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Simulink でのレイズド コサイン フィルターの設計
次の例は、送信機がルート レイズド コサイン フィルターを使用してパルス整形を実行し、対応する受信機が整合フィルターとしてルート レイズド コサイン フィルターを使用する典型的な設定を示しています。この例では、フィルター処理された受信信号からアイ ダイアグラムをプロットします。
次に、モデルで使用されるブロック パラメーターの概要を説明します。
Random Integer Generator、Comm Sources ライブラリの Random Data Sources サブライブラリ内:
[M-ary number] の設定は
16
です。[Sample time] の設定は
1/100
です。[Frame-based outputs] が選択されています。
[Samples per frame] の設定は
100
です。
Modulation の Digital Baseband サブライブラリの AM サブライブラリ内にある Rectangular QAM Modulator Baseband:
[Normalization method] の設定は
[Peak Power]
です。[Peak power] の設定は
1
です。
Comm Filters ライブラリの Raised Cosine Transmit Filter:
[Filter span in symbols] の設定は
8
です。[Rolloff factor] の設定は
0.2
です。
Channels ライブラリ内の AWGN Channel:
[Mode] の設定は
[Signal to noise ratio (SNR)]
です。[SNR] の設定は
40
です。[Input signal power] の設定は
0.0694
です。ルート レイズド コサイン送信フィルターの電力ゲインは です。ここで、N はフィルターのアップサンプリング係数を表します。フィルターの入力信号強度は、0.5556
です。16-QAM の四角形の変調器の [Peak power] は 1 ワットに設定されているので、平均パワーは 0.5556 になります。したがって、フィルターの出力信号強度は、 です。
Comm Filters ライブラリの Raised Cosine Receive Filter:
[Filter span in symbols] の設定は
8
です。[Rolloff factor] は
0.2
に設定されています。
Comm Sinks ライブラリの Eye Diagram:
[Symbols per trace] の設定は
2
です。[Traces to display] の設定は
100
です。
シミュレーションを実行すると次のアイ ダイアグラムが出力されます。アイ ダイアグラムには大きく開いた "目" が 2 つあり、復調する前にフィルター処理した信号をサンプリングするための適切な瞬間を示しています。これにより、受信波形のサンプリング瞬間にシンボル間の干渉がないことが示されます。
この例では、大きい S/N 比により、アイ開口率が大きいアイ ダイアグラムが生成されます。AWGN Channel ブロックで [SNR] パラメーターを減らすと、ダイアグラムの "目" はますます閉じます。