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ロジック アナライザー

時間の経過に沿った遷移と状態の可視化、測定および解析

説明

ロジック アナライザーは、Simulink® モデルの信号と状態を可視化して検査するためのツールです。ロジック アナライザーを使用することで以下が可能です。

  • モデルのデバッグと解析

  • 多数の信号の同時トレースおよび相関

  • タイミング違反の検出と解析

  • システムの実行のトレース

  • トリガーを使用した信号の変化の検出

キーボード ショートカットについては、More をクリックしてください。

キーボード ショートカット

アクション説明次の場合に適用可能
Ctrl+X切り取り波形が選択されている
Ctrl+Cコピー波形が選択されている
Ctrl+V貼り付け波形が選択されている
Delete削除波形が選択されている
Ctrl+-ズーム アウト常時
Shift+Ctrl+-アクティブなカーソルを中心としてズームアウト常時
Ctrl++ズームイン常時
Shift+Ctrl++アクティブなカーソルを中心としてズームアウト常時
Shift+Ctrl+C表示をアクティブなカーソルに移動カーソルが表示範囲内にない場合
Spaceズーム アウト (フル)常時
TabRight Arrow次の遷移デジタル形式の波形が選択されている
Shift+TabLeft Arrow前の遷移デジタル形式の波形が選択されている
Ctrl+Aすべての波形を選択常時
Up Arrow選択されている波形の上にある波形を選択波形が選択されている
Down Arrow選択されている波形の下にある波形を選択波形が選択されている
Ctrl+Up Arrow選択した波形を上に移動波形が選択されている
Ctrl+Down Arrow選択した波形を下に移動波形が選択されている
Escすべての信号の選択を解除波形が選択されている
Page Up上にスクロール常時
Page Down下にスクロール常時
Logic Analyzer app

ロジック アナライザー アプリを開く

Simulink エディター メニューの [シミュレーション] タブでロジック アナライザーのアプリ ボタンをクリックします。ボタンが表示されない場合は、[結果の確認] ギャラリーを展開すると、[信号ログの結果]ロジック アナライザー アプリが見つかります。Simulink セッションを切り替えた後も最後に選択したデータの可視化が保たれます。

参照モデルを可視化するには、参照モデルからロジック アナライザーを開かなければなりません。ロジック アナライザーのツール バーに参照モデルの名前が表示されます。

すべて展開する

ロジック アナライザーでは、可視化するデータを選択する方法がいくつかサポートされています。

  • モデル内の信号を選択します。信号を選択すると、信号線の上に省略記号が表示されます。省略記号の上にカーソルを合わせてオプションを表示し、[データ ログを有効化] オプションを選択します。

  • モデル内の信号を右クリックしてオプション ダイアログ ボックスを開きます。[選択した信号のログ] オプションを選択します。

  • 任意の方法を使用してモデル内の複数の信号線を選択します。たとえば、Shift キーを押しながらクリックして複数の線を個別に選択したり、Ctrl+A キーを押して一度にすべての線を選択したりします。[信号] タブで、[信号のログ] ボタンを選択します。

    Log signals button

ロジック アナライザーでデータを可視化するには、モデルの信号のログ記録を有効にしなければなりません (既定でログ記録はオン)。信号のログ記録を有効にするには、ツールストリップから [モデル設定] を開き、[データのインポート/エクスポート] ペインに移動し、[信号のログ] を選択します。

ロジック アナライザーを開くと、ログ記録用にマークが付けられたすべての信号がリストされます。開いているロジック アナライザーから波形の追加および削除を実行できます。信号を追加または削除しても、ログ記録は無効にならず、ロジック アナライザーから信号が削除されるだけです。

ロジック アナライザーを開いて、波形名をダブルクリックして波形を選択します。[波形] タブから、選択した個々の波形に固有のパラメーターを設定します。グローバル設定よりも、個々の信号に対する設定の方が優先されます。個々の波形パラメーターをグローバル設定に戻すには、[リセット] をクリックします。

