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File Solid

CAD ファイルから導出された特性をもつ固体

  • File Solid block

ライブラリ:
Simscape / Multibody / Body Elements

説明

File Solid ブロックは、CAD ファイルから導出されたジオメトリ、慣性、色、および基準座標系をもつ固体をモデル化したものです。インポートされた固体の慣性と色は手動で指定できます。File Solid ブロックでは、さまざまな CAD フォーマットを使用して固体をモデル化できます。

サポートされているソフトウェアとファイル形式

CADサポートされているリリース
ACIS2020 まで
Autodesk® Inventor2022 まで
CATIA V44.2.5 まで
CATIA V5V5-6 R2021 まで
CATIA V6V5-6 R2019(R29) まで
Creo-Pro/EPro/Engineer 19.0 ~ Creo 8.0
IGES5.1、5.2、5.3
JTv10.5 まで
NXV11.0 ~ NX 18.0、NX ~ NX12、NX 1847 Series ~ NX 1980 Series
OBJすべてのバージョン
Parasolidv33 まで
PRCすべてのバージョン
Rhino3D4 ~ 7
Solid EdgeV19 ~ 20、ST ~ ST10、2021
SolidWorks®97 ~ 2021
STEPAP 203 E1/E2、AP 214、AP 242
STLすべてのバージョン
U3DECMA-363

メモ

CAD 図面には固体についての必要なデータが含まれていないため、CAD 図面をブロックで読み取ることはできません。

パーツのインポート

File Solid ブロックは、インポートされたパーツを剛体として表します。このブロックでは、CAD ファイルから慣性と色のデータを読み取ることができます。また、インポートされたパーツのそれらの特性は明示的に指定することもできます。詳細については、慣性およびグラフィックスを参照してください。

File Solid ブロックは、原点が重心と一致し、座標軸が基準座標系の座標軸と平行な慣性座標系を使用して、インポートされた固体の慣性を計算します。モーメントと慣性乗積の計算に使用される座標系は CAD ソフトウェアによって異なります。慣性を指定する方法の詳細については、カスタム慣性の指定を参照してください。

慣性の計算

インポートされたボディのジオメトリに従ってブロックで慣性を計算する場合、ブロックのダイアログ ボックスで計算値を確認できます。[Inertia][Derived Values] ノードを展開し、[Update] をクリックします。ジオメトリ、密度、質量に変更がある場合は、[Update] ボタンをクリックして慣性を再計算します。計算値はすべて SI 単位です。

座標系

インポートされたボディは座標系を介して接続されます。既定では、インポートされたボディの基準座標系は端子 R で表されます。基準座標系の位置は CAD ファイルで指定されています。

ボディの別のパーツに接続が必要な場合やボディに複数の接続が必要な場合は、ボディに追加の座標系を作成できます。座標系ごとに、新しい座標系端子がブロックに追加されます。カスタム座標系の作成の詳細については、座標系を参照してください。

アセンブリのインポート

File Solid ブロックは、CAD ファイルで指定されている既定の姿勢を使用して、インポートされたアセンブリを単一の剛体として表します。ブロックは CAD ファイルの拘束をすべて無視し、アセンブリ全体で単一の密度をもつものと仮定します。

[Inertia][Type][Calculate From Geometry] と指定し、[Based On][Density] と指定すると、密度のデータを File Solid ブロックで CAD ファイルから読み取ることができます。密度をブロックで正しく読み取るためには、CAD ファイルにアセンブリ全体の密度がなければならず、すべてのパーツの密度が同じ値であるか未指定であるかのどちらかでなければなりません。それ以外の場合、シミュレーションでエラーが返されます。

インポートされたアセンブリの密度、質量、慣性の各特性は手動で指定できます。処理は単一のパーツの場合と同じです。詳細については、カスタム慣性の指定を参照してください。

小平面、多角形、BRep のモデルなど、さまざまなモデル化方法で表されたパーツをもつアセンブリをインポートできます。ただし、点、エッジ、面などの必要な境界プリミティブがあるのは BRep モデルだけであるため、座標系は BRep モデルで表されたパーツでのみ作成できます。

ジオメトリのエクスポート

File Solid ブロックは、インポートされた CAD ファイルの Simscape Multibody 環境における凸包ジオメトリ表現を生成できます。エクスポートしたジオメトリを空間における接触に使用できます。

