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coverage

カバレッジ マップの表示または計算

R2019b 以降

説明

coverage(txs) は、指定された送信機サイトのカバレッジ マップを現在のサイト ビューアーで表示します。マップに表示される色付きの各領域は、対応する強度の信号が移動体受信機に送信されるエリアを表します。

メモ

この関数は、CoordinateSystem プロパティが "geographic" に設定されているアンテナのみをサポートします。

coverage(txs,propmodel) は、指定された伝播モデルに基づいてカバレッジ マップを表示します。既定の伝播モデルは、地形を使用する場合は "longley-rice"、地形を使用しない場合は "freespace" です。

coverage(txs,rx) は、受信機サイトのプロパティに基づいてカバレッジ マップを表示します。

coverage(txs,rx,propmodel) は、受信機サイトのプロパティおよび指定された伝播モデルに基づいてカバレッジ マップを表示します。

coverage(___,Name,Value) は、Name,Value のペアによって指定された追加オプションを使用してカバレッジ マップを表示します。

pd = coverage(txs,___) は、計算されたカバレッジ データを伝播データ オブジェクト pd で返します。プロットは表示されません。また、グラフィックスのみの名前と値のペアは無視されます。

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MathWorks 本社に送信機サイトを作成します。

tx = txsite('Name','MathWorks', ...
        'Latitude', 42.3001, ...
        'Longitude', -71.3503);

カバレッジ マップを表示します。

coverage(tx)

MathWorks 本社に送信機サイトを作成します。

tx = txsite('Name','MathWorks', ...
        'Latitude', 42.3001, ...
        'Longitude', -71.3503);

フェンウェイ・パークに、アンテナ高さ 1.2 m、システム損失 10 dB で受信機サイトを作成します。

rx = rxsite('Name','Fenway Park', ...
       'Latitude',42.3467, ...
       'Longitude',-71.0972,'AntennaHeight',1.2,'SystemLoss',10);

近距離伝播モデルを使用して、送信機のカバレッジ エリアを計算します。

coverage(tx,rx,'PropagationModel','closein')

対応する色を使用して、強い信号と弱い信号の強度を定義します。

strongSignal = -75;
strongSignalColor = "green";
weakSignal = -90;
weakSignalColor = "cyan";

送信機サイトを作成し、カバレッジ マップを表示します。

tx = txsite('Name','MathWorks', ...
    'Latitude',42.3001, ...
    'Longitude',-71.3503);
coverage(tx, ...
    'SignalStrengths',[strongSignal,weakSignal], ...
    'Colors', [strongSignalColor,weakSignalColor])

ボストン周辺のサイトの名前と位置を定義します。

names = ["Fenway Park","Faneuil Hall","Bunker Hill Monument"];
lats = [42.3467,42.3598,42.3763];
lons = [-71.0972,-71.0545,-71.0611];

送信機サイトの配列を作成します。

txs = txsite('Name', names,...
       'Latitude',lats,...
       'Longitude',lons, ...
       'TransmitterFrequency',2.5e9);

近距離伝播モデルを使用して、複数の信号強度に対する合成カバレッジ マップを表示します。

coverage(txs,'close-in','SignalStrengths',-100:5:-60)

シカゴの建物を指定してサイト ビューアーを起動します。OpenStreetMap® ファイルの詳細については、[1] を参照してください。

viewer = siteviewer("Buildings","chicago.osm");

建物の上に送信機サイトを作成します。

tx = txsite("Latitude",41.8800, ...
   "Longitude",-87.6295, ...
   "TransmitterFrequency",2.5e9);
show(tx)

Site Viewer with buildings and a transmitter site

Longley-Rice 伝播モデルを使用したカバレッジ マップ

Longley-Rice 伝播モデルを使用して、都市のカバレッジ マップを作成します。

coverage(tx,"SignalStrengths",-100:-5,"MaxRange",250,"Resolution",1)

Site Viewer with coverage map

Longley-Rice モデルでは、垂直スライスと障害物に沿った屋上越しの伝播がカバレッジ領域の大部分を占めています。

レイ トレーシング伝播モデルとイメージ手法を使用したカバレッジ マップ

レイ トレーシング伝播モデルを作成します。MATLAB® は、RayTracing オブジェクトを使用してこのモデルを表現します。イメージ手法を使用し、最大 1 回の表面反射を伴う伝播パスを検出するようにモデルを構成します。

pmImage = propagationModel("raytracing","Method","image", ...
    "MaxNumReflections",1);

送信機サイトとレイ トレーシング伝播モデルを使用して、都市のカバレッジ マップを作成します。

coverage(tx,pmImage,"SignalStrengths",-100:-5, ...
    "MaxRange",250,"Resolution",2)

