カスタム ツールチェーンの登録
ツールチェーンは、ソース コードをスタティックまたはダイナミック ライブラリまたは実行可能ファイルなどのバイナリ アーティファクトに変換するビルド ツール (ビルド アプリケーション、コンパイラ、リンカー、アーカイバー) のセットを参照します。たとえば、Linux で、gmake
を使用して C ファイルのツールチェーンを呼び出し、ツールチェーン情報を makefile に設定します。C/C++ コード生成では、変更してツールチェーン定義ファイル (M ファイル) から読み込む MATLAB® オブジェクトでツールチェーンを形式的に定義します。ビルド プロセスに強力なカスタマイズを行う場合、独自のツールチェーン定義ファイルを作成して使用します。
MATLAB Coder™ ツールチェーン インフラストラクチャは coder.make.ToolchainInfo
と呼ばれるクラスに基づいています。オブジェクトのインスタンス化では、オブジェクトのプロパティにはビルド ツールへのパス、ビルド ツールを呼び出すコマンドの構文およびコマンドを追加するフラグなどの形式的なツールチェーン情報が格納されます。特定の coder.make.ToolchainInfo
メソッドにより、ツールチェーン オブジェクト プロパティへのアクセスと変更が可能です。コード ジェネレーターは、完成したオブジェクト定義を使用して、ツールチェーンの makefile を作成し呼び出します。
コード生成インフラストラクチャでは、ツールチェーン定義ファイルからツールチェーン オブジェクトを作成すると、それを保存してコード生成のためにオブジェクトを登録します。オブジェクト名をコード生成構成オブジェクトの Toolchain
プロパティに登録します。完全なデモについては、使用例を参照してください。
クラス
coder.make.BuildConfiguration | ビルド構成を表す |
coder.make.BuildItem | ビルド アイテムを表す |
coder.make.BuildTool | ビルド ツールを表す |
coder.make.ToolchainInfo | カスタム ツールチェーンを表す |
トピック
カスタム ツールチェーンの登録の基礎
- カスタム ツールチェーンの登録
サードパーティのソフトウェア ビルド ツールを実行可能ファイルおよびライブラリの作成用に登録します。 - coder.make.ToolchainInfo について
coder.make.ToolchainInfo
は、カスタム ツールチェーンを表します。 - コメント付きのツールチェーン定義ファイル
ツールチェーン定義ファイルを作成します。
一般的なワークフロー
- ツールチェーン定義ファイルの作成および編集
新しいカスタム ツールチェーン用のツールチェーン定義ファイルを作成および編集します。 - ToolchainInfo オブジェクトの作成および検証
ツールチェーン定義ファイルから ToolchainInfo オブジェクトを作成および検証します。 - カスタム ツールチェーンの登録
カスタム ツールチェーンを使用する前に登録します。 - カスタム ツールチェーンの使用
カスタム ツールチェーンを使用して実行可能ファイルまたはライブラリをビルドします。
トラブルシューティング
- カスタム ツールチェーンの検証のトラブルシューティング
検証エラーのトラブルシューティングを行います。 - ワンパス (単一パス) リンカーによるデータの循環依存の防止
StartLibraryGroup
およびEndLibraryGroup
のリンカー命令を使用する。