BCH Encoder

バイナリ ベクトル データからの BCH 符号の作成

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Communications Toolbox / Error Detection and Correction / Block

説明

BCH Encoder ブロックはメッセージ長 K とコードワード長 (N – パンクチャの数) をもつ BCH 符号を作成します。

符号化器がフレームごとに複数のコードワードを処理する場合は、同じパンクチャ パターンがすべてのコードワードに適用されます。入力および出力信号長は、BCH ブロックの入力および出力信号長にリストされています。

有効な N 値、有効な (N,K) ペア、および与えられた BCH 符号の誤り訂正能力に関する情報については、ヒントを参照してください。

例

DVB-S.2 リンク (Simulink での LDPC 符号化を含む)

このモデルでは、第 2 世代のデジタル ビデオ放送規格 (DVB-S.2) で使用され、DIRECTV が合衆国で展開している最先端のチャネル符号化方式を示します。符号化方式は、LDPC (低密度パリティ検査) 符号と BCH 符号の連結に基づいています。Gallager が独創性に富んだ博士論文で 1960 年に考案した LDPC 符号では、低複雑性反復復号化アルゴリズムを使用することによって、チャネル容量に近い非常に低いエラー レートを実現できます。外部の BCH 符号は、LDPC 復号化器によって生成される散発的な誤りを訂正するのに使用されます。

モデルを開く

端子

入力

In — 符号化するメッセージ

バイナリ列ベクトル

符号化するメッセージ。[Message length, K] の整数倍の要素、符号が短縮形の場合は [Shortened message length, S] 個の要素をもつバイナリ列ベクトル入力信号として指定します。入力要素の各グループは、符号化する 1 メッセージ ワードを表します。入力および出力信号長は、BCH ブロックの入力および出力信号長にリストされています。

データ型: single | double | int8 | int16 | int32 | uint8 | uint16 | uint32 | Boolean

出力

Out — 符号化されたメッセージ

バイナリ列ベクトル

符号化されたメッセージ。バイナリ列ベクトルとして返されます。符号化されたメッセージは、メッセージ長 K とコードワード長 (N – パンクチャの数) をもつ BCH 符号です。

データ型: single | double | int8 | int16 | int32 | uint8 | uint16 | uint32 | Boolean

詳細については、サポートされているデータ型を参照してください。

パラメーター

Codeword length, N — コードワード長

15 (既定値) | 整数

コードワード長。形式 N = 2^M–1 の整数として指定します。ここで M は 3 ～ 16 の整数です。詳細については、ヒントを参照してください。

Message length, K — メッセージ長

5 (既定値) | 整数

メッセージ長。整数で指定します。(N, K) ペアは、狭義の BCH 符号を生成しなければなりません。

Shortened message length, S — 短縮メッセージ長

5 (既定値) | 整数

短縮メッセージ長。整数で指定します。このパラメーターを指定する場合は、フルレングスの N および K の値を入力して (N–K+S,S) コードに短縮されている (N,K) コードを指定します。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[Specify shortened message length] を選択します。

Generator polynomial — 生成多項式

'X^10 + X^8 + X^5 + X^4 + X^2 + X + 1' (既定値) | 多項式の文字ベクトル | バイナリ行ベクトル | バイナリ ガロア行ベクトル

生成多項式。次のいずれかとして指定します。

• 多項式の文字ベクトル。詳細については、Communications Toolbox での多項式の表現を参照してください。

• バイナリ行ベクトル。降べきの順に並べた生成多項式の係数を表します。

• バイナリ ガロア行ベクトル。降べきの順に並べた生成多項式の係数を表します。

例: 'X^10 + X^8 + X^5 + X^4 + X^2 + X + 1' は、bchgenpoly(15,5) と等価です。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[Specify generator polynomial] を選択します。

Primitive polynomial — 原始多項式

'X^4 + X + 1' (既定値) | 多項式の文字ベクトル | バイナリ行ベクトル

降べきの順に並べた原始多項式。有限ガロア体 GF(2) を定義する、M 次多項式で、次のいずれかとして指定します。

• 多項式の文字ベクトル。詳細については、Communications Toolbox での多項式の表現を参照してください。

• バイナリ行ベクトル。降べきの順に並べた生成多項式の係数を表します。

例: 'X^4 + X + 1' は、(15,5) 符号 ppoly = primpoly(4,'nodisplay'); int2bit(ppoly,ceil(log2(max(ppoly))))' に使用される原始多項式です

