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cost

フィルター System object の実装コストの推定

説明

c = cost(sysobj) は構造体 c を返します。この構造体のフィールドには、フィルター System object™ sysobj を実装するための計算コストに関する情報が格納されます。

c = cost(sysobj,Arithmetic=arithType) は、arithType で指定された演算におけるフィルター System object sysobj のコスト推定 c を返します。

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この例では、dsp.FIRFilter オブジェクトを使用して作成された FIR フィルターを実装するコストを計算する方法を示します。

Fs = 8000; 
Fcutoff = 2000;
firFilt = dsp.FIRFilter('Numerator',designLowpassFIR(FilterOrder=130,CutoffFrequency=Fcutoff/(Fs/2)));
cost(firFilt)
ans = struct with fields:
                  NumCoefficients: 131
                        NumStates: 130
    MultiplicationsPerInputSample: 131
          AdditionsPerInputSample: 130

入力引数

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フィルター解析で使用される演算。'double''single'、または 'Fixed' として指定します。演算入力が指定されず、フィルター System object がロック解除状態の場合、解析ツールは倍精度フィルターを使用します。演算入力が指定されず、System object がロックされている場合、関数はロックされた入力のデータ型に基づいて解析を実行します。

'Fixed' 値は、固定小数点プロパティのみをもつフィルター System object に適用されます。

'Arithmetic' 入力引数が 'Fixed' として指定され、フィルター オブジェクトの係数のデータ型が 'Same word length as input' に設定されている場合、演算解析は System object がロック解除されているかロックされているかに応じて異なります。

  • ロック解除 –– 解析オブジェクト関数は係数のデータ型を判断できません。関数は、係数のデータ型が符号付き、16 ビット語長、自動スケーリングであると仮定します。関数は、この仮定に基づいて固定小数点解析を実行します。

  • ロック –– 入力のデータ型が 'double' または 'single' の場合、解析オブジェクト関数は係数のデータ型を判断できません。関数は、係数のデータ型が符号付き、16 ビット語長、自動スケーリングであると仮定します。関数は、この仮定に基づいて固定小数点解析を実行します。

System object がロックされているかロック解除されているかを確認するには、関数 isLocked を使用します。

演算入力が 'Fixed' として指定され、フィルター オブジェクトの係数のデータ型がカスタム数値型に設定されている場合、オブジェクト関数はカスタム数値データ型に基づいて固定小数点解析を実行します。

出力引数

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コスト推定 c には次のフィールドが含まれます。

推定値

説明

NumCoefficients

フィルター係数の数 (値が 0、1、-1 の係数を除く)

NumStates

フィルター状態の数

MultiplicationsPerInputSample

各入力サンプルに対して実行される乗算演算の数

AdditionsPerInputSample

各入力サンプルに対して実行される加算演算の数

バージョン履歴

R2011a で導入

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