を変更します。また、パイロット出力を有効にします。

ofdmDemod.FFTLength = 128;
ofdmDemod.PilotOutputPort = 1;
ofdmDemod.NumSymbols = 2;
ofdmDemod.NumReceiveAntennas = 2;

サブキャリアの数とシンボルの数が変更されたことを確認します。オブジェクト関数infoを使用して、入力信号と出力信号の次元を再度調べます。情報構造体にパイロット出力の次元が追加されていることに注意してください。受信アンテナの数が 1 より大きいため、データとパイロット出力の次元は行列ではなく 3 次元配列になっています。

ofdmDemod
ofdmDemod = 
  comm.OFDMDemodulator with properties:

               FFTLength: 128
    NumGuardBandCarriers: [2x1 double]
         RemoveDCCarrier: false
         PilotOutputPort: true
     PilotCarrierIndices: [4x1 double]
      CyclicPrefixLength: 16
      OversamplingFactor: 1
              NumSymbols: 2
      NumReceiveAntennas: 2

info(ofdmDemod)
ans = struct with fields:
          InputSize: [288 2]
     DataOutputSize: [113 2 2]
    PilotOutputSize: [4 2 2]

構成済みの変調器を使用して復調器を作成することで、変調器と復調器のペアを必ず整合させることができます。

4 つの送信アンテナを指定して、OFDM 変調器を作成します。

ofdmMod = comm.OFDMModulator(NumTransmitAntennas=4);

OFDM 変調器を使用して OFDM 復調器を作成します。

ofdmDemod = comm.OFDMDemodulator(ofdmMod);

OFDM 変調器と OFDM 復調器のプロパティを表示し、適用可能なプロパティが一致するか確認します。送信アンテナの数は、受信アンテナの数とは無関係です。

ofdmMod
ofdmMod = 
  comm.OFDMModulator with properties:

               FFTLength: 64
    NumGuardBandCarriers: [2x1 double]
            InsertDCNull: false
          PilotInputPort: false
      CyclicPrefixLength: 16
               Windowing: false
      OversamplingFactor: 1
              NumSymbols: 1
     NumTransmitAntennas: 4

ofdmDemod
ofdmDemod = 
  comm.OFDMDemodulator with properties:

               FFTLength: 64
    NumGuardBandCarriers: [2x1 double]
         RemoveDCCarrier: false
         PilotOutputPort: false
      CyclicPrefixLength: 16
      OversamplingFactor: 1
              NumSymbols: 1
      NumReceiveAntennas: 1

オブジェクト関数showResourceMappingは、送信アンテナごとの時間周波数リソース マッピングを表示します。

OFDM 復調器を作成します。

demod = comm.OFDMDemodulator;

オブジェクト関数 showResourceMapping を使用して OFDM サブキャリア マッピングを表示します。

showResourceMapping(demod)

Figure OFDM Subcarrier Mapping for All Tx Antennas contains an axes object. The axes object with title OFDM Subcarrier Mapping for All Tx Antennas, xlabel OFDM Symbols, ylabel Subcarrier Indices contains an object of type image.

DC サブキャリアを取り除きます。

demod.RemoveDCCarrier = true;

DC サブキャリアを取り除いた後のリソース マッピングを表示します。

showResourceMapping(demod)

Figure OFDM Subcarrier Mapping for All Tx Antennas contains an axes object. The axes object with title OFDM Subcarrier Mapping for All Tx Antennas, xlabel OFDM Symbols, ylabel Subcarrier Indices contains an object of type image.

DC null が挿入され、保護帯域のサブキャリアが 7 つ、パイロット インデックスが異なるシンボルが 2 つある OFDM 変調器を作成します。

ofdmMod = comm.OFDMModulator( ...
    NumGuardBandCarriers=[4; 3], ...
    PilotInputPort=true, ...
    PilotCarrierIndices=cat(2,[12; 26; 40; 54],[11; 27; 39; 55]), ...
    NumSymbols=2, ...
    InsertDCNull=true);

入力データ、パイロットおよび出力データの次元を決定します。

modDim = info(ofdmMod)
modDim = struct with fields:
     DataInputSize: [52 2]
    PilotInputSize: [4 2]
        OutputSize: [160 1]

