カスタム ゲージの設計
Circular Gauge ブロック、Horizontal Gauge ブロック、Vertical Gauge ブロックを使用して実際のシステムのディスプレイとそっくりの、または信号をアニメーション化するカスタム ゲージを設計できます。この例では、Vertical Gauge ブロックを使用して温度計を設計し、Circular Gauge ブロックを使用して電流計を設計するための手順を追ったガイダンスを示します。
この例のモデルには、Sine Wave ブロックの出力に接続されているカスタマイズされたゲージがいくつか含まれています。この例では、モデルのキャンバスで gauge ブロックを設計する手順を示します。モデルには、自分で試すことができるカスタマイズされた追加のゲージを含むパネルが含まれています。この例のディレクトリには、ゲージの作成に使用されるすべての SVG イメージが保存されたフォルダーが含まれています。
Vertical Gauge ブロックを使用した温度計の設計
Vertical Gauge ブロックを使用して設計された温度計では、背景イメージを使用して温度計の形状を定義し、Vertical Gauge ブロックの値バーを使用して接続された信号の値をシミュレーション中に示します。パネルの Battery Level ブロックでも同様の設計方針が使用されます。
温度計を設計するには、クイック挿入メニューを使用して Vertical Gauge ブロックをモデルに追加します。
クイック挿入メニューを開くには、キャンバス内をダブルクリックします。
カスタマイズ可能な Vertical Gauge ブロックを検索するには、「
Vertical Gauge
」と入力します。ライブラリ パスが
Simulink/Dashboard/Customizable Blocks
の検索結果を選択します。
Vertical Gauge ブロックの設計を変更するには、設計モードを開始します。
モデル キャンバスで Vertical Gauge ブロックを選択します。
Simulink® ツールストリップで [ゲージ] タブをクリックします。
[ゲージ] タブで [編集] をクリックします。Vertical Gauge ブロックの上にツール バーが表示されます。
プロパティ インスペクターを開くには、ツール バーで [[設計] タブを開く] をクリックします。設計モードで、プロパティ インスペクターの [設計] タブがアクティブになります。
温度計の背景イメージを追加します。
[設計] タブで [背景イメージ] コンポーネントを選択します。
[イメージの選択] セクションで、[+] ボタンをクリックします。
CustomGaugeImages
フォルダー内をナビゲートして、Thermometer.svg
ファイルを選択します。
温度計の設計では、針でなく、値バーを使用して、接続されている信号の値を示します。針のイメージを削除するには、[設計] タブで、[針] コンポーネントを選択します。その後、[イメージの選択] セクションで、[X] ボタンをクリックします。
次に、スケールの範囲、色、位置、およびサイズを調整します。
[設計] タブで、[スケール] コンポーネントを選択します。
[範囲] セクションで、[最大値] を 50 に変更します。
[目盛り] セクションおよび [ラベル] セクションで、[色] を黒に変更して、白の背景で目盛りを見えやすくします。
温度計の背景イメージの白い列内に収まるようにスケールのサイズを変更します。スケールの幅と高さはブロック上で対話的にまたは [設計] タブを使用して調整できます。対話的にサイズを変更する際、"Shift" キーを押しながらブロックの角をドラッグするとスケールの縦横比を維持できます。[設計] タブを使用するには、[サイズと位置] セクションで、[幅] と [高さ] を調整します。
スケールのゼロ ポイントを、背景イメージの赤いエリアの上部に揃えます。
最後に、値バーの幅と色を変更します。
[設計] タブで、[値バー] コンポーネントを選択します。
[値のプレビュー] セクションで、スライダーを調整して、入力値が最小スケール値よりも大きい場合に値バーに表示される値をプレビューします。
[値バー] セクションで、[色] を赤に変更します。
温度計の大部分に収まるように値バーを拡大します。ブロックで対話型コントロールを使用するか、[設計] タブを使用できます。[設計] タブの [値バー] で、[サイズ] を調整します。
値バーの不透明度を下げて、ラベルを読みやすくします。
温度計の設計の調整が完了したら、設計モードを終了するために、プロパティ インスペクターの [設計] タブで [編集] をクリックします。
完成した温度計を使用して信号値を表示できます。このモデルでは、Sine Wave ブロックで温度を表します。
Vertical Gauge ブロックを Sine Wave with Offset
信号に接続します。
Vertical Gauge ブロックを選択します。
ブロックの上に表示される [接続] ボタンをクリックします。
Sine Wave with Offset
信号を選択します。選択した信号の下に表示されるテーブルで
Sine Wave with Offset
オプションを選択します。Simulink ウィンドウの右上隅にある
[X]
をクリックします。
動作する温度計を確認するには、モデルのシミュレーションを実行します。このモデルでは、温度計の流体の動きを確認できるように、シミュレーションのペーシングを使用してモデルの実行速度を低速にします。シミュレーションのペーシングの詳細については、Simulation Pacing Optionsを参照してください。
