医用画像解析とは?
医用画像解析は、医用画像から意味のある情報を抽出するプロセスです。多くの場合、計算手法を使用して行われます。医用画像解析のタスクには、2D 画像と 3D ボリュームの可視化と調査、画像データのセグメンテーション、分類、レジストレーション、3D 再構成などがあります。この解析用の画像は、X 線 (2D および 3D)、超音波、コンピューター断層撮影 (CT)、磁気共鳴画像法 (MRI)、核画像 (PET および SPECT)、顕微鏡検査などの医用画像モダリティから取得できます。MATLAB® は医用画像解析のアルゴリズムを構築するための開発環境と、組み込みの解析およびデータアクセス機能を備えています。
医用画像解析は、顕微鏡画像内の細胞のカウントや特定などのタスクを自動化または効率化するために使用できます。たとえば、細胞内のがん性異常の解析や検出への応用が期待できます。反復的または主観的なタスクについて生じがちなヒューマンエラーの除去に利用することも可能です。腫瘍組織と壊死組織のセグメント化や、血管の酸素飽和度の測定を進めることもできます。
一連の MRI 画像から再構築し、臓器機能の計算やその他の診断に活用できます。
医用画像解析のアルゴリズムは、ウェアラブルデバイスから収集したデジタルヘルスデータなど、大量のデータに適用することが可能です。アルゴリズムを病気や健康リスクの管理のほか、健康とウェルビーイングの促進のために活用できます。
MATLAB による医用画像解析
MATLAB を使用すると、以下を行うことができます。
- 2D 画像と 3D ボリュームの可視化と調査
- 極めて大きな多重解像度および高解像度の画像の処理
- 組み込みの画像セグメンテーション アルゴリズムによる医用画像解析のタスクの簡略化
- ディープラーニングの手法を使用した分類
- DICOM 画像の解析、読み込み、可視化、処理
MATLAB では、ボリューム ビューアー アプリを使用して 3D ボリュームデータを調査できます。たとえば、人間の脳の MRI 検査結果をボリュームビューアーに読み込み、脳内にある腫瘍の位置と種類を示すデータを調査することが可能です。
デジタルパソロジーでは、組織スライド全体が画像化およびデジタル化されます。結果として得られるホールスライド画像 (WSI) は極めて高解像度です。WSI はメモリに読み込むことができないため、アウトオブコアの画像処理技術が必要となり、読み取りは簡単ではありません。MATLAB の bigimage
オブジェクトは、このような多重解像度画像を格納および処理できます。
MATLAB には、セグメンテーションのためのアプリが含まれています。たとえば、対話型のイメージの領域分割アプリを使用すると、MRI 画像から骨と軟部組織をセグメント化し、さらに別の手法により調整することも可能です。ボリュームの領域分割アプリは、ボリュームを調査し、ボリューム内のオブジェクトをセグメント化するためのさまざまな方法を提供します。たとえば、脳の大量の MRI 画像を読み込み、スライスごと、または 3D 表現として表示させることができます。その後、3D ボリュームをセグメント化し、脳領域や腫瘍領域にラベル付けできます。
MATLAB では、ディープラーニング手法を使用して、3D 医用画像から脳腫瘍のセマンティック セグメンテーションを行うこともできます。ニューラル ネットワークを設計して学習を行ったり、事前学習済みのネットワークを使用したりすることが可能です。
製品使用例および使い方
ソフトウェア リファレンス
参考: MATLAB and Simulink for Biological Sciences, MATLAB and Simulink for Biotech & Pharmaceutical, MATLAB and Simulink for Medical Devices, MATLAB for Image Processing and Computer Vision, dicom, 医療AI