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受動性および受動性インデックスについて

受動性の制御は、プロセス制御、テレオペレーション、ヒューマンマシン インターフェイスおよびシステム ネットワークなどのアプリケーションにおける安全要件の一部となることがよくあります。システムは、それ自体がエネルギーを生成できず、最初に格納されているエネルギーの放散しかできない場合、"受動的" です。さらに一般的には、平均して、出力 y の増加には入力 u の増加が必要である場合、I/O マップは受動的です。

たとえば、制御信号 (出力) は誤差信号 (入力) と同じ方向に移動するため、PID コントローラーは受動的です。しかし、遅延のある PID コントローラーは受動的ではありません。なぜなら制御信号は、不安定さの原因となる可能性のある、誤差信号と反対の方向に移動するためです。

大部分の物理システムは受動的です。受動性定理によると、2 つの厳格な受動システムの負のフィードバック相互接続は受動的であり安定しています。結果として、受動システムのコントローラーの受動性を強化したり、車の運転手などの受動システムの操作者を "受動化" することが推奨されます。

実際には、受動性は、センサー、アクチュエータおよび通信遅延によってもたらされる位相遅れによって容易に破壊されます。これらの問題は、受動性の過剰または不足、周波数依存の受動性の尺度、および受動性と小さいゲイン プロパティの混合を考慮する、受動性定理の拡張につながっています。

受動システム

すべての入力/出力軌跡 y(t)=Gu(t) が次を満たす場合、線形システム G(s) は受動的です。

0TyT(t)u(t)dt>0,T>0,

ここで、yT(t)y(t) の転置を表します。物理システムの場合、積分は通常、システムに入るエネルギーを表します。したがって受動システムは、エネルギーを消費または放散するだけのシステムです。結果として、受動システムは本来安定しています。

周波数領域では、受動性は以下の "正の実数" 条件と等価です。

G(jω)+GH(jω)>0,ωR.

SISO システムの場合、これは、すべての周波数で Re(G(jω))>0 であるためナイキスト線図全体が右半平面にあるということです。

nyquist(tf([1 3 5],[5 6 1]))

受動システムのナイキスト線図

受動システムには、制御目的にとって重要な、次の特性があります。

未知の特性または可変特性をもつ受動システムを制御する場合は、閉ループの安定性を保証するために受動フィードバックの法則を使用することを推奨します。このタスクは、遅延と大幅な位相遅れによって受動性が破壊されてしまうと、難しくなる場合があります。

方向受動性インデックス

安定性の場合、システムが受動的かどうかを確認するだけでは詳細は把握できません。受動の程度や受動的にならないことの確認が望ましい場合もしばしばあります。また、プラントの受動性の不足がコントローラーの受動性の過剰で補償されたり、その逆があったりもします。したがって、受動性の過剰または不足を測定することが重要であり、このような状況において受動性インデックスを活用します。

さまざまなアプリケーションに対し、さまざまなタイプのインデックスがあります。あるクラスのインデックスは、特定の方向の入力/出力空間において受動性の過剰または不足を測定します。たとえば、入力受動性インデックスは次を満たす最大の ν として定義されます。

0TyT(t)u(t)dt>ν0TuT(t)u(t))dt,

これはすべての軌跡 y(t)=Gu(t) および T>0 について成り立ちます。システム G は ν>0 のとき、"入力で厳密に受動的" (ISP) であり、ν<0 のとき、受動性に不足が生じます。入力受動性インデックスは、システムを受動的にするために必要な最小の静的フィードフォワード アクションに相当するため、入力フィードフォワード受動性 (IFP) インデックスとも呼ばれます。

周波数領域では、入力受動性インデックスは次によって特徴付けられます。

ν=12minωλmin(G(jω)+GH(jω)),

ここで、λmin は最小の固有値を表します。SISO の場合、ν はナイキスト曲線の一番左の点の横座標です。

同様に、出力受動性インデックスは次を満たす最大の ρ として定義されます。

0T(yT(t)u(t)dt>ρ0TyT(t)y(t))dt,

これはすべての軌跡 y(t)=Gu(t) および T>0 について成り立ちます。システム G は ρ>0 のとき、"出力で厳密に受動的" (OSP) であり、ρ<0 のとき、受動性に不足が生じます。出力受動性インデックスは、システムを受動的にするために必要な最小の静的フィードバック アクションに相当するため、出力フィードバック受動性 (OFP) インデックスとも呼ばれます。

周波数領域では、"最小位相" システム G(s) の出力受動性インデックスは次で与えられます。

ρ=12minωλmin(G-1(jω)+G-H(jω)).

SISO の場合、ρG-1(s) のナイキスト曲線の一番左の点の横座標です。

これらの 2 つの概念の組み合わせにより導かれる I/O 受動性インデックスは、次を満たす最大の τ です。

0TyT(t)u(t)dt>τ0T(uT(t)u(t)+yT(t)y(t))dt.

システムは τ>0 において "非常に厳密に受動的" です。より一般的には、方向 δQ のインデックスは次を満たす最大の τ として定義できます。

0TyT(t)u(t)dt>τ0T(y(t)u(t))TδQ(y(t)u(t))dt.

入力、出力、および I/O の受動性インデックスはすべて δQ の特別な選択に対応し、まとめて "方向受動性インデックス" と呼ばれます。getPassiveIndexを使用して、パラメトリック形式または FRD 形式のいずれの線形システムについても、これらのインデックスを計算できます。passiveplotを使用して、入力、出力および I/O の受動性インデックスを周波数の関数としてプロットすることもできます。このプロットにより、どの周波数帯域の受動性がより弱いか、また、より強いかが把握できます。

入力受動性インデックスと出力受動性インデックスが、並列相互接続、直列相互接続、フィードバック相互接続によってどのように伝播するかを定量化する結果は多数あります。フィードバック ループにおいて生じる受動性の不足を補償するのに必要な、入力受動性または出力受動性の過剰を定量化する結果もあります。詳細については、次を参照してください。

相対受動性インデックス

受動性に対する "正の実数" 条件

G(jω)+GH(jω)>0ωR,

これは、次のスモール ゲイン条件と同等になります。

||(I-G(jω))(I+G(jω))-1||<1ωR.

したがって、(I-G)(I+G)-1 のピーク ゲインを受動性の尺度として使用できます。具体的には、次とします。

R:=(I-G)(I+G)-1.

このとき、G が受動的なのは R<1 の場合のみで、R>1 は受動性の不足を示します。R が有限になるのは I+G が最小位相の場合のみであることに注意してください。R"相対受動性インデックス" または R インデックスと呼ばれます。時間領域の場合、R インデックスは次を満たす最小の r>0 です。

0T||y-u||2dt<r20T||y+u||2dt,

これはすべての軌跡 y(t)=Gu(t) および T>0 について成り立ちます。I+G が最小位相の場合、passiveplotを使用して (I-G(jω))(I+G(jω))-1 の主ゲインをプロットできます。このプロットは特異値プロット (sigmaを参照) と全体的に似ており、周波数と方向において受動性の度合いがどのように変化するのかを示します。

次の結果はフィードバック ループのスモール ゲイン定理と類似しています。これは、1 つのシステムにおける受動性の不足を別のシステムにおける受動性の過剰で補償する R インデックスに単純な条件を指定します。

スモール R 定理: G1(s)G2(s) を、受動性 R インデックス R1 および R2 をそれぞれもつ 2 つの線形システムとします。R1R2<1 の場合、G1G2 の負のフィードバック相互接続は安定しています。

参考

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