COM オブジェクト プロパティ
オブジェクト プロパティに用いる MATLAB 関数
プロパティの値を取得できます。場合によっては、値を変更することもできます。また、カスタム プロパティを追加することもできます。
プロパティ名は、大文字と小文字を区別しません。名前が明確な場合はプロパティ名を短縮することができます。
関数 | 説明 |
---|---|
1 つ以上のプロパティとその値をリストします。 | |
1 つ以上のプロパティの値を設定します。 | |
項目が COM オブジェクトのプロパティかどうかを判定します。 | |
カスタム プロパティを COM オブジェクトに追加します。 | |
COM オブジェクトからカスタム プロパティを削除します。 | |
プロパティ値の表示や変更を行うために、プロパティ インスペクターを開きます。 | |
コントロールがある場合は、その組み込みプロパティ ページを表示します。 |
複数のオブジェクトの取り扱い
オブジェクト ハンドルのベクトルを作成してこれらのコマンドをベクトル上で使用することで、複数のオブジェクトで関数 get
および関数 set
を一度に使用することができます。複数のオブジェクトの値を取得または設定するには、関数 get
および関数 set
の関数形式を使用します。たとえば h.propname
のようなドット表記は、スカラー オブジェクトのみに使用します。
プロパティの列挙値
プロパティに使用できる各値にはそれを表現するテキストが割り当てられるため、列挙型によってプロパティを簡単に調べて変更できます。たとえば、Microsoft® Excel® スプレッドシートの DefaultSaveFormat
プロパティの値の 1 つは xlUnicodeText
です。このテキストは 57 のような数値よりも覚えやすくなります。
プロパティ インスペクター
プロパティ インスペクターを使用すると、COM オブジェクトのプロパティにアクセスできます。プロパティ インスペクターを開くには、MATLAB® コマンド ラインから関数 inspect
を使用するか、MATLAB ワークスペース ブラウザーでオブジェクトをダブルクリックします。
たとえば、Excel オブジェクトを作成するとします。このとき、DefaultFilePath
プロパティを既存のフォルダー C:\ExcelWork
に設定します。
h = actxserver('Excel.Application'); h.DefaultFilePath = 'C:\ExcelWork';
オブジェクトのプロパティを表示します。
inspect(h)
変更した DefaultFilePath
プロパティ (C:\ExcelWork
) が見つかるまでスクロール ダウンします。
プロパティ インスペクターを使用して DefaultFilePath
を再度変更し、今回は既存の別のフォルダー MyWorkDirectory
に設定します。これを実行するには、右側にある値を選択して新しい値を入力します。
ここで MATLAB コマンド ウィンドウに戻り、DefaultFilePath
プロパティが予想どおりに変更されたことを確認します。
h.DefaultFilePath
ans = C:\MyWorkDirectory
メモ
MATLAB コマンド ラインでプロパティを変更した場合、変更内容を反映するにはプロパティ インスペクター ウィンドウを更新します。オブジェクト上で関数 inspect
を再度呼び出して、プロパティ インスペクター ウィンドウを更新します。
列挙値
プロパティ値の隣にあるリスト ボタンは、プロパティが列挙値を受け入れていることを示します。この値を表示するには、右側にあるフィールドの任意の場所をクリックします。たとえば、Cursor
プロパティには 4 つの列挙値があります。現在の値 xlDefault
がプロパティ名の隣のフィールドに表示されます。
値を変更するには、リスト ボタンを使用してそのプロパティのオプションを表示し、目的の値をクリックします。
カスタム プロパティ
関数 addproperty
を使用して、独自のプロパティをコントロールのインスタンスに追加できます。
コントロールからカスタム プロパティを取り除くには、関数 deleteproperty
を使用します。
引数を取るプロパティ
一部の COM オブジェクトには入力引数を受け入れるプロパティがあります。内部的には、MATLAB はこれらのプロパティをメソッドとして処理します。これは、プロパティを表示するために (関数 get
ではなく) 関数 methods
または関数 invoke
を使用するということです。