The same Site Viewer with a coverage map that includes more in-service areas

このカバレッジ マップには、反射による伝播パスによって通信が可能になった新たな領域が示されています。

レイ トレーシング伝播モデルと SBR 法を使用したカバレッジ マップ

別のレイ トレーシング伝播モデルを作成します。今回は、Shooting and Bounicng Rays (SBR) 法を使用し、最大 2 回の表面反射を伴う伝播パスを検出するようにモデルを構成します。SBR 法の方がイメージ手法よりも一般に高速になります。

pmSBR = propagationModel("raytracing","Method","sbr", ...
    "MaxNumReflections",2);

都市の更新されたカバレッジ マップを作成します。

coverage(tx,pmSBR,"SignalStrengths",-100:-5, ...
    "MaxRange",250,"Resolution",2)

The same Site Viewer with a coverage map that includes more in-service areas

このカバレッジ マップには、追加の反射による伝播パスによって通信が可能になった新たな領域が示されています。

付録

[1] OpenStreetMap ファイルは、クラウドソーシングによる世界中の地図データへのアクセスを提供する https://www.openstreetmap.org からダウンロードされたものです。このデータは Open Data Commons Open Database License (ODbL) https://opendatacommons.org/licenses/odbl/ によりライセンスされています。

入力引数

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送信機サイト。txsite オブジェクトとして指定します。複数のサイトを指定するには、配列入力を使用します。

この関数は、CoordinateSystem プロパティが "geographic" に設定されている場合のみアンテナ サイトのプロットをサポートします。

受信機サイト。rxsite オブジェクトとして指定します。

この関数は、CoordinateSystem プロパティが "geographic" に設定されている場合のみアンテナ サイトのプロットをサポートします。

パス損失の計算に使用する伝播モデル。次のオプションのいずれかとして指定します。

  • "freespace" — 自由空間伝播モデル

  • "rain" — 降雨伝播モデル

  • "gas" — ガス伝播モデル

  • "fog" — 霧伝播モデル

  • "close-in" — 近距離伝播モデル

  • "longley-rice" — Longley-Rice 伝播モデル

  • "tirem" — TIREM™ 伝播モデル

  • "raytracing" — Shooting and Bouncing Rays (SBR) 法を使用するレイ トレーシング伝播モデル。レイ トレーシング モデルを入力として指定した場合、この関数はフェーザの和を使用してマルチパス干渉を組み込みます。

  • 関数 propagationModel を使用して作成した伝播モデル。たとえば、propagationModel("raytracing","Method","image") を指定して、イメージ手法を使用するレイ トレーシング伝播モデルを作成することができます。

既定値は、入力サイトで使用される座標系によって異なります。

座標系伝播モデルの既定値
"geographic"
  • "longley-rice" (地形を使用する場合)。

  • "freespace" (地形を使用しない場合)。

"cartesian"
  • "freespace" (Map が none に設定されている場合)。

  • "raytracing" (Map が glTF™ ファイル名、STL ファイル名、または三角形分割オブジェクトに設定されている場合)。レイ トレーシング モデルは既定で Shooting and Bouncing Rays (SBR) 法を使用します。

"longley-rice""tirem" などの地形伝播モデルは、CoordinateSystem の値が "geographic" であるサイトでのみサポートされます。

名前と値のペアの引数 PropagationModel を使用して伝播モデルを指定することもできます。

名前と値の引数

オプションの引数のペアを Name1=Value1,...,NameN=ValueN として指定します。ここで、Name は引数名で、Value は対応する値です。名前と値の引数は他の引数の後に指定しなければなりませんが、ペアの順序は重要ではありません。

R2021a より前では、コンマを使用して名前と値をそれぞれ区切り、Name を引用符で囲みます。

例: "Type","power"

計算する信号強度のタイプ。以下のいずれかのオプションとして指定します。

  • "power"SignalStrengths の信号強度は、移動体受信機の入力における信号を電力単位 (dBm) で表したものになります。

  • "efield"SignalStrengths の信号強度は、アンテナに入射される信号波を電界強度単位 (dBμV/m) で表したものになります。

データ型: char | string

カバレッジ マップに表示する信号強度。数値ベクトルとして指定します。

各強度は、異なる色で塗りつぶされた領域としてマップ上に表示されます。既定値は、Type"power" である場合は -100 dBm、Type"efield" である場合は 40 dBμV/m です。

データ型: double

パス損失の計算に使用する伝播モデル。次のオプションのいずれかとして指定します。

  • "freespace" — 自由空間伝播モデル

  • "rain" — 降雨伝播モデル

  • "gas" — ガス伝播モデル

  • "fog" — 霧伝播モデル

  • "close-in" — 近距離伝播モデル

  • "longley-rice" — Longley-Rice 伝播モデル

  • "tirem" — TIREM 伝播モデル

  • "raytracing" — Shooting and Bouncing Rays (SBR) 法を使用するレイ トレーシング伝播モデル。レイ トレーシング モデルを入力として指定した場合、この関数はフェーザの和を使用してマルチパス干渉を組み込みます。

  • 関数 propagationModel を使用して作成した伝播モデル。たとえば、propagationModel("raytracing","Method","image") を指定して、イメージ手法を使用するレイ トレーシング伝播モデルを作成することができます。

