むだ時間をもつモデル
おおよそのむだ時間と正確なむだ時間の選択
Simulink® Control Design™ では、連続むだ時間の正確な表現を使用してモデルを線形化するか、パデ近似を使用してモデルを線形化するかを選択できます。線形化時のむだ時間の処理方法は、非線形モデルによって左右されます。
むだ時間をモデル化する Simulink ブロックは次のとおりです。
Transport Delay ブロック
Variable Time Delay ブロック
Variable Transport Delay ブロック
Delay ブロック
Unit Delay ブロック
既定の設定では、線形化は線形モードでむだ時間を表現するためにパデ近似を使用します。
次の場合は、むだ時間の表現にパデ近似を使用してください。
LQR 制御設計や H∞ 制御設計などの高度な制御設計技術を線形プラントに適用する。
最小限の時間で線形モデルを計算する。
次の場合は、正確なむだ時間で線形化を指定してください。
むだ時間の近似計算から発生するエラーを最小化。
Simulink Control Design で PID 調整またはループ整形制御設計法を使用。
モデルに追加の状態が取り込まれないように離散時間モデルを使用。
離散時間遅延は線形化されたモデルの内部遅延と見なされます。このような遅延は、線形化されたモデル内の追加の状態としては表示されません。
むだ時間の正確な表現の指定
モデルを線形化する前に
モデル線形化器で次を行います。
[線形解析] タブで [追加オプション] をクリックします。
[正確な線形化のオプション] ダイアログ ボックスの [線形化] タブで、[正確な遅延をもつ線形モデルを返す] をオンにします。
コマンド ラインで
linearizeOptions
オプション セットを作成し、UseExactDelayModel
を'on'
に設定します。