ローカル5Gとは

ローカル5G (Local 5G、Private 5G、プライベート5G) とは、通信事業者 (キャリア) に頼らず、企業や自治体などが「自己の建物内」、「自己の土地内」など限られた範囲で利用可能な独自の5Gネットワークを構築する自営無線です。近年のIoTの普及により、様々なモノ・ヒトがネットワークに接続されるようになっています。アプリケーションごとにネットワークに求められる機能やプライオリティは異なりますが、ローカル5Gを導入することにより、使用用途に合わせたネットワークの構築が可能です。ローカル5Gのネットワークを構築するには、日本ではライセンスが必要で、2019年12月よりライセンスの申請が受け付けられる予定です。また、呼び方や割り当てられる周波数は異なるものの、海外でも同様の概念があり、アメリカ、ドイツ、フランス、イギリスなどでもローカル5Gの活用の検討が進んでいます。

ローカル5Gにより実現される世界

ローカル5Gの周波数

ローカル5Gでは、4.6[GHz] -4.8[GHz]と28.2[GHz]-29.1[GHz]が割り当てられる方向で調整が進んでいます。2019年12月よりライセンスの申請が受け付けられる予定ですが、スタート時は、28.2[GHz]-28.3[GHz]が割当てられることが決まっています。こちらの周波数は、比較的他のシステムとの調整などの検討事項が少ないと思われることが、選択された理由(総務省 ローカル5Gに関わる検討状況等より)です。

ローカル5Gの周波数割り当て

ローカル5Gの免許 (ライセンス)

ローカル5Gのライセンスは、キャリアが取得することはできません。キャリア以外の企業や自治体などが取得できるライセンスになります。これによりローカル5Gは、大企業だけでなく比較的小規模な自治体や団体でも参入がしやすくなります。

ローカル5Gを活用するメリット

セキュリティ

Simを利用することで認証が行えたり、他のネットワークからは切り離されているため、情報漏洩やネットワークへの攻撃も防げます。

カスタマイズ性

それぞれのニーズ (低遅延、広帯域、多接続、低消費電力、etc.) に合わせて、システムを構築できます。

安定性

WiFiや公衆回線などと比較して、低遅延や高速伝送が担保されます。

メンテナンス性

状況によってアンテナの配置換えなど自身でメンテナンスが行えます。

コスト

通信料がかからないため、WiFiのような感覚で使用できます。

ローカル5Gのアプリケーション

遠隔操作

  • 建機:災害直前、直後など危険な場所での作業、時分割でオペレータが異なる機器を操縦など
  • 農機:猛暑日なども温度管理された室内から操縦、自動収穫など

監視システム    

  • スマートファクトリー:工場内機器の自動制御、自動運転、故障予知など
  • 農業:生育状況の確認、収穫時期の見極めなど
  • 防災:土砂崩れや川の増水、決壊などリアルタイム監視など

アミューズメント    

  • 遊園地:待ち時間を考慮したアトラクションの提案、誘導など
  • スタジアム:自由視点映像配信など
  • コンサート会場:講演に関わる関連コンテンツ (ライブ、歌詞) 配信など

ローカル5Gを利用したアプリケーションは、人手不足や、災害現場のような危険な地域での作業など、現在日本が抱える大きな課題解決にもつながると考えられています。

ローカル5Gの活用:隊列走行による特殊技能を持ったオペレータの人手不足解消

ローカル5Gの活用:刈り取った作物を正確に収容することで生産性向上

MATLAB/Simulinkを使ったローカル5G

MathWorksは無線通信設計のためのソリューションを提供しています。5G Toolbox™は、5Gの規格に準拠した信号生成、解析を行うことができます。5G Toolboxは、提供される全ての関数がホワイトボックス化されており、Cコード生成にも対応しています。ローカル5Gは、それぞれのニーズに合ったシステムを作りこめるため、低遅延を優先するのか、広帯域を優先するのかなど、その時々のアプリケーションにより異なりますが、5G Toolboxから提供された関数や、その関数をカスタマイズすることで、シミュレーションモデルの構築を行うことができます。

PDSCH, PDCCH, CORESETのロケーション表示

また、Antenna Toolbox™Communications Toolbox™を使用することで、あらかじめ標高や建物を考慮した電波伝搬のシミュレーションが行えるため、事前にアンテナ配置の最適化も検討することができます。

建物を考慮したレイトレーシング

送信機と受信機間のLoS (Line-of-Sight) プロット

さらに、Phased Array System Toolbox™を使用することで、ビームフォーミングによるアンテナの指向性の制御なども検討できるため、より低消費電力で、効果的なシステムの構築が可能です。

アンテナアレイによるビームフォーミング

参考: Wireless Transceiver, OFDM, 5g

5G テクノロジーの開発