Circular Gauge ブロックを使用した電流計の設計
Circular Gauge ブロックを使用して設計された電流計では、背景イメージを使用して電流計の外観を定義し、針のイメージと値バーを使用して接続された信号の値をシミュレーション中に示します。パネルの Pressure Gauge ブロックでも同様の設計方針が使用されます。
電流計を設計するには、Circular Gauge ブロックをモデルに追加します。
プロパティ インスペクターで [編集] ボタンを押して [設計] タブを開いていない場合は、次のようにします。
モデル キャンバスで Circular Gauge ブロックを選択します。
Simulink ツールストリップで [ゲージ] タブをクリックします。
[ゲージ] タブで [編集] をクリックします。Circular Gauge ブロックの上にツール バーが表示されます。
プロパティ インスペクターを開くには、ツール バーで [[設計] タブを開く] をクリックします。
電流計の背景イメージを追加します。
[設計] タブで [背景イメージ] コンポーネントを選択します。
[イメージの選択] セクションで、[+] ボタンをクリックします。
Ammeter.svg
ファイルを選択します。
スケールの範囲と色を変更します。
[設計] タブで、[スケール] コンポーネントを選択します。
[範囲] セクションで、[最小値] を
-50
および [最大値] を50
に変更します。[目盛り] セクションおよび [ラベル] セクションで、[色] を黒に変更して、白の背景で目盛りを見えやすくします。
電流計のスケールの始点と終点は水平の十字形上になります。スケールの [開始角度] でスケールの最小値の位置を指定し、スケールの [弧] でスケールの弧の範囲を指定します。いずれも度単位です。[設計] タブの [範囲] で、[開始角度] および [弧] を 180
に変更します。
スケールの位置を調整して、スケール全体が電流計の背景イメージの表示エリア内に収まり、針の中心が半径のほぼ中心に配置されるようにします。
針のイメージを置き換えます。
[設計] タブで、[針] コンポーネントを選択します。
[イメージの選択] セクションで、[+] ボタンをクリックします。
Needle.svg
ファイルを選択します。
針のイメージは黒の直線です。保存されているイメージはブロックのサイズに対して大きすぎるとともに、針はスケール上のゼロ ポイントを指し示していません。針のイメージを回転させるには、ブロック内の針の回転ボタンをクリックします。次に、ブロック内の針つかみハンドルを使用して針のサイズと位置を変更し、針が背景イメージの半径の中心から始まり、スケールの最小値を表すラベルの前で終了するようにします。
値バーをプレビューします。
[値バー] コンポーネントを開きます。
針の動きに合わせて値バーがどのように増加するかを確認するには、[値のプレビュー] セクションでスライダーを動かします。
値バーの増加は原点から始まります。既定では、原点はスケールの最小値です。
原点をゼロに変更します。
[スケール] コンポーネントを開きます。
[範囲] セクションで、[原点] を
0
に設定します。
変更を確認するには、[値バー] コンポーネントを開き、[値のプレビュー] セクションでスライダーを動かします。値バーの増加が新しい原点のゼロから始まります。
電流計の設計の調整が完了したら、設計モードを終了するために、プロパティ インスペクターの [設計] タブで [編集] をクリックします。
完成した電流計を使用して信号値を表示できます。このモデルでは、Sine Wave ブロックで電流計への入力を表します。
Circular Gauge ブロックを Sine Wave
信号に接続します。
Circular Gauge ブロックを選択します。
ブロックの上に表示される [接続] ボタンをクリックします。
Sine Wave ブロック出力信号を選択します。
選択した信号の下に表示されるテーブルで
Sine Wave
オプションを選択します。Simulink ウィンドウの右上隅にある
[X]
をクリックします。
動作する電流計を確認するには、モデルのシミュレーションを実行します。このモデルでは、電流計の針の動きを確認できるように、シミュレーションのペーシングを使用してモデルの実行速度を低速にします。シミュレーションのペーシングの詳細については、Simulation Pacing Optionsを参照してください。
その他のカスタマイズされたゲージの確認
モデルのパネルには、Circular Gauge ブロック、Horizontal Gauge ブロック、Vertical Gauge ブロックを使用して作成されたカスタマイズされたゲージの例が他にも用意されています。パネルの詳細については、Getting Started with Panelsを参照してください。パネルを表示するには、モデルのパネル アイコンをダブルクリックします。パネルをキャンバスにドラッグするか、ウィンドウのサイズを変更してパネルを表示します。ゲージが変更している入力値に対応するかどうかを確認するには、モデルのシミュレーションを実行します。CustomGaugeImages
フォルダーには、各ゲージを作成するために使用される SVG イメージが含まれるので、設計を独自に複製してみることができます。