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第 1 章

ブラシレス DC モーターの仕組み


固定子に 3 つのコイル巻線、および回転子に単極対を持つモーターを考えてみます。この種類のブラシレス DC モーターは、三相インバーターによる 6 段階整流 (台形波制御) で駆動され、モーターの継続的回転のために 60 度ごとに正しい相の整流が行われます。6 段階整流およびその仕組みについての詳細は、『ブラシレス DC モーター制御入門』の ebook でご確認ください。

DC 電圧源は、三相インバーターに定電圧を提供します。三相インバーターは、DC 電源を三相電流に変換して、別のコイルのペアを交互に励磁します。以下の図のように、印加電圧が一定 (左の図) の場合には、電圧と速度の相対的な関係により、モーターは一定速度 (右の図) で回転します。

三相インバーターに定電圧を供給し、B L D C モーターを一定速度で回転させた場合を示す図。

ただし、モーターをさまざまな速度で実行するには、印加電圧の大きさを調整するコントローラーが必要です。以下の手順で、このアルゴリズムを構築する方法を説明します。

セクター検出のためのホールセンサーの使用

回転子を制御するには、まず、ホール効果センサーのようなセンサーを使用して角度位置と速度を測定する必要があります。ホールセンサーは、回転子がセクター内のどこにあるかという情報を正確に示しません。その代わりに、回転子が 1 つのセクターから別のセクター (アニメーションを参照) に遷移したときに、それを検出します。これは、モーター相を整流するタイミングを判断するために必要な唯一の入力です。

ただし、各セクターの境界で、3 つの相のうちどの 2 つを整流すべきかはまだ分かりません。正しい相は、次のセクションで説明する整流論理回路で指定されます。

整流論理回路での相の整流

以下のブロック線図は、モーター制御アルゴリズムのさまざまなコンポーネントが相互作用する様子を示したものです。整流論理回路は、三相インバーターの切り替えパターンを計算します。整流論理表では、A、B、および C は、モーターの三相を示します。三相インバーターのハイサイドは H、ローサイドは L で示されています。回転子が最初のセクター内の場合には、整流論理は、一番上の切り替えパターンを選択します。これは、フェーズ A のハイサイドスイッチと、フェーズ C のローサイドスイッチをオンにすることを示します。

回転子が他のセクターに遷移すると、それにしたがって次のスイッチパターンが選択され、三相インバーターに送信されます。まとめると、センサーは回転子を整流するタイミングを知らせ、整流論理は、各整流で励磁する正しい相を判断します。このようにしてモーターを回転させることができます。次の目標は、さまざまな速度でモーターを回転させることです。

以下のビデオで、Simscape Electrical™を使用して三相インバーターおよび整流論理回路をモデル化する方法をご覧ください。