次の図に示すように、凸包ジオメトリは実際のジオメトリの近似です。実際のジオメトリに基づいて、質量や慣性などの物理特性がブロックで計算されます。

Illustration of the true geometry and the corresponding convex hull of a body

制限

Mac では、生成されたジオメトリに三角形や頂点が多数含まれていると、可視化ペインの実行が遅くなります。この問題を軽減するには、頂点の数の少ない CAD ファイルを使用します。

端子

座標系

すべて展開する

インポートされた固体のローカル基準座標系。この座標系は固体に対して固定です。この座標系を別のブロックに接続して固体の位置と向きを指定します。

ジオメトリ

すべて展開する

固体のジオメトリを表す凸包。この端子を Spatial Contact Force ブロックに接続して凸包の接触をモデル化します。

依存関係

この端子を有効にするには、[Geometry][Export] を展開し、[Convex Hull] を選択します。

パラメーター

すべて展開する

ジオメトリ

CAD ファイルの名前または CAD ファイルのパス。文字ベクトルとして指定します。ファイル名またはパスにファイル拡張子が含まれない場合、ブロックはファイル タイプを STEP と想定します。ブロックはさまざまなフォーマットの CAD ファイルをサポートしています。サポートされている CAD ファイルのフォーマットのリストについては、サポートされているソフトウェアとファイル形式を参照してください。

CAD ファイルの場所に応じて、これらのメソッドのいずれかを使用して、[ファイル名] を指定します。

場所メソッド
ファイルが、現在の作業フォルダーまたは MATLAB® パスにある

テキスト ボックスにファイル名を入力します。

例: myShape.STEP

ファイルが存在するフォルダーが、現在のフォルダーではなく、MATLAB パス上のフォルダーでもない
  • CAD ファイルの相対パスを入力します。これは現在のフォルダーに対するパスです。

    例: Geometries/myShape.STEP, or ../Geometries/myShape.STEP

  • Browsing for CAD file ボタンをクリックし、CAD ファイルを参照します。

  • CAD ファイルの絶対パスを入力します。

    例: C:/Users/Model/Geometries/myShape.STEP

ヒント

  • 複数のプラットフォームでブロックを使用する場合、または他のユーザーとモデルを共有する場合は、ファイル名または相対パスの使用を検討してください。

  • スラッシュ (/) はどのプラットフォームでも有効な区切り記号です。バックスラッシュ (\) は Microsoft Windows プラットフォームでのみ有効です。

固体ジオメトリ単位のソース。インポート ファイルで指定されている単位を使用する場合は、[From File] を選択します。独自の単位を指定する場合は、[Custom] を選択します。

ジオメトリ ファイルで定義されているジオメトリを解釈する際の長さの単位。単位を変更すると、インポートされるジオメトリのスケールが変更されます。

実際のジオメトリの凸包表現を生成するには、[Convex Hull] を選択します。このパラメーターを選択すると、端子 CH が有効になります。

慣性

使用する慣性パラメーター表現。回転慣性は無視できるものとして集中質量をモデル化するには、[Point Mass] を選択します。慣性モーメントと慣性乗積を指定して分布質量をモデル化するには、[Custom] を選択します。既定の設定の [Calculate from Geometry] では、回転慣性の特性を固体のジオメトリと密度または質量のいずれかからブロックで自動的に計算できます。

慣性の計算で使用するパラメーター。ブロックは、固体のジオメトリと選択されたパラメーターから慣性テンソルを計算します。

  • Density from File: CAD ファイルから取得した密度に基づいてボディの慣性を計算します。密度のデータを含むのは一部の CAD フォーマットだけであることに注意してください。

  • Custom Density: ダイアログ ボックスで指定された密度に基づいてボディの慣性を計算します。

  • Custom Mass: ダイアログ ボックスで指定された質量に基づいてボディの慣性を計算します。

材料の単位体積あたりの質量。質量密度は正の値と負の値をとります。固体ボディの中空の影響をモデル化するには、負の質量密度を指定します。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、次のように設定します。

  1. [Type][Calculate from Geometry]

  2. [Based on][Custom Density]

固体要素による総質量。このパラメーターは正と負をとります。複合ボディ (複数の固体と慣性で構成されるボディ) の中空の影響を取得するには、負の値を使用します。ボディの質量が全体で正になるように注意してください。

ブロックの基準座標系を基準とする重心の [x y z] 座標。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[Type][Custom] に設定します。