  1. ロジック アナライザーを開いて、波形名をクリックして波形を選択します。

  2. ロジック アナライザーのツールストリップで、 をクリックします。ロジック アナライザーから波形が削除されます。

  3. 波形を復元するには、ロジック アナライザーのツールストリップで をクリックします。

    [復元済み波形] という名前のデバイダーがチャネルの下部に追加され、削除したすべての波形がその下に配置されます。

  1. ロジック アナライザーを開いて、[トリガー] タブを選択します。

  2. 信号をトリガーに接続するには、[信号を接続] を選択し、トリガーをオンにする信号を選択します。最大 20 の信号をトリガーに接続できます。各信号はトリガー条件を 1 つのみもつことができます。

  3. 既定の設定では、トリガーは接続された信号の立ち上がりエッジを探します。立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジ、ビット シーケンスまたは比較値を探すようにトリガーを設定できます。トリガー条件を変更するには、[条件設定] を選択します。

    複数の信号をトリガーに追加した場合、[演算子] オプションを使用してトリガー ロジックを制御できます。

    • AND - すべての条件に一致。

    • OR - いずれかの条件に一致。

  4. サンプルをいくつ表示した後でトリガーするかを制御するには、[表示サンプル] オプションを設定します。たとえば、このオプションを 500 に設定すると、ロジック アナライザーは 500 サンプル後にトリガーしようとします。シミュレーションによっては、ロジック アナライザーがトリガー前に表示するサンプルは 500 より多かったり少なかったりします。ただし、500 番目のサンプルの前にこのトリガーが検出された場合でも、ロジック アナライザーはトリガーを表示します。

  5. [表示モード] を使用してトリガー モードを制御します。

    • 1 回のみ - ロジック アナライザーはトリガー条件に一致する最初の場所のみをマークし、ロジック アナライザーへの更新の表示を停止します。トリガーをリセットする場合は、[トリガーをリセット] を選択します。現在のシミュレーション時間に対して、ロジック アナライザーは一致する次のトリガー イベントを表示します。

    • 自動 - ロジック アナライザーはトリガー条件に一致するすべての場所をマークします。

  6. シミュレーションを実行する前に、[トリガーを有効にする] を選択します。青いカーソルが時間 0 として表示されます。次にシミュレーションを実行します。トリガーが検出されると、ロジック アナライザーはその場所をロックされた青いカーソルでマークします。

ロジック アナライザーでは、マルチインスタンスの Model ブロックの単一インスタンスのみをストリーミングできます。同じモデルを複数の異なるウィンドウで開くと、それらのモデルで同じロジック アナライザーが共有されます。この例では、ロジック アナライザーでのログ記録用にマルチインスタンス Model ブロックのインスタンスを選択する方法を示します。

multipleModelInstances モデルを開きます。

open_system('multipleModelInstances')

このモデルには、referencedModel モデルの 3 つのインスタンスが含まれています。

いずれかの Model ブロックをダブルクリックして、3 つすべての Model ブロックが参照するモデルを開きます。

open_system('referencedModel')

参照モデルで、Simulink エディター メニューの [シミュレーション] タブ[結果の確認] ギャラリーを展開し、[ロジック アナライザー] を開きます。ロジック アナライザーのツール バーに referencedModel - [multipleModelInstances] と表示されます。

[ロジック アナライザー] ウィンドウからモデルを実行します。referencedModel の参照バージョンからシミュレーションを実行すると、Simulink で最上位モデル (multipleModelInstances) と参照モデル (referencedModel) が実行されます。ロジック アナライザーに、マルチインスタンス Model ブロックの単一インスタンスが表示されます。

シミュレーションを実行すると、ロジック アナライザーのツール バーに表示されているモデルが実行されます。このモデルが参照モデルである場合、ツール バーには最上位モデルもリストされ、最上位モデルを実行した結果が表示されます。参照モデルの結果を分離して表示するには、参照モデルを最上位モデルとして開かなければなりません。

インスタンスを切り替えるには、Simulink エディター メニューの [シミュレーション] タブから [準備] ギャラリーを展開します。[信号の監視][ノーマル モードの可視性] を選択し、[Model ブロックのノーマル モードの可視性] を開きます。multipleModelInstances を展開し、[Model Instance 3] を選択して [OK] をクリックします。

multipleModelInstances モデルを再実行します。ロジック アナライザーModel Instance 3 のデータが表示されます。

ロジック アナライザーでは、固定小数点と整数の波形をビット拡張できます。

  1. ロジック アナライザーでビットを表示するには、固定小数点または整数の波形の隣にある矢印をクリックします。

    最下位ビットと最上位ビットは、波形名の隣に lsb および msb の表示によってマークされます。

  2. 表示されるビットの順序を反対にするには、[設定] をクリックし、[最初に最下位ビットを表示] を選択します。

  1. プログラミング可能 FIR フィルター モデル (dspprogfirhdl) を開きます。

  2. ロジック アナライザーを開いて、[トリガー] タブを選択します。

  3. トリガーを追加するために、ツールストリップの [信号を接続] を選択して、Write En 書き込みイネーブル信号を接続します。信号名の前にアイコンが表示され、信号がトリガーに接続されたことが示されます。アイコンはトリガーの種類に応じて変化します。

