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I/Q Imbalance

複素信号への I/Q 不均衡の適用

  • I/Q Imbalance block

ライブラリ:
Communications Toolbox / RF Impairments and Components

説明

I/Q Imbalance ブロックは同相不平衡および直交不平衡を複素信号に適用します。このブロックは振幅の不均衡、位相の不均衡、DC オフセットを同相信号成分と直交信号成分に適用します。詳細については、I/Q 不均衡の実装アルゴリズムを参照してください。

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cm_iq_imbalance_16qam モデルは、I/Q 不均衡と DC オフセット劣化を 16-QAM シンボルのセットに適用し、信号コンスタレーションをプロットします。

すべての劣化にゼロ値が適用された信号コンスタレーションを表示します。信号サンプルと基準コンスタレーション点は、コンスタレーション ダイアグラム内で整列し、互いに重なり合います。

振幅の不均衡の劣化要因のみを追加した信号コンスタレーションを表示します。16-QAM コンスタレーションは四角形に展張します。

The amplitude imbalance is: 3.00 dB.

位相の不均衡の劣化要因のみを追加した信号コンスタレーションを表示します。16-QAM コンスタレーションは菱形に偏移します。

The phase imbalance is: 30.00 degrees.

同相 DC オフセットの劣化要因のみを追加した信号コンスタレーションを表示します。16-QAM コンスタレーションは、同相 DC オフセットの方向に並進します。

The in-phase DC offset is: 1.50.

直交 DC オフセットの劣化要因のみを追加した信号コンスタレーションを表示します。16-QAM コンスタレーションは、直交 DC オフセットの方向に並進します。

The quadrature DC offset is: 1.50.

劣化要因は負の値として適用できます。すべての不均衡劣化が非ゼロの負の値に設定された信号コンスタレーションを表示します。

The amplitude imbalance is: -3.00 dB.
The phase imbalance is: -30.00 degrees.
The in-phase DC offset is: -1.50.
The quadrature DC offset is: -1.50.

この例では、I/Q Imbalance Compensator ブロックを使用して、変調信号の振幅と位相の不均衡の影響を除去する方法を示します。

モデルの検証

このモデルは、8-PSK 信号に I/Q の振幅と位相の不均衡を追加し、I/Q 不均衡補正を適用して劣化を補正します。信号に対する劣化要因の追加と補正の実行には、それぞれI/Q ImbalanceブロックとI/Q Imbalance to Compensator Coefficientブロックを使用します。I/Q Imbalance ブロックは、振幅の不均衡を 5 dB、位相の不均衡を 7 度、DC オフセットを 0 に設定します。

Constellation Diagramブロックは、8-PSK の基準コンスタレーションと劣化補正前後の信号コンスタレーションを表示します。

モデルの実行と測定値の表示

モデルを 20 秒実行します。これは、劣化の補正が収束する十分な長さではありません。基準コンスタレーションは、赤いプラス記号 (+) でプロットされます。劣化した信号によって、振幅と位相の不均衡が 8-PSK 信号に与える影響がプロットされます。補正された信号は、信号が基準コンスタレーションとあまり一致していないことを示しています。

補償アルゴリズムは適応的であり、I/Q 不均衡を正確に推定するためには時間がかかります。シミュレーション時間を 100 秒に増やしてモデルを再実行します。今度は、コンスタレーションが基準コンスタレーションとよく一致していることがわかります。

その他の調査

I/Q Imbalance Compensator ブロックのステップ サイズ、I/Q Imbalance ブロックの振幅と位相の不均衡、変調タイプなど、その他のシミュレーション パラメーターを変更して試すことができます。その後、"Compensated Signal" コンスタレーション ダイアグラムで影響を確認します。

端子

入力

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複素信号。スカラーまたはベクトルとして指定します。

データ型: double | single
複素数のサポート: あり

出力

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出力信号。スカラーまたはベクトルとして返されます。この出力は入力信号と同じ次元およびデータ型になります。

パラメーター

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ブロック パラメーターを対話的に編集するには、プロパティ インスペクターを使用します。Simulink® ツールストリップの [シミュレーション] タブの [準備] ギャラリーで [プロパティ インスペクター] を選択します。

I/Q 振幅の不均衡 (信号強度のデシベル単位)。スカラーとして指定します。詳細については、アルゴリズムを参照してください。

I/Q 振幅の不均衡 (度単位)。スカラーとして指定します。

同相成分 DC オフセット。スカラーとして指定します。

直交成分 DC オフセット。スカラーとして指定します。

ブロックの特性

データ型

double | single

多次元信号

なし

可変サイズの信号

なし

詳細

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アルゴリズム

I/Q 振幅の不均衡、I/Q 位相の不均衡、DC オフセットの劣化要因について、次の節で順番に説明します。

  1. I/Q 振幅の不均衡 Ia の場合、劣化要因は入力信号 xr+ jxi に適用され、y AmplitudeImbalance は中間出力です。

    y AmplitudeImbalance y rAmplitudeImbalance + jyiAmplitudeImbalance

    y AmplitudeImbalance = (10(0.5Ia/20)xr)+j(10(0.5Ia/20)xi)

  2. I/Q 位相の不均衡 Ip の場合、劣化要因は y AmplitudeImbalance に適用され、yPhaseImbalance は中間出力です。

    yPhaseImbalance yrPhaseImbalance + jyiPhaseImbalance

    yPhaseImbalance =(e(j(0.5πIp180))yrAmplitudeImbalance)+(e(j(π2+0.5πIp180))yrAmplitudeImbalance)

  3. DC オフセット IDCQDC の場合、劣化要因は y PhaseImbalance に適用され、y は最終的な出力です。

    y = (yrPhaseImbalance + IDC) + j(yiPhaseImbalance + QDC)

これらの計算の変数は次のリストで定義されています。

  • I a は I/Q 振幅の不均衡 です。

  • Ip はI/Q 位相の不均衡です。

  • IDC は同相 DC オフセットです。

  • QDC は直交 DC オフセットです。

  • x は複素入力信号であり、xr + jxi で求められます。

    • xrxi はそれぞれ x の実数部と虚数部です。

  • y は複素出力信号であり、yr + jyi で求められます。

    • yryi はそれぞれ y の実数部と虚数部です。

拡張機能

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C/C++ コード生成
Simulink® Coder™ を使用して C および C++ コードを生成します。

バージョン履歴

R2006a より前に導入