慣性モーメント [Ixx Iyy Izz] の 3 要素ベクトル。重心を原点とし、座標軸がブロックの基準座標系と平行な座標系を基準に、慣性モーメントの各要素を指定します。慣性モーメントは慣性テンソルの対角要素です。

(IxxIyyIzz),

ここで、

  • Ixx=m(y2+z2)dm

  • Iyy=m(x2+z2)dm

  • Izz=m(x2+y2)dm

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[Type][Custom] に設定します。

慣性乗積 [Iyz Izx Ixy] の 3 要素ベクトル。重心を原点とし、座標軸がブロックの基準座標系と平行な座標系を基準に、慣性乗積の各要素を指定します。慣性乗積は慣性テンソルの非対角要素です。

(IxyIzxIxyIyzIzxIyz),

ここで、

  • Iyz=myzdm

  • Izx=mzxdm

  • Ixy=mxydm

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[Type][Custom] に設定します。

固体の慣性特性 (質量、重心、慣性モーメント、および慣性乗積) の計算値の表示。[Update] ボタンをクリックすると、固体の特性が計算されて表示されます。常に最新の値が表示されるように、ブロック パラメーターに変更を加えた後は毎回このボタンをクリックしてください。

重心は固体のローカル基準座標系で解決されます。慣性モーメントと慣性乗積は解決の慣性座標系でそれぞれ解決されます。この座標系は、座標軸は基準座標系と平行ですが、原点は固体の重心と一致します。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[Type][Calculate from Geometry] に設定します。

グラフィックス

固体の視覚的表現のタイプ。[From Geometry][Marker]、または [None] として指定します。固体の視覚的表現を表示するには、パラメーターを [From Geometry] に設定します。固体をマーカーとして表現するには、パラメーターを [Marker] に設定します。モデルの可視化で固体を非表示にするには、パラメーターを [None] に設定します。

視覚特性を指定するパラメーター表現。[Diffuse Color][Opacity] を指定するには、[Simple] を選択します。[Specular Color][Ambient Color][Emissive Color][Shininess] など、他の視覚特性を指定するには、[Advanced] を選択します。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[Type][From Geometry] または [Marker] に設定します。

固体の可視化に使用するマーカーの形状。マーカーの動きは固体そのものの動きを反映します。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[Type][Marker] に設定します。

マーカーの幅 (ピクセル)。この幅はズーム レベルでスケーリングされません。マーカーの表示サイズは画面の解像度に部分的に依存することに注意してください。解像度が高いほど、単位長さあたりのピクセル数が多くなり、それによってアイコンが小さくなります。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[Type][Marker] に設定します。

直接白色光の下でのグラフィックスの色。0 ~ 1 のスケールの [R G B] または [R G B A] ベクトルとして指定します。オプションの 4 番目の要素 (A) は色の不透明度を 0 ~ 1 のスケールで指定します。不透明度の要素を省略した場合、値 1 を指定したのと同じになります。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、次のように設定します。

  1. [Type][From Geometry] または [Marker]

  2. [Visual Properties][Simple]

グラフィックスの不透明度。0 ~ 1 の範囲のスカラーとして指定します。スカラー 0 は完全な透明を表し、スカラー 1 は完全な不透明を表します。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、次のように設定します。

  1. [Type][From Geometry] または [Marker]

  2. [Visual Properties][Simple]

拡散反射による光の色。0 ~ 1 の範囲の値をもつ [R,G,B] または [R,G,B,A] ベクトルとして指定します。ベクトルは行ベクトルまたは列ベクトルを使用できます。オプションの 4 番目の要素は色の不透明度を指定します。不透明度の要素を省略した場合、値 1 を指定したのと同じになります。

拡散色は、描画固体の主な色を反射して陰影を付け、描画オブジェクトに立体感を与えます。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、次のように設定します。

  1. [Type][From Geometry] または [Marker]

  2. [Visual Properties][Advanced]

鏡面反射による光の色。0 ~ 1 の範囲の値をもつ [R,G,B] または [R,G,B,A] ベクトルとして指定します。ベクトルは行ベクトルまたは列ベクトルを使用できます。オプションの 4 番目の要素は色の不透明度を指定します。不透明度の要素を省略した場合、値 1 を指定したのと同じになります。このパラメーターは、反射ハイライト (光源からの光の反射によって描画固体上に生じる明るいスポット) の色を変更します。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、次のように設定します。

