Rate Transition
異なるレートで動作しているブロック間の、データの伝達を処理
ライブラリ:
Simulink /
Signal Attributes
HDL Coder /
Signal Attributes
説明
Rate Transition ブロックは、あるレートで動作しているブロックの出力データを、異なるレートで動作しているブロックの入力に伝達します。ブロックのパラメーターを使用して、データの整合性と、高速応答や省メモリ性がより高い確定的な転送とをトレードします。データの整合性と確定的データ転送の詳細については、Data Transfer Considerations (Simulink Coder)を参照してください。
遷移処理の動作
| 動作 | パラメーター設定 | メモ |
|---|---|---|
| 選択:
|
|
| 選択:
クリア:
|
|
| クリア:
|
|
Rate Transition ブロックの動作は、以下の条件に依存します。
このブロックと接続している端子のサンプル時間 (同期サンプル時間の影響と非同期サンプル時間の影響を参照)
ソースと接続先のサンプル時間に相当するタスクの優先順位 (Sample time propertiesを参照)
モデルが固定ステップ ソルバーまたは可変ステップ ソルバーを指定するかどうか (ソルバーの比較を参照)
モデル コンフィギュレーション パラメーター [デバイス ベンダー] と [デバイス タイプ] の設定 (デバイス構成の効果を参照)。
ブロックのラベル
モデルのブロック線図を更新すると、シミュレーション動作を表すラベルが Rate Transition ブロックに表示されます。
| ラベル | ブロックの動作 |
|---|---|
ZOH | ゼロ次ホールドとして動作 |
1/z | 単位遅延として動作 |
Buf | セマフォの制御で入力を出力にコピー |
Db_buf | ダブル バッファーを使って入力を出力にコピー |
3buf | トリプル バッファーを使って入力を出力にコピー |
Copy | 入力から出力へのプロテクトされていないコピー |
NoOp | 処理しない |
Mixed | 動作が異なる複数のブロックに拡張 |
RT | スケジュール エディターを使用する場合のパーティション間のデータ転送を示します。 詳細については、スケジュール エディターの使用を参照してください。 |
Memory | メモリ モードを示します。ブロックは [確定的にデータ転送を確保 (最大遅延)] がオフの場合にメモリ モードになります。 |
ブロック動作のラベルにより、別々のレートで動作しているタスク間の安全なデータ転送を確保するための方法が理解できます。サンプル時間を示す色を使って、ブロックが埋め合わせる相対的なレートを表示できます (サンプル時間情報の表示を参照)。以下のモデル例を考えてみます。

サンプル時間の色とブロック動作のラベルは、次のことを示しています。
ブロック線図の上部の Rate Transition ブロックは、高速から低速への遷移におけるゼロ次ホールドとして動作する。
ブロック線図の下部の Rate Transition ブロックは、低速から高速への遷移における単位遅れとして動作する。
詳細については、Data Transfer Representation and Processing (Simulink Coder)を参照してください。
同期サンプル時間の影響
次の表は、入力端子と出力端子 (inTs と outTs) のサンプル時間が周期的、つまり同期している場合に各ラベルがどのように表示されるかをまとめたものです。
ブロック設定 | ブロック ラベル | |||
|---|---|---|---|---|
Rate Transition | Rate Transition ブロックの条件 | データの整合性と確定性を伴う | データの整合性のみ | データの整合性と確定性のいずれも伴わない |
(等しい) |
| なし (エラー) |
|
|
|
|
| ||
| なし (エラー) |
| ||
(高速から低速) |
|
| Buf | |
| なし (エラー) | |||
| なし (エラー) | Db_buf | ||
| なし (エラー) | |||
(低速から高速) |
|
| Db_buf | |
| なし (エラー) | |||
| なし (エラー) | |||
| なし (エラー) | |||
KEY
| ||||
メモ
モデル コンフィギュレーション パラメーター [ブロック削減] を選択すると、Copy は NoOp に削減されます。NoOp ラベルの場合、Rate Transition ブロックでのコード生成は行われません。ブロック削減がオンのときにブロックが削減されないようにするには、ブロック出力にテスト ポイントを追加します (テスト ポイントとしての信号の設定を参照)。
非同期サンプル時間の影響
次の表は、入力端子または出力端子 (inTs または outTs) のサンプル時間が周期的でない、つまり非同期の場合に各ラベルがどのように表示されるかをまとめたものです。
ブロック設定 | ブロック ラベル | |||
|---|---|---|---|---|
| データの整合性と確定性を伴う | データの整合性のみ | データの整合性と確定性のいずれも伴わない | ||
|
|
|
| |
| なし (エラー) |
| ||
KEY
| ||||
デバイス構成の効果
モデル コンフィギュレーション パラメーター [デバイス ベンダー] と [デバイス タイプ] の設定によってアトミック データの読み込み操作と保存操作をサポートするハードウェアが指定される場合、コード ジェネレーターは、ターゲット ハードウェアが転送されている信号のデータ型のアトミックな読み込み操作と保存操作をサポートするときに、生成されたレート変換コードを最適化します。コード ジェネレーターは、非同期タスク間のダブルバッファリング コードを単一のメモリ コピーを実行するコードで置き換えることで、ハードウェア データの読み込みおよび保存機能を利用します。
端子
入力
出力
パラメーター
ブロックの特性
データ型 |
|
直達 |
|
多次元信号 |
|
可変サイズの信号 |
|
ゼロクロッシング検出 |
|
拡張機能
バージョン履歴
R2006a より前に導入
参考
トピック
- サンプル時間の指定
- サンプル時間情報の表示
- Data Transfer Representation and Processing (Simulink Coder)