既定値は、入力サイトで使用される座標系によって異なります。

座標系伝播モデルの既定値
"geographic"
  • "longley-rice" (地形を使用する場合)。

  • "freespace" (地形を使用しない場合)。

"cartesian"
  • "freespace" (Map が none に設定されている場合)。

  • "raytracing" (Map が glTF ファイル名、STL ファイル名、または三角形分割オブジェクトに設定されている場合)。レイ トレーシング モデルは既定で Shooting and Bouncing Rays (SBR) 法を使用します。

"longley-rice""tirem" などの地形伝播モデルは、CoordinateSystem の値が "geographic" であるサイトでのみサポートされます。

データ型: char | string

各送信機サイトのカバレッジ マップの最大範囲。大圏距離を表す正の数値スカラーとしてメートル単位で指定します。MaxRange は、マップ上にプロットする関心領域を定義します。既定値は、伝播モデルのタイプに基づいて自動的に計算されます。

伝播モデルのタイプMaxRange
大気または経験的SignalStrengths の最小値の範囲。
地形30 km または最も遠い建物までの距離。
レイ トレーシング500 m

伝播モデルのタイプの詳細については、伝播モデルの選択を参照してください。

データ型: double

カバレッジ マップの解像度。"auto"、またはメートル単位の数値スカラーとして指定します。

解像度が "auto" である場合、MaxRange にスケーリングされた最大値が計算されます。解像度を落とすと、カバレッジ マップの品質が向上しますが、作成に時間がかかります。

データ型: char | string | double

移動体受信機のゲイン。数値スカラーとして dB 単位で指定します。受信機のゲイン値には、移動体受信機のアンテナ ゲインとシステム損失が含まれます。

Type"power" である場合、受信機のゲインによって受信信号強度が計算されます。

受信機サイトの引数 rx がカバレッジに渡される場合、既定値は受信機のアンテナの最大ゲインからシステム損失を差し引いた値です。そうでない場合、既定値は 2.1 です。

データ型: char | string | double

移動体受信機のアンテナの地面の標高からの高さ。数値スカラーとしてメートル単位で指定します。

受信機サイトの引数 rx がカバレッジに渡される場合、既定値は受信機の AntennaHeight です。そうでない場合、既定値は 1 です。

データ型: double

カバレッジ マップ上の塗りつぶし領域の色。次のいずれかのオプションとして指定します。

  • 各要素が色の赤、緑、青の成分の強度を指定する RGB 3 成分からなる M 行 3 列の配列。強度は [0,1] の範囲でなければなりません (例: [0.4 0.6 0.7])。

  • string の配列 (["red" "green" "blue"]["r" "g" "b"] など)。

  • 文字ベクトルの cell 配列 ({'red','green','blue'}{'r','g','b'} など)。

色は、要素単位で SignalStrengths の値に対して割り当てられ、対応する塗りつぶし領域の色が指定されます。

ColorsColorLimitsColorMap と一緒に使用できません。

よく使われる色の色名、およびそれらと等価な RGB 3 成分を次の表に示します。

色名省略名RGB 3 成分外観
"red""r"[1 0 0]

Sample of the color red

"green""g"[0 1 0]

Sample of the color green

"blue""b"[0 0 1]

Sample of the color blue

"cyan" "c"[0 1 1]

Sample of the color cyan

"magenta""m"[1 0 1]

Sample of the color magenta

"yellow""y"[1 1 0]

Sample of the color yellow

"black""k"[0 0 0]

Sample of the color black

"white""w"[1 1 1]

Sample of the color white

データ型: char | string | double

カラーマップの色の範囲。タイプ [min max] の 2 要素ベクトルとして指定します。

色の範囲は、カラーマップの最初と最後の色にマッピングされる信号レベルの値を示します。

既定値は、Type"power" である場合は [-120 -5]Type"efield" である場合は [20 135] です。

ColorLimitsColors と一緒に使用できません。

データ型: double

カバレッジ マップの塗りつぶし領域のカラーマップ。事前定義されたカラーマップ、または RGB 3 成分からなる M 行 3 列の配列として指定します。ここで、M は個々の色を定義します。

ColorMapColors と一緒に使用できません。

データ型: char | string | double

信号強度の色の凡例をマップに表示するかどうか。true または false として指定します。

データ型: logical

カバレッジ マップの透明度。範囲 01 の数値スカラーとして指定します。0 は透明、1 は不透明です。

データ型: double

表面データを可視化するためのマップ。siteviewer オブジェクトとして指定します。 1

データ型: char | string

出力引数

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カバレッジ データ。Latitude、Longitude、およびプロット タイプに対応した信号強度変数からなる propagationData オブジェクトとして返されます。propagationData の名前は "Coverage Data" です。

制限

RayTracing オブジェクトを関数 coverage への入力として指定する場合、MaxNumDiffractions プロパティの値は 0 または 1 でなければなりません。

バージョン履歴

R2019b で導入

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1 Alignment of boundaries and region labels are a presentation of the feature provided by the data vendors and do not imply endorsement by MathWorks®.