ユーザー事例

KPIT が、モデルベースデザインで AUTOSAR 準拠のソフトウェアを開発するエンドツーエンドのプロセスを確立

課題

自動車用ECU向けに再利用可能なモジュラーソフトウェアコンポーネントの提供を加速させること

ソリューション

SimulinkおよびEmbedded Coderを使用した、AUTOSARおよびモデルベースデザインに基づくソフトウェア開発ワークフローを確立

結果

  • 開発時間を最大40%削減
  • AUTOSARラウンドトリップエンジニアリングのワークフローを確立
  • モデルベースデザインのためにAUTOSAR実装を簡略化

「SimulinkおよびEmbedded Coderにより、当社の顧客は、AUTOSAR特有の内容にとらわれることなく、アプリケーションソフトウェアの開発に集中できるようになりました。モデルベースデザインを適用したことで、ECUを使用したテストを行うずっと前のフェーズでモデルインザループテストにより要件を検証できました。」

KPIT、Mahesh Ghivari氏
典型的なエンジン後処理システム

典型的なエンジン後処理システム


自動車部品サプライヤーは、ハードウェアやソフトウェア製品に密接に依存しない、モジュール型のスタンドアロンのソフトウェアソリューションに対するOEMの需要が増加していることを認識しています。KPIT Technologies Ltd.は、AUTOSARソフトウェアアーキテクチャ、MATLAB® およびSimulink®を使用したモデルベースデザイン (モデルベース開発、MBD)に基づく開発ワークフローを確立することで、顧客のモジュラーソフトウェアに対する要求の増大に対応できるように支援しました。このワークフローは、KPITとその顧客の両社のエンジニアによるエンジンの後処理システムソフトウェアを再構築・拡張するパイロットプロジェクトでテストされ、検証されました。

「Simulinkを使用して、モデルレベルで要件を検証し、AUTOSAR準拠のコードをEmbedded Coderで生成するワークフローを確立しました。」とKPITの実務ディレクターであるMahesh Ghivari氏は述べています。「その結果、ソフトウェアの再利用とモジュール性が向上したばかりでなく、開発のスピードも向上しました。」

課題

エンジンの後処理システムのソフトウェアとハードウェアを分離することに加えて、KPITの顧客はシステムに新しい機能を追加する必要がありました。また、手作業で組み込みCコードを作成することに基づいた既存の開発ワークフローで欠点に対処する必要がありました。既存のワークフローでは、エンジニアは、電子制御ユニット(ECU)で要件をテストできるようになるまで、システム要件を検証する機会はほとんどありませんでした。顧客は、手作業によるコーディングを減らし、開発の初期段階で設計を検証したいと考えました。

同時に、顧客は、提供されたソフトウェアが同じECU上で実行される他のソフトウェアと互換性があることを保証するために、オープンで規格化された自動車ソフトウェアアーキテクチャを望んでいました。

ソリューション

KPITのエンジニアは、顧客向けにAUTOSARおよびモデルベースデザインに基づくソフトウェア開発ワークフローを確立しました。

このワークフローでは、まずシステム要件の解析をして、個々のAUTOSARソフトウェアコンポーネントから構成されるアーキテクチャの定義を行いました。

次に、チームは、インターフェイスを設定してその他の構成の詳細情報を追加するために、AUTOSARオーサリングツールを使用して個々のコンポーネントのソフトウェア要件を定義しました。

トップダウンアプローチに従い、ソフトウェアコンポーネント記述のARXMLファイルをオーサリングツールからエクスポートしました。これらのファイルをSimulinkに直接インポートして、インターフェイスブロックおよびオーサリングツールで定義されたAUTOSAR関連の設定を含むスケルトンのSimulinkモデルを作成しました。

SimulinkおよびStateflow®で作業を行い、アプリケーションソフトウェアのスケルトンモデルに対して、新機能を実装するために順次ロジックとその他のブロックを追加しました。

MathWorks Automotive Advisory Board (MAAB)ガイドラインに準拠するためにモデルを確認してから、モデルインザループシミュレーションを実行して要件に対して設計された機能をテストしました。

Embedded Coder® およびAUTOSAR規格のEmbedded Coderサポートパッケージを使用して、AUTOSAR準拠のCコードを更新されたソフトウェアコンポーネント記述のARXMLファイルと共に生成しました。

生成したCコードを使用して、ソフトウェアインザループテストを実施して、これらのテストの結果がSimulinkモデルのシミュレーション結果と一致することを検証しました。

ECUに配布する前に、新しいアプリケーションソフトウェアを他のAUTOSARソフトウェアコンポーネントに統合できるようにするために、更新されたARXMLファイルをAUTOSARオーサリングツールにインポートしました。

このワークフローを使用して、KPITおよびその顧客はエンジンの後処理システムソフトウェアの開発を正常に完了させました。現在、このソフトウェアの最終テストが行われています。KPITの顧客は現在、他のAUTOSARプロジェクトでもモデルベースデザインを使用しています。

KPITのAUTOSAR準拠ソフトウェア開発のエンドツーエンドのプロセス

KPITのAUTOSAR準拠ソフトウェア開発のエンドツーエンドのプロセス

結果

  • 開発時間を最大40%削減。Simulinkを使用したモデルベースデザインにより、標準的な開発手法と比較して10%から40%程度削減されました。標準的な開発手法に時間がかかるのは、手作業でのコーディングやECUを使用しない形態で要件の検証ができないためです。
  • AUTOSARラウンドトリップエンジニアリングのワークフローの確立。AUTOSARオーサリングツールでインターフェイスを設定後、KPITはそれらをSimulinkにインポートして2つのツールのソフトウェアコンポーネント間で1対1のマッピングを行いました。AUTOSAR準拠のコードおよびコンポーネント記述ファイルは、Simulinkモデルから自動的に生成され、ARXMLファイルはKPITのオーサリングツールにインポートされました。
  • モデルベースデザインのためにAUTOSAR実装を簡略化。「当社の顧客は現在、アプリケーションソフトウェアおよび制御アルゴリズムの開発に集中できます。なぜなら、AUTOSARのワークフローやツールチェーンについて懸念する必要がなくなったためです。」とMahesh氏は述べています。「MathWorksは引き続き、SimulinkにおけるAUTOSARに対するサポートを強化しており、私たちはAUTOSAR規格に対するいかなる変更もサポートされるものと確信しています。」

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