  1. [Type][From Geometry] または [Marker]

  2. [Visual Properties][Advanced]

周囲光の色。0 ~ 1 の範囲の値をもつ [R,G,B] または [R,G,B,A] ベクトルとして指定します。ベクトルは行ベクトルまたは列ベクトルを使用できます。オプションの 4 番目の要素は色の不透明度を指定します。不透明度の要素を省略した場合、値 1 を指定したのと同じになります。

周囲光は、光源からの直接光ではない、一般的な照明のレベルを表します。周囲光は、何度も反射を繰り返して特定の方向をもたなくなった光で構成されます。このパラメーターを調整して描画固体の影の色を変更できます。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、次のように設定します。

  1. [Type][From Geometry] または [Marker]

  2. [Visual Properties][Advanced]

自己発光による色。0 ~ 1 の範囲の [R,G,B] または [R,G,B,A] ベクトルとして指定します。ベクトルは行ベクトルまたは列ベクトルを使用できます。オプションの 4 番目の要素は色の不透明度を指定します。不透明度の要素を省略した場合、値 1 を指定したのと同じになります。

発光色は、外部のソースからの色ではない、固体自体から放たれているように見える色です。固体に放射色があれば、外部の光源がなくても固体を認識できます。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、次のように設定します。

  1. [Type][From Geometry] または [Marker]

  2. [Visual Properties][Advanced]

鏡面光反射の鮮鋭度。0 ~ 128 のスケールのスカラーの数値として指定します。光沢の値を大きくすると、範囲の狭いシャープなハイライトとなります。値を小さくすると、範囲の広い滑らかなハイライトとなります。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、次のように設定します。

  1. [Type][From Geometry] または [Marker]

  2. [Visual Properties][Advanced]

座標系

選択すると端子 R が表示されます。

[Create] ボタン Create をクリックすると、ボディに付加される新しい座標系を作成するためのペインが開きます。このペインで、座標系の名前、原点、および向きを指定できます。

  • カスタム座標系に名前を付けるには、[Frame Name] パラメーターのテキスト フィールドをクリックします。名前によって、固体ブロックおよび Multibody Explorer[Model Tree] ペインで対応する端子が識別されます。

  • カスタム座標系の [Frame Origin] を選択するには、次のいずれかの方法を使用します。

    • At Reference Frame Origin: 新しい座標系の原点を固体の基準座標系の原点と一致させます。

    • At Center of Mass: 新しい座標系の原点を固体の重心と一致させます。

    • Based on Geometric Feature: 新しい座標系の原点を選択した特徴の中心と一致させます。有効な特徴には、表面、ライン、点があります。可視化ペインから特徴を選択し、[Use Selected Feature] をクリックして原点の位置を確定します。このオプションの下のフィールドに、原点の位置の名前が表示されます。

  • カスタム座標系の向きを定義するには、[Frame Axes] セクションでカスタム座標系の [Primary Axis] および [Secondary Axis] を選択し、それらの向きを指定します。

    次の方法を使用して、主軸と副軸の向きを指定するベクトルを選択します。主軸は、選択したベクトルと平行になり、残る 2 つの座標軸を主軸の法平面に制約します。副軸は、選択したベクトルを法平面上に投影したものと平行になります。

    • Along Reference Frame Axis: 固体の基準座標系の座標軸が選択されます。

    • Along Principal Inertia Axis: 固体の主慣性軸の座標軸が選択されます。

    • Based on Geometric Feature: 固体の選択したジオメトリの特徴に関連付けられたベクトルが選択されます。有効な特徴には、表面とラインがあります。対応するベクトルは、可視化ペインで白の矢印で示されます。可視化ペインから特徴を選択し、[Use Selected Feature] をクリックして選択を確定できます。このオプションの下のフィールドに、選択した特徴の名前が表示されます。

作成済みの座標系。N は、それぞれのカスタム座標系を一意に識別する番号です。

  • 既存のカスタム座標系の名前を編集するには、テキスト フィールドをクリックします。

  • カスタム座標系のその他の項目 (原点や座標軸など) を編集するには、編集ボタン Edit をクリックします。

  • カスタム座標系を削除するには、削除ボタン Delete をクリックします。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[New Frame] をクリックして座標系を作成します。

拡張機能

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C/C++ コード生成
Simulink® Coder™ を使用して C および C++ コードを生成します。

バージョン履歴

R2018b で導入

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