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エラー ベクトル振幅の測定
Utility Blocks
EVM Measurement ブロックはエラー ベクトル振幅 (EVM) を測定します。EVM は変調器または復調器のパフォーマンスの指標となります。
このブロックには、1 つまたは 2 つの入力信号があります。受信信号と、オプションの基準信号です。ブロックが、入力端子からの基準または基準コンスタレーションからの基準のどちらを使用するかを選択しなければなりません。
ブロックは、平均基準信号強度、平均コンスタレーション電力、またはピーク コンスタレーション電力に従って正規化されます。RMS EVM、最大 EVM、および X 百分位 EVM の場合、出力計算に正規化方式が反映されます。
既定の EVM 出力はパーセント単位の RMS EVM で、最大 EVM または X 百分位 EVM のオプションがあります。最大 EVM はバースト単位の最悪のケースの EVM 値を表します。X 百分位のオプションでは、百分位計算で処理されたシンボル数を返す出力端子を有効にできます。
次の表に、出力タイプ、出力タイプ選択パラメーター、計算単位および対応する測定間隔を示します。
出力 | アクティベーション パラメーター | 単位 | 測定間隔 |
---|---|---|---|
RMS EVM | なし (既定で出力) | 割合 | Current length | Entire history | Custom | Custom with periodic reset |
最大 EVM | Output maximum EVM | 割合 | Current length | Entire history | Custom | Custom with periodic reset |
百分位 EVM | Output X-percentile EVM | 割合 | Entire history |
シンボル数 | [Output X-percentile EVM] および [Output the number of symbols processed] | なし | Entire history |
ブロックが受け入れるデータ型は、double、single および固定小数点です。ブロックの出力は常に double
です。
ブロックが測定を正規化する方法を選択します。
Average reference signal power
Average constellation power
Peak constellation power
既定値は [Average reference signal power]
です。
平均コンスタレーション電力で EVM 測定を正規化します。このパラメーターは、[Normalize RMS error vector] が [Average constellation power]
に設定されている場合にのみ使用できます。
ピーク コンスタレーション電力で EVM 測定を正規化します。このパラメーターは、[Normalize RMS error vector] が [Peak constellation power]
に設定されている場合にのみ使用できます。
基準信号のソースを [Input port]
または [Estimated from reference constellation]
として指定します。
基準コンスタレーション点をベクトルとして指定します。このパラメーターは、[Reference signal] が [Estimated from reference constellation]
のときにのみ使用できます。既定の設定は constellation(comm.QPSKModulator)
です。
測定間隔の指定は、[Input length]
、[Entire history]
、[Custom]
または [Custom with periodic reset]
で行います。このパラメーターは、RMS 出力および EVM 出力にのみ影響します。
現在のサンプルのみを使用して EVM を計算するには、このパラメーターを 'Input length'
に設定します。
すべてのサンプルの EVM を計算するには、このパラメーターを 'Entire history'
に設定します。
指定した間隔にわたって EVM を計算し、スライディング ウィンドウを使用するには、このパラメーターを 'Custom'
に設定します。
指定した間隔にわたって EVM を計算し、測定間隔がいっぱいになるたびにオブジェクトをリセットするには、このパラメーターを 'Custom with periodic reset'
に設定します。
カスタムの測定間隔をサンプル単位で実数の正の整数として指定します。これは EVM が計算される間隔です。このパラメーターは、[Measurement interval] が [Custom]
または [Custom with periodic reset]
のときに使用できます。既定値は 100
です。
EVM の測定値を平均する平均化次元。整数か、範囲 [1, 3] の要素値をもつ整数の行ベクトルとして指定します。たとえば、行全体を平均するには、このパラメーターを 2
に設定します。既定の設定は 1
です。
このブロックは、平均化が行われる次元の可変サイズ入力をサポートします。ただし、平均化されない次元の入力サイズは定数でなければなりません。たとえば、入力サイズが [1000 3 2]
で [Averaging dimensions] が [1 3]
の場合、出力サイズは [1 3 1]
になります。2 番目の次元の要素数は 3 に固定されます。
入力ベクトルまたはフレームの最大 EVM を出力します。
出力 X 百分位 EVM 測定を有効にします。このオプションを選択した場合は、[X-percentile value (%)] を指定します。
このパラメーターは、[Output X-percentile EVM] を選択している場合にのみ使用できます。X 番目の百分位は、すべての計算済み EVM 値の X% がその値を下回る EVM 値です。このパラメーターの既定値は、95 番目の百分位数です。つまり、すべての EVM 値の 95% がこの値よりも下になります。
ブロックが X 百分位値の計算で使用したシンボル数を出力します。このパラメーターは、[Output X-percentile EVM] を選択している場合にのみ使用できます。
シミュレーション モードを選択します。
コード生成
モデルの最初の実行時に、コードをシミュレートして生成します。ブロックの構造が変更されていない場合は、以降のモデルの実行でコードは再生成されません。
シミュレーション モードが [コード生成]
の場合、ブロックに対応する System object では最大 9 個の入力を受け入れます。
インタープリター型実行
コードを生成せずにモデルをシミュレートします。このオプションを使用すると起動時間が速くなりますが、その後のシミュレーションのパフォーマンスが低下する可能性があります。
EVM ブロックおよび EVM オブジェクトのいずれにも 3 種類の正規化方式が用意されています。測定値の正規化を基準信号の平均電力、平均コンスタレーション電力、またはピーク コンスタレーション電力に従って行うことができます。さまざまな業界標準が、これらの正規化方式のいずれかに準拠しています。
ブロックまたはオブジェクトは、それぞれの正規化方式に応じて各様に RMS EVM を計算します。
EVM 正規化方式 | アルゴリズム |
---|---|
基準信号 |
|
平均電力 |
|
ピーク電力 |
|
ここで、次のようになります。
ek =
Ik = バーストにおける k 番目のシンボルの同相での計測
Qk = バーストにおける k 番目のシンボルの直交位相での計測
N = 入力ベクトル長
Pavg = [Average constellation power] の値
Pmax = [Peak constellation power] の値
Ik および Qk は理想 (基準) 値を表します。 および は測定された (受信した) シンボルを表します。
最大 EVM は、フレームまたは の最大 EVM 値です。ここで、k は長さ N のバーストにおける k 番目のシンボルです。
EVMk の定義は、測定値の計算に選択された正規化方式に応じて異なります。ブロックまたはオブジェクトは次のアルゴリズムをサポートします。
EVM 正規化 | アルゴリズム |
---|---|
基準信号 |
|
平均電力 |
|
ピーク電力 |
|
ブロックまたはオブジェクトは、すべての受信 EVMk 値のヒストグラムを作成して、X 百分位 EVM を計算します。出力で EVM 値が得られます。EVM 値の X% がこの値を下回ります。
[1] IEEE Standard 802.16-2004. "Part 16: Air interface for fixed broadband wireless access systems." October 2004.
[2] 3 GPP TS 45.005 V8.1.0 (2008-05). "Radio Access Network: Radio transmission and reception".
[3] IEEE Standard 802.11a-1999. "Part 11: Wireless LAN Medium Access Control (MAC) and Physical Layer (PHY) specifications: High-speed Physical Layer in the 5 GHz Band." 1999.