Dashboard のブロックを使用したモデルの調整と可視化
Dashboard ライブラリ内のブロックは、シミュレーション中およびシミュレーションの一時停止中のモデルの制御と可視化に役立ちます。この例では、フォールトトレラント燃料制御システムのモデル化のモデル例 sldemo_fuelsys
を使用して、Dashboard ブロックの制御および可視化機能を紹介します。モデルを開くには、以下のコマンドを使用します。
openExample('simulink_automotive/ModelingAFaultTolerantFuelControlSystemExample')
メモ
親モデル内の Dashboard ブロックは、参照モデル内にある、またはモデル参照の境界を越える信号および調整可能なパラメーターには接続できません。この制限はサブシステム参照には適用されません。参照モデルおよびサブシステム参照内の Dashboard ブロックは親モデルのシミュレーション時にサポートされません。
モデル内の接続の確認
Dashboard サブシステムには、フォールトトレラント燃料制御装置のモデルで制御および可視化する信号のブロックが含まれています。信号と Dashboard ブロックとの間の接続を確認します。信号または Dashboard ブロックのいずれかをクリックし、接続を強調表示します。
Dashboard サブシステムから、燃料のパネル内で Toggle Switch をクリックします。ブロックの上の省略記号にマウスを合わせ、その上の矢印をクリックすると、接続先のブロックまたは信号に移動します。
モデルの最上位レベルから、air_fuel_ratio
信号をクリックし、Dashboard サブシステム Quarter Gauge と Half Gauge が強調表示されることを確認します。
変化するモデルの状態のシミュレート
Dashboard サブシステムでは、スイッチによりスロットル角度、エンジン速度、EGO、MAP の信号の状態を制御できます。各センサー信号について、スイッチは normal
と fail
を切り替えて、各単一点の障害に対するシステムの応答のシミュレーションを実行できます。シミュレーションの実行前、シミュレーション中、シミュレーションの一時停止中にいずれかのスイッチをクリックすると、モデル内の状態が変化します。
シミュレーションを実行し、各単一点の障害に対する制御システムの応答を確認します。
シミュレーションを開始します。
シミュレーションの実行時にいずれかのスイッチをクリックし、コンポーネントのエラーをシミュレートします。
Dashboard Scope ブロックおよび Gauge ブロックで、各スイッチを切り替えたときの
fuel
信号とair_fuel_ratio
信号の変化を確認します。終了したらシミュレーションを停止します。
信号データを表示する
Dashboard ブロックでは、ゲージ、ランプ、ダッシュボード スコープを使用して信号データを表示できます。次の例では、Dashboard ブロックはシミュレーション中、シミュレーション後、シミュレーションの一時停止中の燃料の入力と空燃比に関する視覚的なフィードバックを提供します。
異なる種類の情報を取得し、より効果的に信号を可視化するには、複数の Dashboard ブロックを単一信号に接続します。たとえば、Gauge ブロック、Quarter Gauge ブロック、Dashboard Scope ブロックを使用して air_fuel_ratio
信号を可視化できます。
この例では、Normal Range というラベルの付いた Quarter Gauge ブロックを使用し、その値が通常の動作範囲内にある間の air_fuel_ratio
の瞬時信号における小さい変動を確認します。Full Range というラベルの付いた Gauge ブロックでは、通常の範囲外にある air_fuel_ratio
の瞬時信号の動作を確認できます。Dashboard Scope ブロックには時間の経過に対する air_fuel_ratio
信号の変化が表示されます。
シミュレーション中にパラメーターを調整する
Dashboard ブロックでは、シミュレーション中にモデルでパラメーターを調整できます。燃料システムのモデル内で調整機能を確認するために、エンジン速度の Toggle Switch ブロックを Knob と置き換えます。
エンジン速度 Toggle Switch を削除します。
Dashboard ライブラリから Knob ブロックを追加します。
Knob ブロックで一時停止すると表示される [接続] ボタンをクリックします。[接続] ボタンをクリックすると Simulink® エディターが接続モードに入り、モデル内で Dashboard ブロックを信号とパラメーターに接続しやすくなります。
モデルの最上位レベルに移動して、Engine Speed ブロックを選択します。Engine Speed ブロックは Constant ブロックであり、このブロックの [定数値] パラメーターは Knob ブロックで調整できます。
Engine Speed ブロックを選択すると、ブロックに関連付けられた調整可能なパラメーターの名前がテーブルに表示されます。
テーブルの
engine_speed
の隣にあるオプション ボタンを選択します。次に、接続モードを終了するには、モデル キャンバスの右上で [終了] ボタンをクリックします。
これで、Knob ブロックが engine_speed
パラメーターに接続されたため、目盛りの間隔と範囲をシミュレーションにとって意味のある値に設定できます。Knob ブロックをダブルクリックして、このブロックのパラメーターにアクセスします。この例では、[Minimum] を 75
に、[Maximum] を 750
に、[Tick Interval] を 75
に設定します。次に、[OK] をクリックします。
モデルをシミュレートし、Knob を使用して engine_speed
パラメーターを調整します。
シミュレーションを開始します。
シミュレーションが実行されたら、Knob 上のポインターをドラッグして
engine_speed
の値を調整します。Knob を使用して
engine_speed
の値を調整すると、Gauge ブロックと Dashboard Scope ブロックに表示されるair_fuel_ratio
値が変化することに注目してください。パラメーターの調整が終了したら、シミュレーションを停止します。