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受動システムのフィードバック相互接続

この例では、受動システムのフィードバック相互接続のプロパティについて説明します。

受動システムのフィードバック相互接続

2 つのサブシステム G1G2 のフィードバックでの相互接続について考えます。相互接続されたシステム H は入力 r を出力 y1 にマッピングします。

システム G1G2 がともに受動的である場合、相互接続されたシステム H は受動的となることが保証されます。たとえば次の場合

G1(s)=s2+s+1s2+s+4,G2(s)=s+2s+5.

次で確認されるとおり、両方のシステムは受動的です。

G1 = tf([1,1,1],[1,1,4]); 
isPassive(G1)
ans = logical
   1

G2 = tf([1,2],[1,5]);
isPassive(G2)
ans = logical
   1

したがって、相互接続されたシステムは受動的です。

H = feedback(G1,G2);
isPassive(H)
ans = logical
   1

これは、H のナイキスト線図が正の実数であることを検証して確認されます。

nyquist(H)

Figure contains an axes object. The axes object contains an object of type line. This object represents H.

フィードバック相互接続の受動性インデックス

G1G2 の受動性インデックスと、相互接続されたシステム H の受動性インデックスとの間には関係性があります。ν1ν2G1G2 の入力受動性インデックスを表し、ρ1ρ2 で出力受動性インデックスを表します。すべてのインデックスが正の場合、フィードバック相互接続 H の入力受動性インデックス ν と出力受動性インデックス ρ は次を満たします。

νν1ρ2ν1+ρ2,ρρ1+ν2.

つまり、G1G2 の入出力受動性インデックスから、閉ループ システム H の最小レベルの入出力受動性を一部推測できます。詳細については、Zhu, F.、Xia, M および Antsaklis, P.J. による論文 "Passivity analysis and passivation of feedback systems using passivity indices," American Control Conference , 2014, pp. 1833-1838. を参照してください。入力受動性インデックス ν の下限を確認します。

% Input passivity index for G1
nu1 = getPassiveIndex(G1,'input');
% Output passivity index for G2
rho2 = getPassiveIndex(G2,'output');
% Input passivity index for H
nu = getPassiveIndex(H,'input')
nu = 0.1293
% Lower bound
nu1*rho2/(nu1+rho2)
ans = 7.1402e-11

同様に、H の出力受動性インデックスの下限を確認します。

% Output passivity index for G1
rho1 = getPassiveIndex(G1,'output');
% Input passivity index for G2
nu2 = getPassiveIndex(G2,'input');
% Output passivity index for H
rho = getPassiveIndex(H,'output')
rho = 0.4441
% Lower bound
rho1+nu2
ans = 0.4000

参考

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