  4. [条件設定] を選択し、Write En 信号のトリガー条件を [立ち下がりエッジ] に変更します。書き込みイネーブル信号が送信されるとトリガーが表示されます。

  5. Write Done 信号をトリガーに接続します。この信号のトリガー条件を既定の設定である [立ち上がりエッジ] のままにします。これで書き込みが完了したときにもトリガーが表示されます。

    [条件設定] ドロップ ダウンを開くと、[演算子] フィールドが表示されます。このフィールドは、複数の信号がトリガーに接続されている場合に表示されます。演算子を [OR] に変更して、書き込みの開始時または完了時にトリガーによってインスタンスが表示されるようにします。

  6. [表示モード][自動] に設定します。この設定により、ロジック アナライザーはトリガー条件が満たされるすべての場所をマークします。

  7. [トリガーを有効にする] を選択してシミュレーションを実行します。

    トリガー条件が満たされるたび、ロジック アナライザーはその時間をロックされた青いカーソルでマークします。マークされたそれぞれの場所で、Write En0Write Done1 です。トリガーによってマークされたそれぞれの場所を調べると、書き込みが送信されるたびに完了もしていることを確認できます。

関連する例

制限

ログ設定

  • コンフィギュレーション パラメーター [データセットのデータをファイルにログ] (Simulink) を有効にすると、ログ データをロジック アナライザーにストリーミングできません。

  • Simulink.sdi.markSignalForStreaming (Simulink) を使用してログ記録用のマークが付けられた信号と、Dashboard Scope (Simulink) で可視化された信号は、ロジック アナライザーには表示されません。

  • [データ ストア データのログ] パラメーターをオンに設定した場合、ロジック アナライザーでは Data Store Memory (Simulink) ブロックの信号を可視化できません。

入力信号の制限

  • ロジック アナライザーでのログ記録用のマークが付けられた信号では、シミュレーション ステップあたりのサンプル数が 8000 未満でなければなりません。

  • ロジック アナライザーではフレームベースの処理はサポートされません。

  • 64 ビット整数および 53 ビットを超える 固定小数点数については、数値が倍精度の最大値より大きい場合、数値間の遷移が正しく表示されない可能性があります。

  • 大きい行列 (500 を超える要素) の場合と 1000 を超える信号があるバスの場合、ロジック アナライザーのパフォーマンスが低下する可能性があります。

  • ロジック アナライザー アプリでは Stateflow データ出力はサポートされません。

  • ロジック アナライザー アプリでは Inf および NaN の値に対する波形は表示されません。

グラフィカル設定

  • シミュレーションの実行中は、トリガーのズーム、パン、変更を行うことはできません。

  • 定数信号を可視化するには、設定で [形式][デジタル] に設定しなければなりません。ログ記録用のマークが付けられた定数は、連続遷移として可視化されます。

Modeサポートあり注意と制限

ノーマル

あり

 

アクセラレータ

あり

ロジック アナライザーを使用して、[シミュレーション モード][アクセラレータ] に設定された Model (Simulink) ブロックの信号を可視化することはできません。

ラピッド アクセラレータ

あり

シミュレーション中にロジック アナライザーでデータは利用できません。

シミュレーション モードがラピッド アクセラレータに設定されたモデルをシミュレートする場合、以下の信号はシミュレーション後にロジック アナライザーで可視化できません。

  • 複数インスタンスのモデル参照信号

  • 非バーチャル バス信号

プロセッサインザループ (PIL)

なし

 

ソフトウェアインザループ (SIL)

なし

 

エクスターナル

なし

 

これらのモードの詳細については、アクセラレータ モードの動作 (Simulink)を参照してください。

バージョン履歴

R2016b で導入

参考

オブジェクト