extractBefore

指定した位置の前にある部分文字列を抽出

構文

newStr = extractBefore(str,pat)

newStr = extractBefore(str,pos)

説明

newStr = extractBefore(str,pat) は、str の最初の文字で始まり、pat で指定された部分文字列の前で終わる部分文字列を抽出します。pat が str 内で複数回出現する場合、newStr は、str の先頭から pat の最初の出現までの str です。

str が string 配列または文字ベクトルの cell 配列の場合、extractBefore は str の各要素から部分文字列を抽出します。出力引数 newStr のデータ型は、str と同じです。

newStr = extractBefore(str,pos) は、str の最初の文字で始まり、pos で指定された位置の前で終わる部分文字列を抽出します。

例

部分文字列の前のテキストを選択

string 配列を作成し、部分文字列の前に出現するテキストを選択します。

str = "The quick brown fox"

str = 
"The quick brown fox"

部分文字列 " brown" の前に出現する部分文字列を抽出します。関数 extractBefore はテキストを選択し、出力には " brown" を含めません。

newStr = extractBefore(str," brown")

newStr = 
"The quick"

string 配列の要素から新しい string 配列を作成します。異なる部分文字列を位置として指定する場合、その部分文字列は、str と同じサイズの string 配列または cell 配列に含まれていなければなりません。

str = ["The quick brown fox jumps";"over the lazy dog"]

str = 2×1 string
    "The quick brown fox jumps"
    "over the lazy dog"

newStr = extractBefore(str,[" brown";" dog"])

newStr = 2×1 string
    "The quick"
    "over the lazy"

また、入力 string 配列のすべての要素に適用する位置として、1 つの部分文字列を指定することもできます。

パターンを使用してファイル名の前のパスを抽出する

絶対パスを含むファイル名の string 配列を作成します。

str = ["C:\Temp\MyReport.docx";
       "C:\Data\Experiment1\Trial1\Sample1.csv";
       "C:\Temp\Slides.pptx"]

str = 3×1 string
    "C:\Temp\MyReport.docx"
    "C:\Data\Experiment1\Trial1\Sample1.csv"
    "C:\Temp\Slides.pptx"

パスを抽出するには、最初にパスの最後のファイル名と一致するパターンを作成してから、そのパターンの前にあるパスを抽出します。

絶対パスには、それぞれ "\" 文字が続く任意のテキストで構成された、複数のレベルが含まれる場合があります。したがって、"\" 文字を除く任意の文字と一致するパターンを作成することから始めます。

name = wildcardPattern("Except","\")

name = pattern
  Matching:

    wildcardPattern("Except","\")

次に、"\" 文字と string の末尾との間にある任意の名前と一致するパターンを作成します。関数 textBoundary を使用して string の末尾と一致させます。

pat = "\" + name + textBoundary

pat = pattern
  Matching:

    "\" + wildcardPattern("Except","\") + textBoundary

最後に、extractBefore を呼び出します。

paths = extractBefore(str,pat)

paths = 3×1 string
    "C:\Temp"
    "C:\Data\Experiment1\Trial1"
    "C:\Temp"

pattern オブジェクトを作成する関数の一覧については、patternを参照してください。

位置の前の部分文字列を選択

指定した位置の前の string を作成します。

str = "Edgar Allen Poe"

str = 
"Edgar Allen Poe"

6 番目の文字の前の部分文字列を選択します。

newStr = extractBefore(str,6)

newStr = 
"Edgar"

string 配列の各要素から部分文字列を選択します。数値配列を使用して異なる位置を指定する場合、数値配列は入力 string 配列と同じサイズでなければなりません。

str = ["Edgar Allen Poe";"Louisa May Alcott"]

str = 2×1 string
    "Edgar Allen Poe"
    "Louisa May Alcott"

newStr = extractBefore(str,[6;7])

newStr = 2×1 string
    "Edgar"
    "Louisa"

各要素から部分文字列を選択し、同じ位置を指定します。

newStr = extractBefore(str,12)

newStr = 2×1 string
    "Edgar Allen"
    "Louisa May "

文字ベクトル内の位置の前のテキストを選択

文字ベクトルを作成します。次に、chr の部分文字列である新しい文字ベクトルを作成します。

chr = 'peppers and onions'

chr = 
'peppers and onions'

8 番目の位置の前の部分文字列を選択します。

newChr = extractBefore(chr,8)

newChr = 
'peppers'

部分文字列の前のテキストを選択します。

newChr = extractBefore(chr,' and')

newChr = 
'peppers'

入力引数

str — 入力テキスト

string 配列 | 文字ベクトル | 文字ベクトルの cell 配列

入力テキスト。string 配列、文字ベクトルまたは文字ベクトルの cell 配列として指定します。

pat — 終了位置をマークするテキストまたはパターン

string 配列 | 文字ベクトル | 文字ベクトルの cell 配列 | pattern 配列

抽出されたテキストの終了位置をマークする str 内のテキストまたはパターン。次のいずれかとして指定します。

• string 配列

• 文字ベクトル

• 文字ベクトルの cell 配列

• pattern 配列

関数 extractBefore は抽出された部分文字列から pat を除外します。

str が string 配列または文字ベクトルの cell 配列の場合、str のすべての要素から部分文字列を抽出できます。すべての部分文字列の終了位置が同じであるか、あるいは str の要素ごとに終了位置が異なるかを指定できます。

• 同じ終了位置を指定するには、pat を文字ベクトル、string スカラー、または pattern オブジェクトとして指定します。

• 異なる終了位置を指定するには、pat を string 配列、文字ベクトルの cell 配列、または pattern 配列として指定します。

pos — 終了位置

数値配列

終了位置。数値配列として指定します。

str が string 配列または文字ベクトルの cell 配列の場合、pos は数値スカラーまたは str と同じサイズの数値配列にすることができます。

出力引数

newStr — 出力テキスト

string 配列 | 文字ベクトル | 文字ベクトルの cell 配列

出力テキスト。string 配列、文字ベクトルまたは文字ベクトルの cell 配列として返されます。

拡張機能

tall 配列

メモリの許容量を超えるような多数の行を含む配列を計算します。

extractBefore 関数は tall 配列をサポートしていますが、以下の使用上の注意および制限があります。

• pat が pattern オブジェクトの配列である場合、配列の最初の次元のサイズは 1 でなければなりません。

詳細については、tall 配列を参照してください。

C/C++ コード生成

MATLAB® Coder™ を使用して C および C++ コードを生成します。

使用上の注意および制限:

• str と pat は、string スカラー、文字ベクトル、または 1 つ以下の文字ベクトルを含む cell 配列でなければなりません。

スレッドベースの環境

MATLAB® の backgroundPool を使用してバックグラウンドでコードを実行するか、Parallel Computing Toolbox™ の ThreadPool を使用してコードを高速化します。

この関数はスレッドベースの環境を完全にサポートしています。詳細については、スレッドベースの環境での MATLAB 関数の実行を参照してください。

分散配列

Parallel Computing Toolbox™ を使用して、クラスターの結合メモリ上で大きなアレイを分割します。

使用上の注意および制限:

• pattern オブジェクトはスカラーでなければなりません。

詳細については、分散配列を使用した MATLAB 関数の実行 (Parallel Computing Toolbox)を参照してください。

バージョン履歴

R2016b で導入

参考

split | join | erase | extract | extractAfter | extractBetween | insertAfter | insertBefore | replace | strlength | count | pattern | wildcardPattern | textBoundary

トピック

• string 配列の作成
• テキストの検索と置換
• パターン表現の作成
• 空の string と欠損値のテスト