Simulink Requirements
要件の作成、管理、およびモデル、生成コード、テストケースへのトレース
Simulink Requirements™ を使用すると、Simulink® 内での要件の作成、解析、管理ができます。また、カスタム属性を使用したリッチテキストの要件を作成し、それを設計、コード、およびテストにリンクさせることができます。外部ソースから要件をインポートし、要件が変更されると自動通知を受信できます。要件と設計の同時表示、ドラッグ アンド ドロップによるリンクの確立、要件コンテンツによるブロック線図への注釈付け、要件トレーサビリティの解析、要件、設計、生成コード、テスト間の移動が可能です。
リンクされた要件、設計、テストに変更が発生すると、Simulink Requirements に表示されます。要件の実装ステータスおよび検証ステータスが割り出され、プロジェクトの完了度を評価できます。IEC Certification Kit (for ISO 26262 and IEC 61508) および DO Qualification Kit (for DO-178 and DO-254) を通じて、業界標準のサポートが可能です。
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無料リソース
Simulink による検証と妥当性確認の自動化
Simulink での要件の取得
要件とその根拠は、画像、番号付きリスト、箇条書きなどのリッチテキストを使用して記述することができます。ID、キーワード、改訂情報、コメントなどの追加属性を付けることで、要件をさらに詳細に記述することができます。カスタム属性を付けると、独自の要件データ型を使用して要件を拡張できます。
複数のモデルに関するすべての要件の管理
要件エディターでは、複数のモデルに関するすべての要件の表示、作成、および管理ができます。以下のような機能があります。
- 要件の階層を整理するための要件ブラウザー
- プロジェクト全体でリンクを管理するためのリンクビュー
- 要件とリンクの詳細を表示および編集するためのプロパティ インスペクター
- 列表示と並べ替えのカスタマイズ設定
- 大量の要件をフィルタリングするための検索ツール
- レポート生成による要件のドキュメント化
要件、アーキテクチャ、設計の統合ビュー
要件パースペクティブには、Simulink、System Composer、または Stateflow® 内の統合ビューが用意されており、設計作業を行いながら、要件を表示、作成、整理できます。
モデルベースのシステム エンジニアリング サポート
System Composer のアーキテクチャモデル要素を要件に関連付け、アーキテクチャの完全性を評価し、追加の要件を導出
ドラッグ アンド ドロップによるトレーサビリティの確立
要件ブラウザーから要件をドラッグし、Simulink または Stateflow モデルオブジェクトにドロップすることにより、要件と設計の間でリンクを作成できます。モデルオブジェクトにはリンクを示すバッジが表示され、リンクされた要件に移動できます。バッジからモデルブロック線図の要件とそのコネクタを表示することもできます。
IBM Rational DOORS、Microsoft Word、Microsoft Excel などの他のソースから要件を読み取り専用参照としてインポートしたり、Simulink 内でさらに修正を加えたりすることができます。要件交換フォーマット (ReqIF) を使用して、そのフォーマットをサポートするサードパーティ ツールの要件をインポートして操作できます。インポート時には、外部ドキュメントから Simulink Requirements へのフィールドのマッピングを制御できます。外部ドキュメント内のコンテンツと照合するよう、カスタム属性にマッピングされたフィールドのインポートを指定することも可能です。同期操作では、参照対象の要件との整合性が維持されます。要件が変更されると通知が送信され、変更の影響を評価できます。
変更の特定および対応
要件が変更された場合、チーム全体に情報を伝達することで下流工程でのエラーを防ぐことが重要です。各要件とリンクは、変更日の改訂履歴を維持しています。Simulink Requirements は、外部ソースからインポートされた要件を含め、モデルにリンクされた要件の変更を検出するため、設計への変更の影響を評価して適切に対応できます。要件セットで差分抽出を実行し、要件における変更を確認できます。
要件、設計、実装、およびテストからの双方向ナビゲーション用のコード生成ツールやテストツールなど、開発ライフサイクルにおける他のツールとの要件トレーサビリティが提供されます。Simulink Test™ では、テストケース、テストスイート、テストシーケンスを要件とリンクさせ、Simulink モデルまたはテストマネージャーからリンクにアクセスできます。Embedded Coder®、HDL Coder™ 、 Simulink PLC Coder™ から生成されたコードに対して、コード生成レポートから要件へのハイパーリンクを設定できます。このようなリンクは、コード内でコメントラベルとして表されます。コード生成レポートのハイパーリンクを使用すると、コードから要件に直接移動することが可能です。
Simulink モデル要素を IBM® Rational® DOORS® または IBM® Rational® DOORS® Next Generation の要件にリンクしてトレースできます。
DO Qualification Kit (for DO-178 and DO-254) および IEC Certification Kit (for ISO 26262 and IEC 61508) を使用して、トレーサビリティ マトリクス スプレッドシートを生成することにより、要件からモデル、モデルからコードまでの双方向のトレーサビリティ経路とファイル情報を確認できます。
実装ステータスおよび検証ステータスの表示
Simulink Requirements は、Simulink 内で要件の実装ステータスおよび検証ステータスを表示し、実装のギャップ、未達成の要件、設計内のエラーを特定できます。また、実装および検証メトリクスは、設計内で実装済みであり、テストケースに関連付けられた要件の比率のほか、パスしたテストケースの比率を数値化します。
このようなトレーサビリティおよび検証メトリクスにより、モデルベースデザインにおける開発作業の完了度が数値化されます。ステータスに関するメトリクスは、列として、ステータスを示す色で要件ブラウザーに表示されます。子要件をもつ要件は、すべての子要件が実装または検証されるまで完全には実装または検証されません。ステータスの上にマウスカーソルを置くと、その要件および子要件の累積メトリクスが表示されます。ステータスのリンクが欠けている場合、その実装または検証が完了していないことを示します。
モデルに実装されない、または検証されない要件については、正当化情報をリンクさせることができます。たとえば、機能しない要件を正当化情報にリンクさせて、ステータスの絞り込みを行うことができます。一連の共通する正当化情報をモデル内で共有および再利用できます。
要件レポートの生成
レビューとドキュメンテーションについては、リンク、変更情報、実装ステータスと検証ステータスを含む構成可能なレポートを作成することができます。Simulink Report Generator を使用すると、カスタマイズされたレポートを作成することができます。