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線形化のトラブルシューティングの概要

Simulink® モデルを線形化する際に想定どおりの結果が得られない場合、Simulink Control Design™ のトラブルシューティング ツールを使用して、潜在的な線形化問題を診断し修正することができます。"予想される" 線形化結果の定義は、個別のアプリケーションによって異なります。

トラブルシューティングのワークフロー

線形化が成功したかどうかを判定して潜在的な線形化の問題を検出するには、まず線形化されたモデルの方程式と応答プロットをチェックします。

チェックする結果線形化が成功した兆候線形化が失敗した兆候詳細情報

線形解析プロット

時間領域応答のプロット特性 (立上り時間など) と周波数領域応答のプロット特性 (帯域幅など) で、システムの予想されるダイナミクスが表現されている。

応答プロット特性で、システムのダイナミクスが表現されなかった。以下に例を示します。

  • ボード線図のゲインが大きすぎるか小さすぎる。

  • 極-零点プロットに予期せぬ極や零点が含まれる。

モデル線形化器の応答プロットを使用した結果の解析.

線形モデル方程式

  • 状態空間行列が予想どおりの数の状態、入力、および出力をもつ。通常は線形化入力と出力ポイント間のパスがすべてのモデル状態には達しないため、線形化されたモデルでは Simulink モデルよりも状態の数が少ない場合がある。

  • 極と零点が正しい場所にある。

  • ゼロの線形化 (D = 0)

  • 無限の線形化 (D = Inf)

モデル線形化器を使用した線形化されたモデル方程式の表示

線形化されたシステムの応答プロットまたはモデル方程式で、システムの予想されるダイナミクスが表現されない場合は以下をチェックします。

モデルの操作点と解析ポイントが正しいことを確認した後もモデルが予想どおりに線形化されない場合、線形化アドバイザーを使用して線形化の結果をトラブルシューティングすることができます。線形化アドバイザーは、モデル内で線形化の問題が生じる可能性のあるブロックを特定できるトラブルシューティング ツールです。詳細については、一般的な線形化問題の特定と修正を参照してください。

問題が生じる可能性のあるブロックを特定したら、次に線形化アドバイザーを使って個々のブロックの線形化をトラブルシューティングすることができます。詳細については、ブロック線形化のトラブルシューティングを参照してください。

特殊な特性をもつモデルの線形化のトラブルシューティング

一部の Simulink モデルやブロックは、適切に線形化されなかったり、線形化中に特別な考慮事項を必要とします。

モデルの特性線形化についての考慮事項詳細情報
大規模なモデル複雑で大規模なモデルでは、特定のモデル コンポーネントを体系的に線形化できることがあります。その場合は、これらのコンポーネントが予想どおりに線形化されるかをチェックします。モデルの一部を線形化するよう指定
遅延をもつモデルモデルでむだ時間を表すために使用されるメソッドは、線形化の結果に影響することがあります。たとえば、位相の遅れが不十分であることがボード線図で示される場合、モデルのむだ時間のパデ近似が原因となっている可能性があります。
マルチレート モデルサンプル時間とレート変換メソッドが適切でない場合、マルチレート モデルの線形化で良好な結果が得られません。マルチレート モデルの線形化
PWM 信号をもつモデルパルス幅変調信号をもつモデルはその不連続性と高周波数のスイッチング コンポーネントが原因となり、適切に線形化されません。このようなブロックにはカスタムの線形化を指定することを検討してください。 パルス幅変調信号を使用するモデルの設定
Model Reference ブロックをもつモデル線形化は、アクセラレータ シミュレーション モードで実行されるモデル参照ブロックに完全に対応していません。これらのサブシステムは、線形化中にノーマル モードで実行するよう構成してください。モデル参照を含むモデルの線形化
Simscape™ ネットワーク与えられた操作条件において一連のシステム方程式のヤコビアンがゼロである場合、一般に Simscape ネットワークはゼロに線形化されます。Simscape ネットワークの線形化

参考

アプリ

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