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受動システムの直列相互接続

この例では、受動システムの直列相互接続のプロパティについて説明します。

受動システムの直列相互接続

2 つのサブシステム G1G2 の直列の相互接続について考えます。相互接続されたシステム H は入力 u から出力 y2 へのマッピングで指定されます。

並列相互接続やフィードバック相互接続とは対照的に、サブシステム G1G2 の受動性は相互接続されたシステム H の受動性を保証しません。以下に例を示します。

G1(s)=5s2+3s+1s2+2s+1,G2(s)=s2+s+5s+0.1s3+2s2+3s+4.

次で確認されるとおり、両方のシステムは受動的です。

G1 = tf([5 3 1],[1,2,1]);
isPassive(G1)
ans = logical
   1

G2 = tf([1,1,5,.1],[1,2,3,4]);
isPassive(G2)
ans = logical
   1

しかし、G1G2 の直列相互接続は受動的ではありません。

H = G2*G1;
isPassive(H)
ans = logical
   0

これは、G2G1 のナイキスト線図が正の実数ではないことを検証して確認されます。

nyquist(H)

Figure contains an axes object. The axes object contains an object of type line. This object represents H.

直列相互接続の受動性インデックス

受動システムの直列相互接続は一般的に受動的ではありませんが、G1G2 の受動性インデックスと、H=G2G1 の受動性インデックスとの間には関係性があります。ν1ν2G1G2 の入力受動性インデックスを表し、ρ1ρ2 で出力受動性インデックスを表します。これらすべてのインデックスが正の場合、直列相互接続 H の入力受動性インデックス ν と出力受動性インデックス ρ は次を満たします。

ν-0.125ρ1ρ2,ρ-0.125ν1ν2.

つまり、H の入力または出力における受動性の不足は、右辺の式を下回りません。詳細については、Arcak, M. および Sontag, E.D. による論文 "Diagonal stability of a class of cyclic systems and its connection with the secant criterion," Automatica, Vol 42, No. 9, 2006, pp. 1531-1537. を参照してください。上記の例でこれらの下限を確認します。

% Output passivity index for G1
rho1 = getPassiveIndex(G1,'output');
% Output passivity index for G2
rho2 = getPassiveIndex(G2,'output');
% Input passivity index for H=G2*G1
nu = getPassiveIndex(H,'input')
nu = -1.2886
% Lower bound
-0.125/(rho1*rho2)
ans = -2.4194

同様に、H の出力受動性インデックスの下限を確認します。

% Input passivity index for G1
nu1 = getPassiveIndex(G1,'input');
% Input passivity index for G2
nu2 = getPassiveIndex(G2,'input');
% Output passivity index for H=G2*G1
rho = getPassiveIndex(H,'output')
rho = -0.6966
% Lower bound
-0.125/(nu1*nu2)
ans = -6.0000

参考

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