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[Specify primitive polynomial] を選択します。

Disable generator polynomial checking — 生成多項式チェックを無効にするオプション

on (既定値) | off

生成多項式チェックを無効にする場合に、このパラメーターを選択します。

モデルを初期化するたびに、このブロックは多項式のチェックを実行します。このチェックにより、X ^N + 1 が指定された生成多項式で割り切れることが確認されます。ここで N は、フル コードワード長を表します。大きいコードの場合、このチェック ボックスをオフにすると、シミュレーション プロセスが高速化されます。

ヒント

この機能を無効にする前に、常に 1 回以上チェックを実行してください。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[Specify generator polynomial] を選択します。

Puncture vector — パンクチャ ベクトル

[ones(8,1); zeros(2,1)] (既定値) | バイナリ列ベクトル

パンクチャ ベクトル。長さ N-K のバイナリ列ベクトルとして指定します。1 を含む要素インデックスは、ブロックを変更せずに通過するデータ シンボル インデックスを表します。0 を含む要素インデックスは、データ ストリームからパンクチャされる、つまり削除されるデータ シンボル インデックスを表します。詳細については、短縮、パンクチャ、および消去を参照してください。

メモ

1 と 0 はパンクチャ ベクトルと消去ベクトルでは正反対の意味になります。消去ベクトルの場合、1 はデータ シンボルが消去シンボルに置き換えられることを意味し、0 はデータ シンボルがブロックを変更せずに通過することを意味します。この規則は符号化器と復号化器の両方に適用されます。

依存関係

このパラメーターを有効にするには、[Puncture code] を選択します。

ブロックの特性

データ型	Boolean | double | integer | single
多次元信号	なし
可変サイズの信号	なし

詳細

BCH ブロックの入力および出力信号長

この表では、BCH 符号化器および復号化器ブロックの入力および出力信号長を計算する方法を示します。

表記 y = c * x は、y が x の整数倍であることを表します。

短縮メッセージ長 S の指定	BCH Encoder	BCH Decoder
off	入力長: c * K 出力長: c * (N – P)	入力長: c * (N – P) 出力長: c * K 消去長: c * (N – P)
on	入力長: c * S 出力長: c * (N - K + S - P)	入力長: c * (N - K + S - P) 出力長: c * S Erasures Length: c * (N - K + S - P)

• N はコードワード長です。

• K はメッセージ長です。

• S は短縮メッセージ長です。

• P は "パンクチャ数" の値で、パンクチャ ベクトルの 0 の数と等しくなります。

サポートされているデータ型

端子	サポートされているデータ型
In	倍精度浮動小数点 boolean 8、16、32 ビット符号付き整数 8、16、32 ビット符号なし整数
Out	倍精度浮動小数点 boolean 8、16、32 ビット符号付き整数 8、16、32 ビット符号なし整数

ペア ブロック

BCH Decoder — BCH 符号化されたデータを復号化します。

ヒント

• 有効な (N,K) ペアと誤り訂正能力の対応する値の一覧を生成するには、bchnumerr(N) を実行します。

• 有効な値は N = 2^M–1 です。ここで、M は 3 ～ 16 の整数です。N の最大許容値は 65,535 です。

アルゴリズム

このブロックは、BCH と RS の誤りのみの復号化のアルゴリズムで説明されているアルゴリズム、入力、および出力を実装しています。

参照

[1] Clark, George C., Jr., and J. Bibb Cain. Error-Correction Coding for Digital Communications. New York: Plenum Press, 1981.

拡張機能

C/C++ コード生成
Simulink® Coder™ を使用して C および C++ コードを生成します。

バージョン履歴

R2006a より前に導入

参考

ブロック

• BCH Decoder

オブジェクト

• comm.BCHEncoder

関数

• bchenc | bchgenpoly | primpoly

トピック

• ブロック符号