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norm

線形モデルのノルム

説明

n = norm(sys) または n = norm(sys,2) は、線形動的システム モデル sys のインパルス応答の平方根平均二乗を返します。この値は sysH2 ノルムと等価です。

n = norm(sys,Inf) は、sysL ノルムを返します。これは周波数全体での sys の周波数応答のピーク ゲインです。MIMO システムの場合、この量はすべての周波数とすべての入力方向についてのピーク ゲインになります。これは sys の最大特異値のピーク値に対応します。安定なシステムの場合、L ノルムは H ノルムと等価です。詳細については、hinfnorm (Robust Control Toolbox) を参照してください。

[n,fpeak] = norm(sys,Inf) は、ゲインがそのピーク値となる周波数 fpeak も返します。

[n,fpeak] = norm(sys,Inf,tol)L ノルムの相対精度を tol に設定します。

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サンプル時間 0.1 秒で、次の離散時間伝達関数の H2 ノルムと L ノルムを計算します。

sys(z)=z3-2.841z2+2.875z-1.004z3-2.417z2+2.003z-0.5488.

伝達関数の H2 ノルムを計算します。H2 ノルムは sys のインパルス応答の平方根平均二乗です。

sys = tf([1 -2.841 2.875 -1.004],[1 -2.417 2.003 -0.5488],0.1);
n2 = norm(sys)
n2 = 
1.2438

伝達関数の L ノルムを計算します。

[ninf,fpeak] = norm(sys,Inf)
ninf = 
2.5721
fpeak = 
3.0178

sys が安定なシステムなので、ninfsys の周波数応答のピーク ゲインで、fpeak はピーク ゲインが発生する周波数です。getPeakGain を使用してこれらの値を確認します。

[gpeak,fpeak] = getPeakGain(sys)
gpeak = 
2.5721
fpeak = 
3.0178

入力引数

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入力動的システム。任意の SISO または MIMO 線形動的システム モデルまたはモデル配列として指定します。sys は連続時間または離散時間にできます。

H ノルムの相対精度。正の実数のスカラー値として指定します。

出力引数

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sysH2 ノルムまたは L ノルム。スカラーまたは配列として返されます。

  • sys が単一モデルの場合、n はスカラー値になります。

  • sys がモデル配列の場合、nn(k) = norm(sys(:,:,k))sys と同じサイズの配列になります。

ゲインがピーク値 gpeak に達する周波数。実数スカラー値または実数値の配列として返されます。周波数はラジアン/TimeUnit 単位で、sysTimeUnit プロパティに相対して表されます。

  • sys が単一モデルの場合、fpeak はスカラーになります。

  • sys がモデル配列の場合、fpeaksys と同じサイズの配列になり、fpeak(k)sys(:,:,k) のピーク ゲイン周波数になります。

fpeak は複素係数をもつシステムに対して負になる場合があります。

詳細

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アルゴリズム

sys を状態空間モデルに変換した後、normH2 ノルムに対する covar と同じアルゴリズムを使用します。L ノルムの場合、norm[1]のアルゴリズムを使用します。norm は SLICOT ライブラリを使用してピーク ゲインを計算します。SLICOT ライブラリの詳細については、https://github.com/SLICOTを参照してください。

参照

[1] Bruinsma, N.A., and M. Steinbuch. "A Fast Algorithm to Compute the H Norm of a Transfer Function Matrix." Systems & Control Letters, 14, no.4 (April 1990): 287–93.

バージョン履歴

R2006a より前に導入

参考

| | | (Robust Control Toolbox)