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LongleyRice

Longley-Rice 伝播モデル

R2019b 以降

説明

不規則地形モデル (ITM) [1]とも呼ばれる Longley-Rice モデルを使用して、伝送点からの電磁放射が建物などの不規則な地形の上を伝わるときの挙動をモデル化します。このモデルは、LongleyRice オブジェクトを使用して表現します。

Longley-Rice モデルは次のとおりです。

  • 周波数 20 MHz ~ 20 GHz、距離 1 ~ 2,000 km、アンテナ高さ 0.5 ~ 3,000 m 向けに設計されています。

  • 自由空間損失、地形と障害物による回折、地表反射、大気屈折、および対流圏散乱からパス損失を計算します。

  • 物理特性と実測データを組み合わせてパス損失を推定します。

作成

関数 propagationModel を使用して LongleyRice オブジェクトを作成します。

プロパティ

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送信機と受信機のアンテナの偏波。"horizontal" または "vertical" として指定します。このオブジェクトは、どちらのアンテナも偏波が同じであると仮定します。

データ型: char | string

地面の導電率。スカラーとしてジーメンス毎メートル (S/m) 単位で指定します。モデルはこの値を使用して、地表反射と回折によるパス損失を計算します。既定値は平均的な地面に対応します。

データ型: double

地面の実数の比誘電率。スカラーとして指定します。実数の比誘電率は、真空の絶対誘電率に対する材料の複素絶対誘電率の比の実数部として表されます。モデルはこの値を使用して、地表反射と回折によるパス損失を計算します。既定値は平均的な地面に対応します。

データ型: double

地表付近の大気屈折率。スカラーとしてN 単位単位で指定します。このモデルは、この値を使用して、大気屈折と対流圏散乱によるパス損失を計算します。既定値は平均的な大気状態に対応します。

データ型: double

無線の気候帯。次のいずれかのオプションとして指定します。

  • "continental-temperate"

  • "equatorial"

  • "continental-subtropical"

  • "maritime-subtropical"

  • "desert"

  • "maritime-over-land"

  • "maritime-over-sea"

このモデルは、この値を使用して、大気状態の変化による変動性を計算します。既定値は、特定の気候帯における平均的な大気状態に対応します。

データ型: char | string

パス損失の時間変動の許容レベル。範囲 [0.001, 0.999] のスカラーとして指定します。時間変動性は、(大気状態などの) 長期的な変動性を表しますが、高速マルチパス フェージングなどの短期的な変動性は無視します。この値は、システムで必要とされる信頼性を、実際のパス損失がモデルの予測以下であると想定される期間の割合で表します。

データ型: double

パス損失の状況変動の許容レベル。範囲 [0.001, 0.999] のスカラーとして指定します。状況変動は、制御されていない (隠れた) 確率変数によって生じます。この値は、システムで必要とされる信頼性を、実際のパス損失がモデルの予測以下であると想定される類似の状況の割合で表します。

データ型: double

オブジェクト関数

pathloss無線波伝播のパス損失
add伝播モデルの追加

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Longley-Rice モデルを使用して、送信機のカバレッジ エリアを表示します。

pm = propagationModel("longley-rice");
tx = txsite("Name","Apple Hill","Latitude",42.3001,"Longitude",-71.3604);
coverage(tx,pm,"SignalStrengths",-100:-5)

時間変動と状況変動の許容レベルを、0.5 (既定) から 0.9 に増やします。更新した伝播モデルを使用して、送信機のカバレッジ エリアを表示します。

pm.TimeVariabilityTolerance = 0.9;
pm.SituationVariabilityTolerance = 0.9;
coverage(tx,pm,"SignalStrengths",-100:5)

変動の許容レベルが高くなると、モデルのカバレッジ エリアが狭くなります。

詳細

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参照

[1] Hufford, George A., Anita G. Longley, and William A.Kissick. A Guide to the Use of the ITS Irregular Terrain Model in the Area Prediction Mode. NTIA Report 82-100. National Telecommunications and Information Administration, April 1, 1982.

[2] Seybold, John S. Introduction to RF Propagation. Hoboken, N.J: Wiley, 2005.

バージョン履歴

R2019b で導入

参考

関数

オブジェクト