OFDM 変調器のランダム データ シンボルを生成します。構造体変数 modDim を使用してデータ シンボルの数を決定します。

dataIn = complex( ...
    randn(modDim.DataInputSize),randn(modDim.DataInputSize));

正しい次元をもつパイロット信号を作成します。

pilotIn = complex( ...
    rand(modDim.PilotInputSize),rand(modDim.PilotInputSize));

OFDM 変調をデータ信号とパイロット信号に適用します。

modSig = ofdmMod(dataIn,pilotIn);

OFDM 変調器オブジェクトを使用して、対応する OFDM 復調器を作成します。

ofdmDemod = comm.OFDMDemodulator(ofdmMod);

OFDM 信号を復調し、データ信号とパイロット信号を出力します。

[dataOut,pilotOut] = ofdmDemod(modSig);

入力データ シンボルおよび入力パイロット シンボルが出力データ シンボルおよび出力パイロット シンボルと一致することを確認します。

isSame = (max(abs([dataIn(:) - dataOut(:); ...
    pilotIn(:) - pilotOut(:)])) < 1e-10)
isSame = logical
   1

4 倍のサンプル レートで生成されたデータおよびパイロットの入出力の OFDM 変調信号を、単入力単出力 (SISO) チャネルを通してフィルター処理します。チャネルでフィルター処理した信号を復調し、元の信号と比較します。

3 つのシンボルをもち、シンボルごとに異なるパイロット サブキャリア インデックスとサイクリック プレフィックス長が設定された OFDM 復調器オブジェクトを作成します。

ofdmDemod = comm.OFDMDemodulator( ...
    NumGuardBandCarriers=[9;8], ...
    RemoveDCCarrier=true, ...
    PilotOutputPort=true, ...
    PilotCarrierIndices=[[12;26;40;54],[14;28;38;52],[12;26;40;54]], ...
    CyclicPrefixLength=[16 32 16], ...
    OversamplingFactor=4, ...
    NumSymbols=3);

OFDM 変調器 System object を OFDM 復調器オブジェクト ofdmDemod から作成します。

ofdmMod = comm.OFDMModulator(ofdmDemod);

オブジェクト関数showResourceMappingを使用して、データ、パイロット、ガード バンド、および null 信号について構成されたサブキャリア リソースのマッピングを表示します。オブジェクト関数infoを使用して、入力と出力の次元情報を取得します。

showResourceMapping(ofdmDemod);

Figure OFDM Subcarrier Mapping for All Tx Antennas contains an axes object. The axes object with title OFDM Subcarrier Mapping for All Tx Antennas, xlabel OFDM Symbols, ylabel Subcarrier Indices contains 3 objects of type image, line.

modDim = info(ofdmMod);

ランダム データとパイロットの入力を作成し、QAM 変調を適用します。

M = 16;
xd  = randi([0 M-1],modDim.DataInputSize);
dataIn = qammod(xd,M,UnitAveragePower=true);
xp = randi([0 M-1],modDim.PilotInputSize);
pilotIn = qammod(xp,M,UnitAveragePower=true);

データとパイロットの QAM 信号に対し、OFDM 変調を適用します。AWGN チャネルを通して信号をフィルター処理します。データとパイロットのシンボルを復元するため、OFDM 復調を適用してから QAM 復調を適用します。

modOut = ofdmMod(dataIn,pilotIn);
chanOut = awgn(modOut,20,"measured");
[dataOut, pilotOut] = ofdmDemod(chanOut);
yd = qamdemod(dataOut,M,UnitAveragePower=true);
yp = qamdemod(pilotOut,M,UnitAveragePower=true);

この処理によってデータとパイロットが変わっていないことを確認します。

dataSame = isequal(xd,yd)
dataSame = logical
   1

pilotSame = isequal(xp,yp)
pilotSame = logical
   1

アルゴリズム

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参照

[1] Dahlman, E., S. Parkvall, and J. Skold. 4G LTE/LTE-Advanced for Mobile Broadband.London: Elsevier Ltd., 2011.

[2] Andrews, J. G., A. Ghosh, and R. Muhamed, Fundamentals of WiMAX, Upper Saddle River, NJ: Prentice Hall, 2007.

[3] IEEE Standard 802.16-2017. "Part 16: Air Interface for Broadband Wireless Access Systems." March 2018.

拡張機能

バージョン履歴

R2014a で導入

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